ロイ・ハリスという作曲家、私の黒歴史ともいえる東京学芸大学の修士論文のテーマでした。博士論文でもハリスは若干扱いましたが(ロサンゼルスで貴重な資料もいただいたり)、それ以来、あまりちゃんと文章を読んでいませんでした。去年あたりから、少しずついろんな論考を読んでいます。それで、なるほど生前あれほどマスコミで大きく取り扱われていたハリスですが、当初から彼の作曲技法については疑問の声が挙がっており、彼に多くの発言を与えたことが、かえって彼が世論を巧みに操作していたとみなされる状況になっているということのようです。ある専門家は、ハリスを非難する書き手には女性が多い(そのことについては「言いたくはないが」と言っていたように記憶しています)ということもあって、まだ知らない「闇」があるんだろうか? とも思ってしまうところです。
2026年5月11日月曜日
2025年12月18日木曜日
久しぶりに古い記事を読んでみた
西村 朗「現代作曲家が書いたクラシック音楽論 滅びゆくものは美しく 第11回 現代音楽 Q&A」『音楽現代』 17 (11) (199)、1987年11号、pp. 100-103。
大学学部時代に出会った『音楽現代』の面白い記事。なぜかずっとコピーを持っていました。改めて読んでみて、なかなか痛快です。内容は架空の Q&A (おそらく一人対話)ということで、質問者は現代音楽について「音はキタナイ」し、「演奏者も聴衆も、出版社もレコード会社も、ぜんぜん面白がってないよ」「音楽の未来なんてなくったっていいね。マーラーでクラシックはおしまい。せいぜいショスタコーヴィチまでだね。あとはいらないよ」とまで主張します。それに回答者が必死に現代の作曲家や作品について擁護を試みるといった感じでしょうか。
ただそれは12音〜セリエルの擁護というわけではなく、スティーヴ・ライヒから始まり、近藤譲、佐藤聡明、吉松隆、藤枝守などが入るということで、セリエル後の潮流の紹介という感じになっています。その全体的な流れは4つの枠組みで説明されています。すなわち①新しい表現主義、②「音楽を原点から見直し、その構造性やシステムを新たに考えて、 自立した構造性のうちに、これまでにない音楽美を作り出そうとする」一派、③環境音楽、④「音の流れが人間の根源的な精神力や深層の心理、(中略) 魂の奥深いところを啓発するような音響、ないしは音楽作品の生成」を目指す派です。②④は具体的な作曲者が出てくるので、それで「あ〜」そういうこと…になるのかな???
詳しくはぜひ雑誌のバックナンバーに触れてください。図書館にないかな〜。
2025年11月28日金曜日
カーメン・ドラゴンは男でござる!
『レコード芸術』のバックナンバーを覗いていたら、「カーメン・ドラゴンは男でござる!」という見出しの記事がありました。これは福西潤氏による「世界レコード界の動き」という情報コーナー一角なのですが、おそらくファースト・ネームの Carmen から「カーメン・ドラゴンは男か?女か?」というのが「時々問題」になり、「現に某紙にも“女”指揮者となっていた」そうです。で、この記事にはドラゴンの写真が掲載され「御覧のごとく、ドラゴンは立派な男性である!」とのこと (笑)。
そういう時代もあったのですねえ、という記事でありました。(『レコード芸術』第5巻第7号、1956年7月、21ページ)
2018年2月24日土曜日
読書記録
今後の日本の大学における「処方箋」というものは提示されていないように思ったけれど、アメリカと日本の事情を比較する際に気をつける点は、僕自身、僭越ながら、日米の大学を体験している立場から、納得するところも多かった。TA制度の歴史については詳しく知らず(僕はRAしかしたことがない)、紆余曲折の経緯があったのだなあと思わされた。
なるほどと思ったのは、1セメスターに履修する科目数。確かに日本の大学は前期・後期それぞれで履修する科目がものすごく多い。それに僕のいた大学では、1セメ16単位時間で5年卒業ってことを毎回のレジストレーションの時に言ってたような記憶がある。それに授業料って単位ごとの課金なんだよね(州内・州外と値段が違うのもご承知の通り)。しかしそういったことが意外に大きいのだなということが分かったのは収穫かも。アメリカとは対照的に、日本の企業側が大学で何をしたのかを重視しないというのは、全くもってその通り。アメリカの学生が成績について戦々恐々としているのは、僕も感じた。自分が有利になるように、授業で必要な図書館の本を学生が隠したという事例も、僕がいた大学ではないけれど、聞いたことがある。確か退学になったんだったかな?
