2009年5月28日木曜日

最近観た映画

ごぶさたしております。日記はmixiに書くことが多くなり、こちらに書いていないのは、申し訳なく思います。時々、そのmixi日記を転載していきたいと思いますので、よろしくお願いします。なお「富山の音楽・石川の音楽」については、別のブログで続ける予定です。詳細が分かりましたら、またお知らせいたします。

さて最近は、西部劇映画について読んだり、実作品を観ています。The Bfi Companion to the Westernは、西部劇に登場するアイテムや、映画監督・俳優などのデータに長けているけれど、映画作品についてのエントリーは少なめ。The Western (Aurum Film Encyclopaedia)の方が、作品年代と、各作品の大まかなことを知るには便利。両者をうまく使いこなすことが大切かもしれません。

関係ないですが、県立図書館から、柳沢一博の『ヴィスコンティを求めて』、アンヌ・ジランの『トリュフォーの映画術』、池波正太郎+淀川長治の『映画行脚』を借りてきました。

映画『ビッグ・トレイル』 (1930)

ジョン・ウェインのデビューだったんでしょうか。顔が若いので分からなかったんですが、あの独特な話し方で「えっ、これってジョン・ウェイン?」と気付きました。

『ビッグ・トレイル』は興行的に大失敗だそうで、いわゆるAプロダクションとしての西部劇が本格的に量産されるのを10年近く遅らせることにもなったようです。まあ、確かに途中で眠くなってしまう箇所が、特に前半部分に多いですね。

ぱっと観た感じ、予算がかかっていることを感じさせられる箇所があり、大西部を見せつける箇所も、白黒映像とはいえ、壮観でさえあります。ただ、おそらく台本にまとまりがないのと、オーバーなセリフ回しなどが、気になるところかもしれません (あのコメディアンが不必要だと指摘する本も) 。それゆえに、不思議なくらいに感情移入しにくいです。

音楽的にも、通常なら入っているだろうと思われる箇所にないと不満になるものです。例えば幌馬車の進む場面。効果音だけが淡々と聞かれます。リアルにはそうなのかもしれませんが、あまりにニュートラルという感覚もありますね。またサイレントのフォーマットをひきずっているため、音楽が専ら場面転換用になっているという印象も受けます。

一方で、いわゆる「インディアン音楽」はすでに登場しています。これが分かったのは収穫なのかも。

映画『バファロー大隊』 (1960)

これはウェスタンというより、南北戦争時代の黒人を対象とした「法廷劇」という感じでした。回想でずっと持っていってます。しかし、先住民族にかんしては、相も変わらず「群衆」あるいは「物」扱いのような気がします。

主題歌は陽気な愛唱歌風だったと記憶していますが、ハワード・ジャクソンのスコアは、なぜか覚えていません。

映画『黄金』

500円DVDは、ハンフリー・ボーガートがジャケットの表紙になってて、映画の冒頭も、彼が中心に進んでように思えたんだけど、そういう風にきましたか。ただ、個々の部分に関して「イマの映画だったら、もっといろいろ仕掛けをしてくるようなあ」というところがあり、肩すかし的なところもあって、それが、いいのか悪いか、というのはありそうです。とはいえ、映画の後半は、心理劇として、とても面白く、「これも西部劇なのかー」と見識を新たにしました。フロンティアの発想であるとか、開拓の苦労とか、アングロサクソン的な歴史観として琴線に触れる部分もあるのかな。川渡りの苦労とか、馬車での峠越えとか。

マックス・スタイナーの旋律、結構残りました。おちゃらけな旋律が飛び出すのは、映像を見ると、雰囲気に合ってるように思えました。ラテン・アメリカ系の色を出しているのは、漠然とサントラだけ聴いている時は、気がつかなかったような気がします。

2009年5月20日水曜日

最近のできごと記録

2009年5月10日日曜日 

日曜は仕事をしないように、とは言うものの、やらねばならない状況に。音楽評と書評である。

2009年5月15日金曜日 

届いたもの

・マイルス・デイビス『カインド・オブ・ブルー (レガシー・エディション)』 Sony国内盤

国内盤旧盤、Legacyのアメリカ盤 (タラハッシーのVinyl Fever [http://www.vinylfever.com/] にて購入) に続く3枚目。Federico Dolphyさんの日記につられて、ついポチっと。さすがにアメリカからBoxを買おうって気にはなりませんでしたが。DVDが楽しみ。

・Palmer, Christopher. Dimitri Tiomkin: A Portrait. London: T. E. Books, 1984.
・The Film Music of Dimitri Tiomkin. Unicorn-Kanchana.

