2014年12月23日火曜日

フェリス女学院大学 音楽学部 冬期音楽講習会

フェリスにおける今年最後の学内業務は冬期音楽講習会です。

当方は「(副業としての)音楽ジャーナリズム」について話した後、「クラシック&ポピュラー聴き比べ」を行いました。終わったあと「こういう授業は取れるんですか」とか「フェリスに4月からぜひお願いします」という高校生が やって来てびっくり。「お待ちしています」と答えました。

午後からは入試ポイント解説「国語・英語」をやる予定です。

2014年12月20日土曜日

たまには本務校 (フェリス) のことでも

木曜日には、音楽芸術学科の2コマの講義を持っています。

まずそのうちの1つは「音楽社会学」という授業で、昨日は複製メディアの話をやりました(前回は自動ピアノから初期のレコード、ラジオの話、そして今回はその後、と言う感じです)。そこでちょっとした与太話も入れているのですが、その中で使った「エアチェック」と言う言葉がとっくに死語であり、「そもそもFM雑誌なんてあったのね」というのが学生の世代でして、時代の流れを感じています(ちなみに私は中学から高校にかけて、エアチェック・ブームまっただ中でした [苦笑] )。ただMDにCDの音をダビングした経験はあるので、そこからエアチェックの話は類推できるようではあります。

あと、メディアと音楽という流れで、ポピュラー音楽に触れ、アドルノなんかが言ってるような「標準化」という話題もやっております。そこでティン・パン・アレイのAABA形式のことや、ブルース形式などについて話しているのですが、毎年『ひみつのアッコちゃん』の《すきすきソング》をブルース形式の例として取り上げております。いつも何人か反応があって面白いです(コメントシートを書いてもらっているので、これを読むのが毎週の楽しみ…)。

もう一つ、 「日本音楽通史」というのもやっております(週2回授業=後期で30回というハードな授業)。先々週くらいまでは、日本の伝統音楽をやっていたのですが、今は明治の西洋音楽受容が中心になってきております。それにしても、やはり食いつきが全然伝統音楽とは違いますね。彼女たちにとっての「日本音楽」が、こういう辺りにあるっていうのは、哀しいかな、現状なのですねえ。

それで、前々回は3つの《君が代》をかけてみたのですけれど、いわゆる「フェントン版」が好きという学生がけっこういたのが印象的でした。和声的にはきれいだからかもしれません。 前回は滝廉太郎と新日本音楽、そして昨日は学校の外の西洋音楽ということで、鹿鳴館の話から軍楽隊の野外コンサート、東京市中音楽隊やら百貨店の音楽隊やらオペラの事始めを取り上げました。大阪三越音楽隊の《カルメン抜粋》の音源(『黒船以来』所収)があるのは、ありがたいです。最後にちょっとだけ明治の流行歌(演歌師による《スカラーソング》)など。

年内授業は、今度の月曜日に2コマ(ディズニー映画音楽、日本音楽通史のつづき)。そして火曜日に冬季音楽講習会でワークショップ(クラシック&ポピュラー聴き比べ)などをやります。

2014年12月19日金曜日

雑誌『シンフォニー』

こういうものが届きました。 せっかく購入しましたので、何らかの形で役に立てたいなと思います。


2014年12月12日金曜日

現代音楽講義 (23) プレイリスト

今日東京芸大で行なった「現代音楽講義」のプレイリストです(すべて一部断片のみかけました)

アメリカの保守主義
 ・ノーマン・デロ=ジョイオ (1913-2008):組曲《エアパワー》から (1958)

いわゆる「ポストモダン」(多様式主義、新ロマンなど)
・ジョージ・ロックバーグ (1918-2005):《魔法の劇場のための音楽》(1965) から第1幕、第2幕
・ロックバーグ:弦楽四重奏曲第3番 (1971)から第1楽章、第3楽章
・ウィリアム・ボルコム (1938- ):《黒の主》(1967) 
・ボルコム:《コメディア》(1971)
・シドニー・ホドキンソン (1934- ):《セリエルの崩壊》(1967)
・デイヴィッド・デル=トレディチ (1937- ):《ファイナル・アリス》(1975)
・マイケル・トーキー (1961- ):《ジャヴリン》(1990)
・マイケル・ドアティ (1954- ):《メトロポリス・シンフォニー》(1988-93) から、第1楽章 <レックス>、第5楽章<赤のマントのタンゴ>
→デル=トレディチのアリスは評判良かったです。もちろんバーバラ・ヘンドリックスとゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ響の演奏です。

2014年12月5日金曜日

現代音楽講義 (22) プレイリスト

今日東京芸大で行なった授業「現代音楽講義」のプレイリストです。
・テリー・ライリー:《レインボー・イン・カーヴド・エア》
・フィリップ・グラス:オペラ《浜辺のアインシュタイン》より第3幕第3場<宇宙船>
→「衝撃を受けた」というコメントがある一方で、退屈していた様子も(?)