教えて! 学長先生-近大学長「常識破りの大学解体新書」 (中公新書ラクレ)
「理系」学部ということもあって、さまざまな試みは面白いものの、いまいる大学でどのように使えるのかな? というのは直接的には結びつかない感じ。具体的なノウハウというのは、もっといろいろ事務処理的な問題もあるのだろうけど、そういったところはあまりこの本を読むだけでは分からない。こういう接し方が大事、といった理念的なところは何となく伝わってくるとは思う。
ただ、ものすごく共感できたのは、偏差値による階層化の問題点。まあ僕自身、偏差値なんて全く気にせず大学に進学しちゃったなあ。向上心が足りないというべきか(汗
2017年9月17日日曜日
最近の読書記録
佐藤優『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』
正直、あまり参考になるアイディアというものはなく、また何か知的な刺激になるものがあったかというと、あまりなかったような気がする。高校の教科書を学べというのは確かに一理あるのだけれど、少なくとも僕は(高校で学んだ)日本史・世界史の教科書(一応何年か前に買って持ってる)で歴史を学び直そうという気は、あまり起こらない。FB友に勧められて購入した青木裕司『青木世界史B広義の実況中継』は、それなりに面白く読めそうではある。でもやっぱり、記憶しようと思った段階で拒否反応を起こしそうなんだなあ。
民族・ナショナリズム問題に関して紹介されていた本のうち2冊(アンダーソン、ゲリナー)は持っていた。アンソニー・D・スミスは、ここに紹介されているのと違うのを持ってなかったかな?
実は佐藤氏の本はこれが初めてかな? Kindleよりもずっと安い古本で買って正解だったかも…。
山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(Kindle版)
出だしはまさに、本のタイトルの通りで、エリート(ビジネス・エグゼクティブ?)が美術館へ行ったりして、美意識を鍛えようとしているということが書かれており「なぜか」という問いかけで始まり興味を持たせてくれるのだけれど、最後のページまで行っても、何かインタビューがされていて冒頭の問いの答えがあるのかと思ったけど、どうもそういうものはなかった。代わりにアップルだとかマツダだとか、いわゆる商品のデザインで成功した企業の例や、CEOの行ったこと・発言が引用されていた。
論理的に考えて答えの出ない問題には直感が大きな能力を発揮する、あるいはモラル・ハザードやコンプライアンスから外れた行動を起こさないために(それはサイエンスとクラフトを重視アートを軽視すれば必ず起こるということらしい)企業が「美意識」を持つことが必要だという主張にはなんとなくそうかも、とは思うのだけれども、いまいち肩透かし感が残る一冊だったような気がする。
一方、システムに疑問を持ち続けることは、とても大切だけれど、筆者が言うように「恥の文化」と「罪の文化」とに違いを感じ、後者の必要性を説くのであれば、それにどう近づいていくのかについても示してほしいと思ったことも確か。もちろんクリスチャン的には絶対的基準としての神がいるということになるのだけれども…。小室直樹氏も日本人はキリスト教を学ぶべきと言ってはおりますね。
2017年8月30日水曜日
最近読んだもののメモ [Kindle版]
内田樹『困難な結婚』(アルテスパブリッシング)
てっきり結婚を契機として社会問題や時事問題を述べるエッセイ集なのかと思いきや(そういう内容が全くないともいえないけど)、悩み相談のような内容だということをツイッターか何かで知ってダウンロード。確かに「結婚&夫婦生活お悩み相談室」という感じ。もちろん回答部分が、問いの文章に比較してバランス的にえらく長いものもあるけれど、それも面白く、なるほど納得というところ。また普段の生活でやってることの大切さが改めて分かったりもする。妻に一部を読んでもらったら、大きく頷いていた。でもKindleの場合は回し読みっていうのができないのが辛いところ(紙版を買いなさいということでしょうけれど・汗)。
森村誠一『新版 悪魔の飽食 日本細菌戦部隊の恐怖の実像!』 (角川文庫)
この夏『NHKスペシャル | 731部隊の真実~エリート医学者と人体実験~』を観て731部隊に興味を持ち、YouTubeで映画『黒い太陽七三一 戦慄! 石井七三一細菌部隊の全貌』(けっこう目を背けたくなる場面多し)を観て、さらにその原作に出会った次第。僕にとっては森村=小説家というイメージが強いので、事実に立脚した物語風のものかと思っていたたら、どうも私財を投じて取材してまとめた調査ノンフィクションということが分かった。その記述は詳細で分かりやすく、どんどん引き込まれていく。さすがだなあ。先に『黒い太陽七三一 』を見たせいか、残忍な人体実験の描写も、ためらわずに読むことができた。