Screen Archives Entertainmentからセットで購入。前者は本当にまっさらな本で、かえって新鮮。後者はLPの音源で知っていた。

2009年5月19日火曜日 

日月と、高岡信用金庫主催の旅行に参加。三島野観光のバスガイド、藤田さんっていうのが、なかなか好評だったようで。富山弁を随所に織り交ぜてましたねえ。

日曜日は神戸は南京町にある、龍郷 (http://www33.ocn.ne.jp/~ryukyo/) で昼食。量が多くてマイったけれど、味は抜群によかった。値段もそれなりにするようだけれど、満足度高し。

その後、神戸ポートピアホテルで行なわれた綾小路きみまろのライブを見る。明らかに対象年齢が上 (^^;; かなりハードなスケジュールをこなしていたのか、声がかれていて、大変そうだった。お笑い芸人として、間の取り方などは絶妙なのだけれど、基本的に、年齢とともに冷めてしまった夫婦愛をテーマの中心にしているのだと認識。「そうはいっても、最近は、年寄りも、もっと元気だからねえ」と、周りの反応も興味深く拝聴した。

世間ではバカバカしいほどのインフルエンザ騒ぎ。三宮の町を歩く人も心無しか少ない。でも夜中の駅前にくりだして、甘口のベルギー・ビール、ドイツのベックス、アイルランドのギネスを楽しむ。ブルージュ (http://www.universefood.jp/shop/brugge/index.shtml) ってお店、気軽に楽しみました。

月曜日は京都。東寺と清水寺。いずれも特別拝観をやっていた。個人的には、後者のご本尊御開帳の方が強い印象を残したので、冊子を買ってきた。

お土産は、西尾の生八つ橋。去年試食しておいしかったので、今回も買ってみた。

2009年5月20日水曜日 

届いたもの

・Kalinak, Kathryn. How The West Was Sung: Music in the Westerns of John Ford. Berkeley, CA: University of California Press, 2007.

うーん、やっぱり、こういう本が必要ですよねえ。考えてみれば、メディアによる「アメリカ音楽の創出」を扱ったのが私の論文だったワケで、ウェスタンを考えることは、僕の調査研究の延長でもあるんですねえ。Louis Gruenberg, Roy Harris, Aaron Copland...いずれも私が論文で扱った作曲家だったりします。

2009年5月9日土曜日

観たもの、届いたもの

原稿に従事。2冊目は、久々に読んでみると、かなり余計な情報が入っているように思えたので、あちこち削ろうと思った。

ココナッツ・アイランドで、いちごのパフェを食べて、ファボーレで映画を観た。
やっぱおいしねえ、このパフェ。一気に食べてしまう。岐阜と愛知からイチゴを仕入れているんだね。

・映画『レッドクリフ2』

観終わった後、何も残らないし、もう一度観たいかと言われると疑問だけれど、一夜のエンタテーメントとしては、それなりに面白いのかも。大量のエキストラと火、火薬、弓矢。プロット的に印象的な部分は少なく、ただただ壮絶な戦闘シーンが続く。まあパート1がああいう風に終わったから、2は、ほとんど戦闘シーンだと思っていたから、アンバランスさは、それほど気にならないのだけれど。

内容に合わせて音楽もやたらど太鼓がうるさく、「ここ、観る所ね」って教えてくれているような気がする。太鼓と爆発音の映画かな、こりゃ (+オマケの民族音楽) 。

映画に余計な一言というのは、以前にも体験したことがある。僕にとっては『カリオストロの城』で、銭形刑事がクラリスに向かって言ったセリフっていうのが、余計な一言なんだなあ (いや、あれがイイって人の方が多いですが) 。この映画も、散々やって、取って付けたようにヒューマニスティックな一言。うーん。入れないからこそ生きてくるってこともあるんだけどなあ。映画の意味を間違えないでほしいってことなのかもしれないけど、それは観ただけで充分だろうし、必然性がないような気がする (伝わらない人は何を言おうと伝わらないので。まあ、そういう点で『カリオストロ』の方は必然性があるように思えるから、複雑なんだよなあ) 。

届いたもの

・McCarty, Clifford.  Film Composers in America: A Filmography 1911-1970.  2nd ed.  Oxford University Press, 2000.

・Goldsmith, Jerry.  One Little Indian.  OST.  Intrada.
・Goldsmith, Jerry.  Twilight Zone: The Movie. OST. FSM.

・Virtuoso Kontrabasskonzerte.  Gary Karr, double bass; Radio-Symphonie-Orchester Berlin; Uros Lajovic, conductor.  Koch Schuwann CD 361 332 H1.

・Hageman, Richard, et al.  Stagecoach.  OST.  The Soundtrack Factory SFCD33564.

テーマ音楽は、いろんなアレンジで何度録音されているか分からないけれど、『駅馬車』のOSTというのは、意外にも、見たことがない。むかし、映画の音声のすべてを収録し、台本をつけてリリースした日本のLPレコードはあったが、このCDの場合も、映画の音声を編集しただけのサントラである。つまり、スタジオのアーカイブで効果音をミックスする前のテープを見付けたという訳ではないのである (年代的には、みつかってもテープじゃなくて、ディスクだろうけれど) 。

まあ、とりあえずどんな音楽が流れていたかを参考にする意味くらいはあるんじゃないかとは思う。ジャケットには "Music composed by Richard Hageman" となってるけれど、実際は4人チームで作ったので (封切りまで時間がなかったそうで) 、この表示は正確でない。ただ、BFIの本によると、映画でクレジットされている Louis Gruenbergの音楽は使われてないらしい。