・スティーヴ・ライヒ《ドラミング》(1970-71)(冒頭のほんの少しだけ)
・ライヒ:《木片の音楽》 (1973)
・フィリップ・グラス:《アクナーテン》(1983)より第2幕第4場<賛歌>
・ジョン・アダムズ (1947-):《中国のニクソン》(1985–87)より
・カール・ストーン(1953- ):《ホープ軒》(1989)
・ストーン:《神谷バー》(1995)
→例の築地市場のセリの声の部分。「言われなければ南米の音楽かと思っていた」とかいうコメントもありました。

・ポール・ドレッシャー (1951- ):《アザー・ファイア》(1991)
・ニコラス・コリンズ (1954- ):《途切れた光》(1991)
→ダニエル・レンツとか入れようとも思いましたが、当方の知識が未消化のため、あきらめました。ガンの本だと William Duckworth とかMeredith Monkなんかもミニマル/ポストミニマルに入ってるんですよね。

2014年11月28日金曜日

現代音楽講義 (21) プレイリスト

今日、東京芸大で行なった「現代音楽講義」のプレイリスト 。アメリカの初期ミニマリズムをやりました。

ラ・モンテ・ヤング (1935- )
 ・《ヘンリー・フリントのための42》
 ・《ニューヨーク市1973年1月3日 午後5時35分から6時14分13秒まで》  (アルバム『Dream House 78' 17" 』から)
・《ウェル・チューンド・ピアノ》(1964- )

テリー・ライリー (1935- )
・《インC》(1964)

フィリップ・グラス (1937- )
・《五度の音楽》(1969)  

スティーヴ・ライヒ (1936- )
・《カムアウト》(1966) ・《ピアノ・フェイズ》(1967)

時間が足りなかったので、《浜辺のアインシュタイン》は次回の冒頭にやろうと思います。 ミニマル=反復とは限らないというのは、やっぱりヤングをやらないと分かりませんよね。最小限主義といいますか。

2014年11月23日日曜日

現代音楽講義 (20) プレイリスト

一昨日、東京芸大で行なった「現代音楽講義」(内容は20世紀を中心としたアメリカ音楽史)プレイリスト。カイル・ガンの分類がいいのか悪いのか分からないですが、とりあえず、「ケージ後の流れ:コンセプチュアリズム」としてまとめました。それぞれほんの一部のみ抜粋です。
ロバート・アシュレー (1930- )
・《狼男》(1964)
・《固い決意を持った婦人のゆるやかな午後》(1968)
・《パーフェクト・ライヴズ》(1982)
アシュレーの作品は英語のテクストが分からないと面白さが伝わりにくいでしょうかね?
ポーリン・オリヴェロス (1932- )
・《サウンド・パターンズ》(1961)
・《ソニック・メディテーション》第1番 《独学で学ぶ飛行》
・《馬は雲から歌う》(1977)
2番目のは、本当は教室でやった方が面白いのでしょうけれど…YouTube動画です (冷汗。学生の中に、藤枝守さんがおやりになったのを体験したというのがいました。
アルヴィン・ルシエ (1931- )
・《ソロ・パフォーマーのための音楽》(1965)
・《私は部屋に座っている》(1970)
2番目のは Source Records の録音です。
フルクサス
・ジョージ・ブレクト (1926-2008):《水滴の音楽 (ドリップ・イヴェント)》
・ラ・モンテ・ヤング (1935-):《デヴィッド・チュードアのためのピアノ作品》第1番 (1960)
・ナム・ジュン・パイク (1932-2006):ヴァイオリンのための《One》(1961)
いずれの動画もYouTubeから持ってきました

2014年11月15日土曜日

現代音楽講義 (19) プレイリスト

昨日の芸大の授業では、ニューヨーク・スクールを扱いました。

・モートン・フェルドマン (1926-1987):《プロジェクション2》(1951)
・フェルドマン:《4台のピアノのための作品》(1957)
・フェルドマン:《音価》第2番 (1960-61)
・フェルドマン:《構造》(1951)
・フェルドマン:《フルートとオーケストラ》(1977-78)

・アール・ブラウン (1926-2000):《1952年11月 (シナジー)》
・ブラウン:《1952年12月》
 この2曲は短い断片のみをいくつかのバージョンで聴き比べ。
・ブラウン:《入手可能な形式》第1番 (1951)
Stephen Drury指揮によるNew England Conservatoryのアンサンブルによる演奏の動画を使いました (YouTube)