細菌兵器を作っていたことや人体実験を行っていたことは、おぼろげに知ってはいたし、NHKスペシャルでも知識を補足できたけれど、やっぱりこの本が大きな影響力を持っていたことは充分感じることができた。これは続編も読んでみなければ…。
矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 (講談社現代新書)
あと数ページ残っているけど、取りあえず思いついたことをば。
空域問題、密約、地位協定、日米合同委員会、日本国憲法にまつわるあれこれなど、若干いろんなところから耳にはしていたけれど、コンパクトにまとめられていて、目を開かれる箇所が多くあった。詳細の審議まで検証する時間はないけれど、そういうことなんだろうなあという感覚を覚えるところも多かった。白井聡氏の『永続敗戦論』ともども、「戦後秩序とは何か」を知るにはとてもまとまった内容なんだろう。丸山真男の立て方にも興味を持った。いわゆる「アメリカ側」の実態(多くのケースでそれは米軍周辺)とは何かを考える上では有効な1冊。現政権が進めようとしている「アメリカ尻舐め」(by 宮台真司)憲法改正じゃ、結局密約を明文化するだけだということになるのだね。それだけ考えるだけでも、いまの政府に絶対させちゃいけないっていう思いを新たにした。
いずれ孫崎享の『戦後史の正体』も読まなきゃいけないだろうなあ。でもこれは Kindle になってないのかあ。
2017年8月19日土曜日
最近読んだもの/読んでいるもの記録(Kindle編)
2015年9月20日日曜日
きょう眺めていた本
今日はこちらの本を眺めておりました。Menottiの Amahl and the Night Visitors のほか、Brittenの Owen Wingrave、Gerald Barryの The Triumph of Beauty and Deceit なんかが取り上げられているようです。
2015年9月19日土曜日
眺めている本
面白そうな本。スーフィーについてはカッワーリとかメヴレヴィーについて、ちょっとかじったくらいでしょうか。カッワーリもヌスラット・ファテ・アリ・カーンから入ったミーハーです(ボストンに住んでた時に、シンフォニー・ホールのライブに行きました)。
好奇心のツボを刺激されております。
2015年9月4日金曜日
届いた本
きょう届いた本です。田辺尚雄の概説書はいくつもありますが、これは具体的で分かりやすいかもしれません。この本で扱われているレコードの方は、さすがに持ってないです。
かつて新潟大学の図書館の書庫にこの本がありまして、いつか欲しいなあと思っていましたが、ようやく入手いたしました。
(2025/08/03追記) この本はフェリスの図書館に寄贈しました。読みやすい本なので、使ってほしいな。
2015年9月3日木曜日
届いた本
訳者の横坂先生からご本が届きました。「ヒム・エクスプロージョン」の立役者の一人による賛美歌論といえばいいのでしょうか。いわゆる歴史書ではないのですが、時代に生きる賛美を考える時に必要な視点が、いろいろと示唆されているようです。謹んで読ませていただきます。
2008年12月15日月曜日
最近入手した本
僕は情報集めのノウハウ本は結構好きなんだけれど、実際に買ったのは久しぶり。25万部突破とあるけれど、僕が賛同できる部分はある。例えば発想したことを、すぐそのままノートに書き留めるまでのハードルをできるだけ低くしておくことなど。
実は以前にノートをテーマごとに分けたことがあって、そうすると、アイディアを書く適切なノートが見つかるまで、思いついたことを覚えておかなければならないということが起こる。この記憶を保持することが、かなりしんどい。電話が入ったり、別の何かが起こると忘れてしまったりするものだ。だから1つにまとめておくというのは一つのやり方だと思う。