・クリスチャン・ウォルフ(1934- ):フルート、トランペット、チェロのための三重奏曲 (1951)
・ウォルフ:ホルンとピアノのための《デュエットII》(1961)

・ジョン・ケージ《ヴァリエーションズV》(1965)
(デヴィッド・チュードア、ゴードン・ムンマ=エレクトロニクスを担当)
DVDをかけました。チュードアのエレクトロニクス作品をかけても良かったのですが、よりインパクトのあるのはこちらかなあと思いまして…。

2014年11月8日土曜日

現代音楽講義 (18) プレイリスト

昨日の芸大の授業では、ジョン・ケージの音楽を取り上げました。

・クラリネット・ソナタ (1933)
・《6つの短いインヴェンション》(1934)
いずれも冒頭だけ。

・《クレド・イン・US》(1942)
さわりだけ(《新世界》第4楽章+ラジオ [多分英国のドラマの放送]、ショスタコ5番第4楽章、《英雄》第3楽章)

・マーガレット・レン・タンによるプリペード・ピアノのプリパレーションの動画 (DVDから編集、《バッカナール》など一部演奏を含む)

・《ソナタとインターリュード》から、ソナタ第5番
(マロ・アジェミアン、ジェームズ・テニーの聴き比べ)

・《易の音楽》(1951) 第1部
(楽譜を見て、簡単に解説しました:曲の長さはあらかじめ決まっている
+その他の要素をチャンス・オペレーションで)

・《心象風景第4番》(1951)の一部

・《スピーチ》(1955)
(NHK-BS で没後に放送されたドキュメンタリーの一部、リハーサルと本番の一部)

・《ある風景の中で》(1946)
そのほか、音は出しませんでしたが《4分33秒》についても簡単に触れました。

こういうコメントをいただきました。

・ケージ本人の無邪気さを垣間見てとても好きになりました。コンサートや時間、イベントという概念は西洋伝統的であり、その枠組みでどんなに前衛的なことをやってもどこか安心感があります。ただの "気違い" ではないようですね。面白いことが好きな変わっただけの普通のおじさんでした。

・今までの前衛的という見方から、もっと楽しい音楽という見方に変わった。しかし、ジョン・ケージは時代、場所に恵まれていたのではないかとも考えられる。ジョン・ケージはアメリカでなかったら、20世紀でなかったら 4'33" をはじめとする作品は生まれなかったと思う。

2014年11月4日火曜日

[Sony Music Unlimited (Japan)] シューベルト聴き比べ

当方が選曲を担当しているプレイリストが公開されました。お時間がある時にでも、ちょっと覗いてくださると幸いです。

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クラシック聴き比べ、今回はシューベルト聴き比べです。

シューベルトは《軍隊行進曲》から、2台ピアノ [1, 2] (録音の違いも面白い!)版とオケ版 [3] です。

続いて《魔王》はボストリッジ(テノール)[4]に始まり、女声 [5, 7,9]、男性の [6, 8]による歌唱で、キーも変わります。弦楽四重奏による伴奏は色彩も鮮やか[10]。そしてリストによるピアノ版ほか、色々なアレンジでどうぞ [10-14]。
《未完成》交響曲の第2楽章は2つ [15, 16] の演奏時間が2分弱も違います。当然アプローチの違いも。

[17-24] は、おなじみの《鱒》をお送りします。[20] の演奏では、伴奏を一度止めずに歌い出したり、リズムが自在に扱われているのが面白いですね。さらにピアノ五重奏版 (変奏曲) [22] やセザール・フランクのピアノ独奏版 [21]のほか合唱版 [23], ジャズ・アレンジで[24]。

そのほか《菩提樹》[25-27]、《死と乙女》[28, 29]、ホルンの響きも美しい《流れの上で》[30-31]、最後は《楽に寄す》[32-37]です。[37] は伴奏ピアニストとして有名なジェラルド・ムーアによる唯一の独奏の記録だそうです。

https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/f502650f2d5643b28c1c302db9a0f2df

2014年10月25日土曜日

フェリス女学院大学 音楽芸術学科 紹介ムービー

当方が勤めております学科の紹介動画ができました。お時間のある時に、ぜひご覧ください。

2014年10月15日水曜日

『礼拝と音楽』163号に執筆

夏休みは、『礼拝と音楽』163号に掲載する記事のために時間を割きました。当方は「現代社会とキリスト教音楽」というタイトルで、ジェームズ・マクミラン、タン・ドゥン、ペルト、ペンデレツキ、ブリテン、アンドリュー・ロイド・ウェッバーの宗教作品について書いております。



http://bp-uccj.jp/publications/worship/2014-autumn

2014年10月12日日曜日

2014年10月11日土曜日

現代音楽講義 (15) プレイリスト

昨日芸大でやった授業

アカデミズムといわゆる "university composers"
ユーロ・アメリカンとアイデンティティの問題
・ウォルター・ピストン:交響曲第6番から第1楽章  (抜粋)

折衷主義 (1) セミクラシック
・ルロイ・アンダーソン(1908-1975):《タイプライター》(1950) (抜粋)
・モートン・グールド (1913-96):《アメリカン・シンフォネット》第2番
 (1935) から<パヴァーヌ>  (抜粋)

折衷主義 (2) サード・ストリーム・ミュージック
・ガンサー・シュラー (b. 1925):《会話》(1959) (抜粋)

折衷主義 (3)
・レナード・バーンスタイン (1918-1990):《ミサ》(抜粋)
 日本語字幕の付いたDVDを使用しました。
ルロイ・アンダーソンとポップス・オーケストラについては、また別のセッションを 設けるつもりです。

2014年10月3日金曜日

現代音楽講義 (14) プレイリスト

芸大の後期授業が始まりました。今日は(カイル・ガンのセレクションに従った)実験音楽の回。あっ、作曲家はガンが選択していたものですが、曲目については、自分で選びました。

・ハリー・パーチ:《11のイントリュージョン》から<バラ>
・パーチ:《U. S. ハイボール》冒頭
・コンロン・ナンカロウ:プレイヤー・ピアノのための習作第21番《カノンX》
・ナンカロウ:プレイヤー・ピアノのための習作第25番
 パーチの2曲目とナンカロウはDVDを見ました。
・ルー・ハリソン:オルガンと打楽器オーケストラのための協奏曲、第1楽章(冒頭)
・ハリソン:《コンチェルト・イン・スレンドロ》(冒頭)
・ハリソン:《ラ・コロ・ストロ》(冒頭)
・アラン・ホヴァネス:《そして神は偉大なる鯨を造り給うた》(一部)
・ヘンリー・ブラント:《軌道》(一部)

2014年9月27日土曜日

John Luther Adams: Become Ocean

まもなくCDがリリースされるということですね。2014年のピューリッツァー賞ですかあ。でも去年の受賞作、Caroline ShawのPartita for 8 Voicesも聴いておらず…。

https://www.youtube.com/watch?v=yGIEvUOf-JU


2014年9月26日金曜日

自分に刺激を受ける

アメリカ時代のノート。なんかエネルギッシュに勉強してたんだなーと、しみじみ。頑張らねば。



2014年9月25日木曜日

口唱歌大系

当方が担当している「日本音楽通史」という授業で『口唱歌大系』(CBS-Sony LP) に収録されている《六段》の唱歌をかけてみましたところ、意外にインパクトがありました。楽譜を使わずに習うという概念はの背後には当道の世界があるという背景を伝え忘れてしまったのですが、やっぱり西洋音楽どっぷりの私を含めた現代人からは、なかなか考えにくい世界かなあと思います。インドネシアのガムランなんかも、ひたすら教わる旋律を暗記するらしいですけど…。

ところでフェリスの図書館は『口唱歌大系』を持っているんですね。図書館DBからは漏れているみたいですね。ヤフオクでけっこうな値段を出して購入してしまいました…。

Sony Music Unlimitedプレイリスト ブラームス聴き比べ

秋の夜長に、ブラームスなどいかがですか? 今回もいろいろなアレンジも含めて、聴き比べできます。私の作ったプレイリストでです。

https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/bfd9fe4274a8459292aa9aaf87145944?autoPlay=true

Dimitri Mitropoulos conducts New York Philharmonic in rehearsal and concert

ミトロプーロスのリハーサル映像があるんですね。



2014年9月17日水曜日

外付けDVDドライブ

2年ちょっとの間、外付けドライブとして活躍したこれ、USBケーブルがダメになったので、Blu-rayにも対応しているという類似商品をポチり、それが先ほど到着しました。でもMacは公式にはBlu-ray対応してないんですよね。授業的には、古いハードディスク・レコーダーで録画した映像が見られれば、それで当座は大丈夫かと。


2014年8月23日土曜日

フェリス女学院大学のオープンキャンパス

今日はフェリスの緑園キャンパスでオープンキャンパスがありました。音楽学部音楽芸術学科の授業体験のコーナーもあり、今回は「映画音楽をひも解く」というタイトルで私が一セッションを担当しました。いませっかくディズニー本改訂版に取り組んでいますので、『アナ雪』を中心に40分ほどしゃべりました。終わった瞬間に大きな拍手があがったのは、これが初めてかもしれません。たくさんの方に来ていただき、本当に感謝です。ぜひフェリスも受験の選択肢に加えてくださいね。