この本のもう一つのキーは、ノートに時系列に書いたメモを、パソコンを使ってデータ管理するということ。これは僕のCD-R管理法と似ている。僕は自分の所有するLPやエアチェック・カセットをCD-Rにしているんだけど、このCD-Rにはずっと通し番号をつけている (作った順になっているといってもいいだろう) 。そして、そのCD-Rのデータは、作曲家・演奏家で出せるようなデータベースにしている。といっても、究極的には作曲家や演奏家、おおよその曲名とCD-Rの番号がきちんと対応していることが大切で、対応関係さえちゃんとやっておけば、細かなデータがDB上になくとも、かなり有用に使えるというのが実感だ。マックのSpotlightのおかげで、テキスト形式のデータベースでも、かなり検索が楽になり、Excelを使ったDBにしなくてよかったなあ、と思う次第。
ただ、本の内容に戻ると、アイディアを即座に書くということに賛同はするものの、例えば印刷資料を折り曲げてノートに貼付けるというのはかなり面倒だし、その貼り付けたページの裏にメモを採るのがイヤだったりする。貼り付けた箇所とそうでない箇所に、段差ができてしまうからだ。また、チラシやらCDのライナーなどは、やっぱり、これまで通り、フォルダーに入れておきたい。要点をまとめる時の3 x 5カードも手放す気になれないしねえ。
まあ、だから、この本で学んだ事は、やはりアイディア・ノートは1つにして、常にそれを活用すること。そのアイディアをまとめる場合は、テーマ別ノートの活用も悪くないということなんだろうと思う。アイディア・ノートから情報を引き出せるような、上記CD検索のようなDBを作るかどうかは、検討課題だな。
この本には、その他にも、いろいろ面倒な方法がいろいろ書いてあって、おそらくこの本に書かれていることを忠実に実行して失敗する人もいるんじゃないかと思う。ようするに、自分なりにカスタマイズできるかどうかってところが最終的に重要なんだから、一つの参考という風に考えればいいんだと思う。
・レッカ社 『アニメ×アニソン101連発—いつだって“星屑ロンリネス”と口ずさんでいた』ソニー・マガジンズ新書、2008年
QRコード付きでアニメの音楽本ということでは、僕のディズニー本と重なるところがある。でも中身は僕らの世代が楽しんだアニメ作品の紹介8割以上+アニソンのコメント2割以下という感じ。アニソンの歴史を知ろうという人向けではないように思う。アメリカでは最近ディズニー・レコードの歴史の本が出たようだ。そちらも早急に入手してみたいところだ。
2007年9月23日日曜日
最近聴いた音楽と読んだ本の記録
いやあ、こういうのを聴くと、ベートーヴェンがいかにぶっとんでたかってのが実感できますよねえ。
Hummel, Piano Sonata in F# Minor, Op. 81. Hae Won Chang, piano (Naxos 8.553296, [Naxos Music Library])
William Schuman, Undertow, Ballet Theatre Orchestra; Joseph Levine, conductor (EMI Classics)
New WorldのLPのライナーの方が作品について詳しく書いてあるのは仕方がないことか。 Doubling in Brass, Morton Gould and His Symphonic Band (RCA LSC-2308, LP) スーザのマーチ、アメリカ愛国歌のグールド編曲、そしてグールドの吹奏楽オリジナル作品2曲という構成。似たようなアルバムに 現在Hybrid SACDで出ている"Brass & Percussion" があり、これとは3曲重なっている。 "Doubling in Brass" のような企画は、モートン・グールドの人気が高かったから通ったんだろうと思う。ちなみにオリジナル作品は、最新作として《セント・ローレンス組曲》、そしてスタンダードになった1曲として《ジェリコ》。黒人霊歌も引用した後者は名演だと思う。特にラッパの音からジェリコの崩落の部分は、Living Stereoらしく豪快な音が入ってて圧巻。でもやや低音不足かもしれない。これってRIAAカーブじゃないんだっけ?
Karol Szymanowski, Works for Violin and Piano (Complete). Nicolas Dautricourt, violin; Laurent Wagschal, piano (Saphir http://ml.naxos.jp/?a=LVC1035)
"Soultrane," John Coltrane with Red Garland. (東芝EMI [Prestige] LP)
Barbara L. Tischler, An American Music: The Search for an American Musical Identity (Oxford UP, 1986).