2014年度 第4回 オープンキャンパスプログラム
http://www.ferris.ac.jp/examination/campus/open/open04.html

2014年8月6日水曜日

ブリテンの《青少年のための管弦楽入門》といえば

曲は何度も聴いたことがあったのですが、これが、もともとの映画なんですね。演奏前に指揮者が指揮台の上を指揮棒で叩くっていうのを見たのも、コントやドラマ以外では、これが初めてかもしれません。

Instruments of the Orchestra (Britten) Sir Malcolm Sargent LSO
 https://www.youtube.com/watch?v=kYNjY9p4c1E

2014年9月号の『音楽現代』

2014年9月号の『音楽現代』ですが、特集「鎮魂の夏~大作曲家の死:その病と音楽の関わり その2」において、ジョージ・ガーシュインの晩年について書きました。評論は、読響 第537回定期 (ワシリー・シナイスキー) です。

2014年7月21日月曜日

授業見学会で 20 世紀音楽

今日は高校生の授業見学会でした。そして、たまたま当方が担当する「西洋音楽通史」の講義にも5人の生徒さんがいらしてました。そんな時に授業で扱った曲が、こんな感じです。学期末ですので、戦後音楽中心の展開で、もしかしたら、これまで聴いたことがないタイプの音楽ばかりだったかもしれません。

前回のコメントへ答えるコーナー
(1) ベリオ《セクエンツァV》
(2) オネゲル《パシフィック231》
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授業本編
(3) メシアン《音価と強度のモード》
(4) ケージ《変化の音楽 (易の音楽) 》
(5) ペンデレツキ《広島の犠牲者に捧げる哀歌》
(6) キャシー・バーベリアン《ストリプソディ》
(7) ロゴテーティス 《オデッセイ》
(8) ケージ《スピーチ》
(9) ライヒ《ピアノ・フェイズ》

2014年7月19日土曜日

そうにゃん

最近、ひそかにマイブームとなっている相鉄のキャラ、そうにゃん です。

2014年7月14日月曜日

《月に憑かれたピエロ》に対する学生の反応

以下、当方が担当する「西洋音楽通史」の授業でかけた《月に憑かれたピエロ》の<夜><打ち首>への反応です。

・シェーンベルクの《月に憑かれたピエロ》は題名は聞いたことがあったが、音源を聞いたことがなかったので、とても不思議な曲で、おもしろかった。
・ミュージカルみたいで、すごく好きです!!! あと、あやしい感じも!!! 個人的に好きです!!!
・「打ち首」好きです。最近あるコンサートに行きましたが、それは最新の現代曲で不協和音で音遊びをしているようなものだったので、あまり好めませんでした。でも何か表現しているものがあれば、すごく好きみたい (ハートマーク)
・シェーンベルクの曲、ディズニーランドのホーンテッド・マンション (?) みたいですね…。おばけが出そうです。音楽的に美しいとか、すぐれているというより、効果的という感じがしました。映画音楽のような感じです。とても近代的ですね。

2014年7月10日木曜日

ムーティのリハーサル風景 (ドビュッシーの交響詩《海》)

リッカルド・ムーティによるドビュッシーの交響詩《海》のリハーサル風景です。言葉が流暢でなくとも、伝わるものですねえ。

2014年7月7日月曜日

アイーダ、ライトモティーフ

今日の西洋音楽通史は《アイーダ》と《トリスタンとイゾルデ》を取り上げました。《アイーダ》の方は、ミュージカルで見ているのでしょうか、話についてくる学生も多かったようです。ワーグナーの楽劇では、やはりライトモティーフを扱うわけですが、この動機によって音楽に違った次元で意味を与えるという考え方に、学生は毎年けっこう興味を持ってくれるようです。

2014年7月4日金曜日

現代音楽講義 (東京芸大)第13回プレイリスト

・ファーディ・グローフェ (1892-1972):《ミシシッピー:音による旅》から<マルディ・グラ>(1925)
・グローフェ:《メトロポリス》(1928)(フーガの部分まで)
・グローフェ:《グランドキャニオン》組曲から<山道を行く>
・グローフェ:《タブロイド組曲》(1933)から<ニュースの切り盛り>
・ウィリアム・グラント・スティル (1895-1978):《リノックス通り》(1937)
・ロイ・ハリス (1898–1979):《時の組曲》(1937)
・ルイス・グリュンバーグ (1884-1964):《緑の館》(1937)
・ウォルター・ピストン (1894-1976):交響曲第6番 (1960) から第4楽章
・ジョン・ケージ (1912-1992):クラリネット・ソナタ (1933)