ちらっと眺めたところ、何か具体的に音楽的な要素を挙げて、何がアメリカ音楽らしさを作っているのか、というような話にはなってないようだ。そうではなくて、作曲家や音楽家の意識、オーケストラのレパートリー選択などの中に見出せるナショナリズム的な動きを歴史的文脈から眺める内容ではないかと思う。いろんな言説が引いてあって楽しく読める。 おそらく学際的な内容といえるのだろうし、音楽以外の分野を含めた広い歴史からどういうものが見えて来るのかを考えるのには面白いかもしれない。反対に、音楽的なアメリカニズムの創出といったことを考えるためには、また別のものを読まねばならないのではないかと思う。 第1次大戦中のニューヨーク・フィルやボストン響におけるドイツ音楽ならびにドイツ系音楽家の扱われ方などは興味深い。 とりあえず、いろんな疑問が湧いてくるので、良い本なんだろう。Carol Ojaの本とかも、こういうのがあったから出来たのかな、なんて思ってみたり。
Wilfrid Mellers, Music in a New Found Land (Faber and Faber, 1964)
こちらもちらっと眺めただけ。そして、ちょっと手強い印象がある。ヨーロッパにはないものが意識的に見えるという強みはありそうだ。あと、いわゆる「名曲」を羅列しているのではなくて、独自の選択眼で作品を選び、テーゼをサポートさせているのは、やはり評価すべきだと思う。 でも、コープランドのピアノ変奏曲の開始が曖昧な3度、黒人ブルースの6度と7度、シナゴーグのユダヤ音楽の跳躍で始まる…う~ん、そういうのって、私は言いにくいなあ。
2006年12月4日月曜日
最近仕入れた資料
・堀内敬三『音楽五十年史 (上) 、 (下) 』 (講談社学術文庫)
音友の『音楽明治百年史』も持ってるけれど、明治から太平洋戦争下までは、こちらの方が詳しいという村田武雄の解説に釣られて買ってしまった。前々から置いてあったしなあ。
・デイヴィッド・G・ヒューズ『ヨーロッパ音楽の歴史』 (朝日出版社)
下巻は持ってたんだけど、意外に入手が難しかったので、上巻を仕入れることに。グラウト/パリスカとは、また違った面白さがあると思う。
・伊庭孝『日本音楽史』 (日本コロムビア、LP2枚)
おおお、ついに見つけた、伊庭孝の『日本音楽史』。しかもSPではなくて、LPバージョン。解説書が見つからないので、後で郵送しますとのこと。いずれにせよ、貴重な音源とされているので、嬉しい。本 (『日本音楽概論』) の方は、さすがに高くて買えませんが…。
そのほかお茶の水ユニオンでシエナ・ウインド・オーケストラやら、マルセル・ミュールやら、ミトプーのアメリカ音楽集 (AS Disc) などを仕入れてきました。
夜は渋谷タワーにて、MTTによるアメリカ音楽のDVDを入手。
2006年11月15日水曜日
音楽関係の記録
・Menotti Violin Concerto. Jennifer Koh, violin; Spoleto Festival Orchestra:Richard Hickox (Chandos)
・Menotti Vn. Con. Ruggiero Ricci: Pacific SO; Keith Clark, cond (Reference Recordings)
・Piston Symphony No. 6. Schwarz (Delos) Slatkin (RCA) Gauk (Citadel)
・ビクター 描写音楽アルバム (SP6枚) ・軽音楽選 第7集 描写音楽篇 (日本コロムビア、SP3枚)[いずれも《森の水車》、《時計屋の店先で》のような描写音楽をあつめたもの。今日では忘れられた作品も収録されていて、興味深い。盤質は、コロムビアの方があまり良くない。資料としてはオッケーレベル。ビクターの最初の1枚は、聴きやすい。いずれもAudacyを使って編集。]
資料
・Howard Pollack, Walter Piston. UMI Research Press. ・John Gruen, Menotti: A Biography. McMillan.
作業
・上記資料を読んだり、まとめたり。 ・明日、著者校が届くらしい。できるだけ、速く、だそうである。ガムバリマス。
2005年11月25日金曜日
"Outside It's America:
Composers John Corigliano and Steve Reich Trace the Nation's Musical Landscape," Classical Pulse! 18 (October/November 1996): 10-13, and 34.