今回はグローフェ+オムニバス・トピックの回。《メトロポリス》は音源・楽譜とも珍しく、楽譜は当方がアメリカ時代に取り寄せたピアノ譜を使いました。その他の音源も、すべてオリジナル編成のものを使いました。

スティル、ハリス、グリュンバーグ (グルーエンバーグ) は、ラジオのための作品。博論で扱ったラジオの委嘱作品をご紹介。スティル以外は調査用に入手した音源なので、これらも珍しいといえば珍しいかも。

ピストンに関しては「アカデミズム」の流れで紹介しました。影響力からすれば、戦後になると思うのだけれども、セッションズ、などと一緒に。

予告編として、ジョン・ケージの戦前の作品から代表的なものをリストしてプリントに載せておきました。後期は実験音楽系も多くなりそうです。

2014年6月27日金曜日

現代音楽講義 (東京芸大) 第12回プレイリスト

アメリカニズムの続きと、ロマン主義的なアメリカ音楽をば…。
バーバー、クレストンは完全に好みの選曲だ…汗。
ウィリアム・シューマン (1910-1992):《アメリカ祝典序曲》(1939)
ディームズ・テイラー (1885-1966) :《鏡の国のアリス》(1917-19; rev. 1921-22)
ハワード・ハンソン(1896-1981) :交響曲第2番《ロマンティック》op.30 (1930)
サミュエル・バーバー (1910-1981):交響曲第1番 op. 9 (1935-36)、弦楽四重奏曲 op. 11 (1938)
ポール・クレストン (1906-1985) :交響曲第2番 (1944)

2014年6月20日金曜日

現代音楽講義 (東京芸大) 第11回プレイリスト

今日の「アメリカ音楽」プレイリスト
すべてアーロン・コープランド (1900-1990) の作品です。
・《市民のためのファンファーレ》(1942)
・《ロデオ》から<ホーダウン> (1942)
いずれも動画ですが、前者はレヴァイン/NYPのカーネギー・ライヴ (YouTube)、後者はアメリカの牛肉消費促進団体のテレビCMから。"Beef. It's What's For Dinner" ってやつです。懐かしいなあ、これ。
・《劇場のための音楽》から<プロローグ>、<ダンス>(1925)
・ピアノ協奏曲 (1926)、第2部
・ピアノ変奏曲 (1930)
・《エル・サロン・メヒコ》(1936)
・《ビリー・ザ・キッド》から<拳銃の決闘> (1938)
・《ロデオ》(1942)
・《アパラチアの春》(1946)
《ロデオ》と《アパラチアの春》も動画を観ました。後者は The Criterion Collection のDVDから。白黒ですが、とてもきれいな画質です。前者はYouTubeで、こちらはカラーだけど、ちょっと画質的には厳しい感じ…。
モダニズム(ジャズ)、無調から、作風転換してバレエでアメリカーナ全開という流れです。

2014年6月16日月曜日

[Music Unlimited] ベートーヴェン聴き比べ

Sonyさんの Music Unlimited でクラシック音楽をご紹介するプレイリストを作っておりますが、今回は「ベートーヴェン聴き比べ」をお届けします。

ベートーヴェン聴き比べ
https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/e607cf2cec4b458c95ef6b1f4e97fc81

ストリーミング再生でクラシックもここまで楽しめるんだってことが伝わるといいかなって思っています。お時間のある時に、お寄りいただければ幸いです。

2014年5月22日木曜日

6月20日のフェリスコンサート

たまには宣伝をば (笑) 。

https://www.facebook.com/FerrisConcert/photos/a.241895632592761.49990.237707113011613/589416414507346/?type=1

この4月から音楽学部演奏学科教授としてお迎えした戸田弥生先生。1993年のエリーザベト王妃国際音楽コンクールで優勝して以来の活躍は、クラシック・ファンなら誰でもご存じでしょう。おおらかなお人柄で、すでに学生にも教職員にも愛されています。6月20日のフェリスコンサートでは、名曲・ブラームスの弦楽六重奏曲を選んでくださいました。あのヴァイオリンの音色を聴けると思うと、今からわくわくしてきます。

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戸田弥生(とだ・やよい)
1993年エリーザベト王妃国際音楽コンクール優勝以来、日本を代表するヴァイオリニストの一人として、圧倒的な集中力による情熱的な演奏で聴く者を魅了している。日本の数多くのオーケストラはもとより、ニューヨーク・チェンバー・オーケストラ、モスクワ・フィルハーモニー、プラハ・チェンバー・オーケストラ、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、ボン・ベートーヴェン・ハレ管弦楽団、北オランダ・フィルハーモニー、セント・マーティン・アカデミー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー、ベルガモ室内オーケストラ、ドイツ・カンマー・フィルハーモニーなどに出演し、また、小澤征爾、ユーリー・シモノフ、シュロモ・ミンツ、ジャン・ジャック・カントロフ、アレキサンダー・シュナイダー、スタニスラフ・ブーニン、ジャン・フルネ、ガリー・ベルティーニ、マルタ・アルゲリッチ、フランク・ブラレイ、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、ジェラール・コセらとも共演している。
4歳からヴァイオリンを始める。1985年第54回日本音楽コンクール第1位。桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業し、1992年アムステルダムのスウェーリンク音楽院に留学。1993年エリーザベト王妃国際音楽コンクールに優勝して一躍注目を集め、本格的な活動を開始する。1996年にはニューヨークのジュリアード音楽院から“ディレイ・スカラシップ”を受け、1年間在籍。1997年にニューヨーク・デビューを果たし絶賛を受ける。また、オランダの作曲家トリスタン・コイリス(1946~1996)から「ヴァイオリン協奏曲第2番」(1995)を献呈され、アムステルダム・コンセルトヘボウで初演した。1999年にカーネギー・リサイタル・ホールで室内楽を中心としたリサイタル「Yayoi and friends」を開催した。2009年にはアジアにも活動の場を広げ、上海で室内楽や武漢交響楽団との共演、韓国でジェジュ音楽祭に出演した。2010年は4月にオランダとスペインでのヴァイオリン・マスタークラスを、11月にピアノのヴァレリー・アファナシェフとのデュオを東京および福井で行なった。
デビュー20周年を迎えた2013年には、東京、大阪、神戸、福井にて、協奏曲、デュオ、無伴奏等多くの舞台で大好評を博した。
これまでに、江藤俊哉、ヘルマン・クレバース、シャルル・アンドレ・リナール、ドロシー・ディレイの各氏ほかに師事。CDは音楽之友社から「エネスコ、J.S.バッハ 他」と「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲」を、オクタヴィアレコードから、最新盤となる「20世紀 無伴奏ヴァイオリン作品集」のほか、「イザイ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲」、珠玉の小品集「子供の夢」をリリースしている。
国内外のコンクール審査員としても招かれ、2005年にはエリーザベト王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門審査員を務めた。桐朋学園大学音楽学部非常勤講師。2014年度より、フェリス女学院大学音楽学部演奏学科教授を務める。
1994年、第4回出光音楽賞を受賞。
オフィシャルホームページhttp://yayoi-toda.com/


2014年2月25日火曜日

ルロイ・アンダーソン(アンダソン)について書きました。

音楽之友社から発行されている『教育音楽 小学版』2014年3月号に、ルロイ・アンダーソン(雑誌の表記は「アンダソン」)の伝記を書きました。ぜひお店で手にとってご覧いただきたく。よろしくお願いいたします。

http://www.ongakunotomo.co.jp/magazine/kyoikuongaku_s/

The Instrument Building | Harry Partch Project | Ensemble musikFabrik

ハリー・パーチの楽器を新しくドイツで作ってたりするのですね。最初にクラウド・チャンバー・ボウルズが見られます。ところがオリジナルのパーチの楽器なのですが、それぞれのボウルに書かれているピッチと実際に出る音が必ずしも一致してなかったということのようです。



それににしても、やはりアメリカではこういのを継承しようという所がないのでしょうねえ。



Music Unlimitedプレイリスト:「喜び」と「怒り」のクラシック

Sonyさんの Music Unlimited でクラシック音楽をご紹介するプレイリストを作っておりますが、今回は「音楽室のクラシック」第2回として「喜び」と「怒り」のクラシックをお届けします。お時間のある時に、お寄りいただければ幸いです。

https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/f8162830bb0944289eb73d60172edf1a?autoPlay=true

2014年2月20日木曜日

ようやく雪もなくなって

ようやく雪もなくなってきましたね。私の研究室に向かう途中で、山手聖公会を撮ってみました。

2014年2月15日土曜日

ジブリ映画音楽メモ

ジブリの映画音楽は、最初のころはイメージアルバムやらシンフォニーやら、いろいろCDを出していたのを思い出しました。いま訳あって『天空の城ラピュタ』のイメージアルバムを聴いているところなんですが、ここまですでに完成されたものが映画制作前にできていたということなんでしょうか? ここから尺に合わせたものを作るということになったのでしょうか? もちろん主題歌はこの段階ではできてなかった訳ですが。

それにしても贅沢だなあ。音楽重視というところもあったんでしょうか。 ジブリ関係の資料は、本になってるものだけでも、いろいろ揃いそうな感じがします。毎年卒論にやろうという学生がいるみたいですけど…。 