アメリカのタワーレコードが発行していたフリーペーパー。タラハシー時代にわざわざ送ってもらっていたようで、この記事だけを破って保存していた。今考えても、何とも奇妙な組み合わせの対談だと思う。一方は「アカデミズム派継承」でもう一方はそれとは全く違う流れ、のように見える…。
でも二人とも大学時代には「無調で書くことがクラシック作曲家の道」と考えられていて、そのことに強い疑問を持っていたという点で意気投合していた。またアメリカがヨーロッパの追従ばかりしていることへの不満なども述べられている。
他には…
「レナード・バーンスタインはジョージ・ガーシュインだけでなくポール・マッカートニーやジョン・レノンのように書けるように右腕を貸したんだと思う。だってマッカートニーとレノンは--彼らのジャンルでは--完全な頂点だったから。《イエスタデイ》なんてのは不滅の旋律だ。僕にはそんな才能なんかないし、バーンスタインもそんな才能など持ってなかったと思う。」(スティーヴ・ライヒ)(p. 13 and 34)
ありふれたコメントかもしれないけど…。
別の資料を見ると、コリリアーノの師匠がオットー・ルーニング、ポール・クレストン、ヴィンセント・ジャンニーニだったとは…。コロンビア大学恐るべし。でも彼のインタビューでルーニング以外の人の話は出てこないなあ (^_^;
2005年11月24日木曜日
Essential Cowell:
Selected Writings on Music by Henry Cowell 1921-1964. Edited by Dick Higgins. Kingston, NY: McPherson, 2001.
ヘンリー・カウエルが様々な出版物に書いた文章を集めた本。実験音楽の作曲家、諸民族の音楽、新しい音楽理論などに分類されている。彼の著作というのは案外多くて、ここに収められていないものも多数あるに違いない。こういう本がでるとは思わなかったので、私も留学時には、沢山図書館にある資料を複写したものである。手元にある資料との照合はしていないので、どのくらいまで手元にあるのが唯一のものかは分からない。
ところでこの本の編集をしたディック・ヒギンズという人はフルクサスのアーチストして有名で、確か芸術における退屈の問題について書いていたのではないかと思う。私もどこかに彼の著作を複写したものを持っていたように思う。
そして、なぜか彼の製作していたディスコグラフィーに若干協力したことがあって、この本に掲載されているディスコグラフィーにも私の名前が言及されている(323ページ、今朝気が付いた)。確かどこかのメーリングリストで彼のディスコグラフィーを見たんだと思うけれど、丁度手元にあったCarol Ojaのディスコグラフィーと比較して抜けているものがたくさんあったので、それを指摘したのだった。
彼からは、日本国内で発売されたもので、漏れているものがないかという返事が来たのだったが、一時帰国した時にチェックしただけでは分からなかっスのが残念であった。
カウエルの資料に関しては、確か2001年までシドニー・カウエルが公開を許可するまで、なかなかアクセスが難しかったように思う。でもその後状況が変わり、カウエルの伝記がようやく刊行されたのだった。それでも私は楽譜に関しては許可をもらってマイクロフィルムにて楽譜を入手したことがある。CBSから委嘱された短い作品だった。
ところで先日『音楽文化の創造』にレビュー2本を送った。今回は霊歌からゴスペルに至る黒人のキリスト教音楽を概観するスミソニアン/フォークウェイズ・レーベルの "Wade in the Water" というCDと、柳生すみまろ氏の『映画音楽:その歴史と作曲家』について書いた。後者はすでに絶版だけれども、柳生氏の本はアンダースコアまでを扱った丁寧な本で、映画音楽について勉強するのなら、まずこの本がいいと私は思っている。アメリカでは、映画の音楽を書くということが、かなり実践的に勉強できる学校があるので、教科書はいくつかある。具体的にどういった仕事の依頼があって、どのくらいの期間でどういったことをするのかが、具体的に述べられており、スコアの実例も数多く引いてある。今はDTMの知識も必須だそうで、映画監督などに、どういう音楽を作っているか、デモテープなどを作成することも普通に行われているようだ。
2005年5月26日木曜日
2冊の雑感
朝日新聞社会部編 『言論の不自由:朝日新聞「みる・きく・はなす」はいま--十年の記録』 怪書房、1998年。
日本には法律で規定されていないのに、それ以上に人を縛り付けるような「social pressure」が多い。私の友人も、常々このことを指摘していた。いわゆる「出る杭」の他にも少数意見(少数派)の強固なまでの排除もある。そういった行為が総じて全体主義につながりやすいというのは全くもってその通りではないかと思う。