いろいろ資料を読んでみると、もともと制作会社の方は、二作目の『ラピュタ』も久石譲で行くということではなかったのを、宮崎監督がぜひ久石氏にやらせたいということだったのですね。この二作目が久石氏じゃなかったら、ジブリの方向性もまるっきり違ってたかもしれません。

2014年2月12日水曜日

山の音楽家

突然なのですが、愛唱歌《山の音楽家》の旋律は J. C. Bechlerっていう人の "Sing Hallelujah" にそっくりなんです。ドイツ民謡ということらしいのですが、現地ではほとんど知られていないという話を聞いたことがあります。ネットを調べてみると "Ich bin ein musikante" という曲だという情報が出てきます。この曲が紹介されていた日本語サイトにYouTube動画がありまして、さっそく曲を聴いてみたのですが、メロディーが全然似てないんです。

以下、Bechlerの"Sing Hallelujah"という讃美歌に関するサイトのリンクを貼っておきます。この讃美歌のAABAの形式のうち、Bの部分は《山の音楽家》とは全く違うのですが、Aの部分の旋律はそのまんま同じですね(リンクページの下の方に "Full MP3" というのがありますので、その下をクリックすると聴くことができます)。

http://www.hymn-books.com/HymnBook_Hymn.php?HBHymns_ID=3539&Rge=0

なお、この曲をオーケストラと合唱で録音した音源が以下のCDにあります。ご参考まで。

2014年2月9日日曜日

JPASS: JSTORの個人向けサービス

学術誌(基本的に3年以上前のものまで)をPDFで読める JSTORが個人向けのサービスを始めたようです。大学などに所属していない人にはよいですね。私がいまの大学に来る前にこのサービスがあったらなあと思いました。

 http://jpass.jstor.org/

2014年1月27日月曜日

モーツァルト 聴き比べ

Sony さんの Music Unlimited で「モーツァルト 聴き比べ」が掲載されました。お時間がございましたら、ぜひお立ち寄りいただきたく。よろしくお願いいたします!

モーツァルト 聴き比べ
https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/2252b5a0dee1418098786b351e81334c?autoPlay=true

2014年1月18日土曜日

おお、懐かしい V-Disc

兵士の慰問のためアメリカ政府がレコード会社と特別契約を結んで作らせたV-discs (VはVictory [勝利] の頭文字) は、かつての留学先であるフロリダ州立大学の歴史学部にありました。元米軍兵士が大学に寄付したもので、私もリサーチ・アシスタントをした時に聴いたことがあります。その中でも、私が好きなGladys Swarthout の録音が、YouTubeにありました。ノイズ除去をした過程で、かなりその音の生々しさは飛んでしまっていますが、冒頭のメッセージも含め、時代を感じさせるものです。


2014年1月12日日曜日

正月のテレビ番組録画から

正月にフジテレビで放送された『伊勢神宮舞楽』を一部だけ観ました。NHKも元日の朝に雅楽をやってますね。実はフジテレビの方はすっかりと忘れていて、フェイスブックのコメントで知った次第。しかもフジテレビは元日ではなく2日の早朝の放送だったりします。あ、もちろんタイマー録画です(汗

さて『伊勢神宮舞楽』、最初の方だけ観たのですが、これは《納曾利》の<当曲の破>から上演されたものとみていいのでしょうか? 以前ビクターのビデオ『日本古典芸能大系』で観た宮内庁のと違って野外での上演なので、大太鼓の風圧というものは感じられないのですが、むしろこれが本来の上演形式なのかな、と思ってみたりします。篳篥のようなリード楽器も、ヨーロッパでは、確かかつて野外楽器に分類されたような音量だったりしますよね(←詳しくは知らないので、ちょっと不安)。

FB友が指摘していたほど画面左の天気予報は気にならなかったのですが、都道府県の切り替わりの時に、ちょっと目障りといえば目障りな感じもしました。こんな早朝に舞楽を見ながらテレビで天気を確認する人、どのくらいいるのかなあと考えると、この時間ぐらいは天気や時刻の表示をなくしてもよいのではないかと思いました。 

それにしても、周囲の自然も含めて、とても気持ちのよい映像でした。「音楽鑑賞」としては室内上演の方がいいんでしょうけれど…。

『音楽現代』2014年2月号

『音楽現代』2月号が届きました。

当方は「特集=若き大作曲家たち2」の一つとして、「ジョージ・ガーシュイン〜『スワニー』から『ラプソディ・イン・ブルー』への道」を書きました。

そのほか演奏評として「ナサニエル・ローゼン&落合敦 デュオコンサート」、「ファンタスティック・ガラ・コンサート2013」の2つを書かせていただきました。前者はもちろん、我らがフェリス、ピアノの落合先生が出演なさった公演です。このようなご依頼が来ることは予想していませんでした(汗