もともと新聞の連載だったためか、事象の掘り下げにはやや物足りないところもあるが、反対に多くの事例から全体を通貫する問題が感じられるように思った。日常レベルで、無意識的になされていることを考えることになると思う。
土井健司 『キリスト教を問いなおす』 ちくま新書、2003年。
「平和を説くキリスト教が、なぜ戦争を引き起こすのか」という刺激的なタイトルが第1章。昨今のブッシュ政権とキリスト教会との強い結びつきを考えると、このような問いが信徒に向けられるのは避けられないことだろう。だが私はブッシュのやり方は大嫌いだし、アメリカのクリスチャンにだって戦争反対の意志を表明する人はいる。
個人的にはこの問いは「キリスト教」ではなく「キリスト教徒」に置き換えて考えるべき問題だと思う(土井さんも、このことに触れられてはいるようだ)。人間の愚かさを主との対話で知るのがクリスチャンであるはずだ。私だっていつ間違うか分からない。
ところで、相変わらずハワード・ジンはいいこと言うなあ、と思う→こちら(英語)を読んでみてください。まあ「アメリカはユニークで云々」の下りは、これがアメリカの大学の卒業式で話されていることだということを差し引いて考えるべきなんでしょうけど。
(2005.5.30.追記) 久しぶりにジンについて検索。C-SPANに1月の番組をアーカイヴしたものが残っていた(Howard Zinnで検索かけました)。ブッシュの再選のことから話が始まっていて、いきなり「うん、うん」とうなずいてしまった。フセインがみつかってもなぜイラクに米軍がいるのかっていう素朴な疑問にも感心。つまり民主化にも独裁政権にも、最初から関心がなかったのだと。石油に関する利権と中東における覇権主義だと。こういうことは日本では盛んに言われているけれど、アメリカのメディアでこういう発言がでるのはすごい。アメリカが(太平洋戦争の)戦前・戦中、帝国主義勢力に対して戦ったのは確かだが、そのアメリカ自体もずっと前から帝国主義を同じように行っていたと、愛国的で熱狂的に語る電話の視聴者に冷ややかに答えていたのもすごい。番組の方もいちど視聴者の話が終わると電話の音声をすみやかに切っているからうまくいくのだろうな。「あなたみたいな人は最も非アメリカ的だ」という電話に対しては何がアメリカ的なのかについての再考を促していた。
最後は通信衛星が自動的に切られて終わってしまったけれど (^_^;; その前に視聴者が「あんたは共産主義者か?」という問いを投げかけていたのは興味深い。そうすると、今のブッシュ政権のやり方に反対する、少なからぬ日本人(+アメリカ以外の国の人)はみな共産主義者となるだろう(ちなみにジン自身は共産主義者ではないが、民主社会主義のようなものは信ずるし、平和主義者であるというような返答をしていた)。
2005年2月6日日曜日
フォスター本
藤野幸雄著 夢見る人 作曲家フォスターの一生 勉誠出版 2005年 172ページ
マリエ富山5階の清明堂にて購入。日本語によるフォスターの本というのは、子供向けの一冊を除けば、これが2冊目ではないだろうか。1冊目は音楽之友社から発行されていた津川圭一著『フォスターの生涯』である。昭和26年、音楽文庫43番(富山市民プラザ近くの古本屋で購入)。
ぱっと見た感じ藤野氏の著作には譜例が出てこないようであるし、タイトルから察するに、伝記中心の記述ではないかと思われる。しかしジョン・タスカー・ハワードがスタンダードな伝記であること、あるいはその他米国で出版されたフォスター関連本について紹介もされているので、おそらく資料的にも確かなものになっているのだろう(まだ読んでいないので、何とも言えないが)。
2005年2月3日木曜日
アメリカ実験音楽は民族音楽だった
副題:9人の魂の冒険者たち 柿沼敏江著 フィルムアート社、2005年
先週の土曜日、著者の柿沼さんから新著が届く。扱われている作曲家はカール・ラグルス、パーシー・グレンジャー、ヘンリー・カウエル、シルベストレ・レブエルタス、ルース・クロフォード・シーガー、ハリー・パーチ、ポール・ボウルス、ジョン・ケージ、ルー・ハリソン。この中ではカウエルがなんといってもうれしい。実験音楽の父のように言われながら、本国でも最近まではあまり大きく扱われなかったように思われるからだ。作曲家の選び方が、ご留学時に受けた様々な音楽的刺激を象徴しているようでもある。ピーター・ガーランドの名前が出て「なるほど!」と思った。彼の本にも『In Search of Silvestre Revueltas』というのがあったっけ。
自分がこれまで関心を持ってきた分野でもあるし、「世界音楽」からの視点というのも興味深い。まだパラパラとページをめくっただけだけれど、これから少しずつ内容を消化していこうと思う。