2009年5月8日金曜日

最近のできごと記録

2009年5月1日金曜日

海外盤原稿を送付。疲れたー。明日からはラ・フォル・ジュルネである。基本的に「ほくりく音楽アラカルト」の取材という感覚で行くつもり。

なんだか近頃、NHKニュースは豚インフルエンザの報道ばかりしている。前々から警鐘を鳴らしておくことは大切だけれど、それにしても、もっとほかに伝えるべきニュースがあるのではないか? 舛添氏なんかがやたら張り切って記者会見している様子が毎日のように伝えられているようだ。そういえば、幼稚園の子どもが「怖い」という一言を発していた。いまの政府は、そういう反応を期待していて、これ幸いに「政府がついてますよ」という点数稼ぎをしているんじゃないかと勘ぐりたくなる。

・現役アニメーターによるアニメの現状
http://www6.ocn.ne.jp/~pancake/ani01.html

「搾取」構造は、こんなところにも。深刻な現状ですねえ。安いことは知っていましたが。

2009年5月8日金曜日

2〜4日は、ラ・フォル・ジュルネ金沢へ。最終記者会見にもお邪魔しましたぜー。5〜6日は、朝日町境の護国寺へ。シャクナゲも良かったが、牡丹の花が大きいといったら…。

参考ブログ→http://blog.goo.ne.jp/yuji050530/e/ba798c4f822a898197da0d9d5b3b7b22

そして、宇奈月ニューオータニホテルへ。

http://www.newotani-resort.co.jp/unazuki/

ネットで一泊13,000円のプランを見付けた。いいお湯だった。お食事はまあまあ。お造りがイマイチかな。量が多くて、死にそうになった。疲れがたまっていたので、食ったあとはすぐ寝てしまった。祖母によると、寝てしばらくは、いびきをかいていたらしい。


最近聴いたもの

・Ron Goodwin, Battle of Britain, OST.

もともとはウォルトンがやるハズだったんだっけ? イギリス版DVDには別トラックで入ってるらしいが、大方はグッドウィンの良さが再認識されるという方向のようだ。

・Ron Goodwin, 633 Squadron, OST.

最近発刊されたMervyn Cookeの本によると、このテーマ音楽がかなり模倣されたって書いてあったと思うんだけど、そうかなあ? イギリス映画はそうなのかな? ハリウッドの戦争映画じゃあ、聴いたことないような気がする。

・James Horner, Glory, OST.

いわゆる玉砕系の映画だけれど、テーマ音楽はいいねえ (『芸能人格付けチェック』でも使われているし) 。ただ、クライマックスの音楽は、あまりにもオルフの《カルミナ・ブラーナ》なんだなあ。オフィシャルのサントラも持ってるけれど、なんでピッチが低く収録されているのだろうか?

・Hans Zimmer, Crimson Tide, OST.

かっこいいっすねー、これ。しびれました。韓国のテレビ・ドラマ『白夜』のスコアは、これをパクってたのねー。

・Dominic Frontiere, Chisum (soundtrack privately ripped from the DVD)

テーマ音楽の部分だけで、かなり長い。ナレーションも入ってて、なかなか凝ったオープニング。YouTubeで映画全部が観られる。ジョン・ウェインも晩年に入り、プロットも、すっかり枯れた西部劇という感じもするけれど、そんなに退屈っていうほどでもない。オケの編成的には、いかにも70年代で、時々エレキ・ベースが入って来たりするけれど、基本的にはアメリカのウェスタン系、つまりマカロニじゃないってこと。

・Francesco De Masi, Sette Winchester Per Un Massacro.
・Francesco De Masi, Arizona Colt, OST.

やっぱマカロニ系はかっこいいですねー。

・Dominic Frontiere, Hang 'Em High, OST.

エレキにハーモニカは、モリコーネから持ち込まれたもの。ジョン・フォードのノスタルジックなアメリカーナとは全く別の路線。いいですね、これ。

・John Williams, The Cowboys.

シンセの音が妙に浮いてる感じがする。当時はスタイリッシュだったのかな? オケの序曲ばかり聴いてきたから違和感を感じてる?

・The Best of West, Ryko RCS 10721

MGMのウェスタン・スコア。上に言及したFrontiereのHang 'Em Highだけがマカロニ逆輸入で、ちょっと浮いた感じ。その他は、コープランドとジェローム・モロス、ティオムキンから派生してる?

・Perfect Series オスカー・ピーターソン (LP2枚組)

オムバニスらしく、録音もさまざま。

・Take the "A" Train.  The Third.
・The First By Sleepy.  Hidehiko Matsumoto Quartet.

The Thirdっていうけど、日本人ミュージシャンなんですね。なかなか面白いのでは? 後者は、St. Thomasがソニー・ロリンズのオリジナルを踏襲してて面白かったんだけど、後者は無理にブルーベックの裏をかこうとしているようでいて、苦しそうな感じがした。Tuesday Sambaみたいなオリジナルがいいな。でも、リズム感はピーターソンと違いますね。英語と日本語で、しゃべる時の筋肉の使い方が違うっていうのと似た感じで、ピーターソンの方が彫りが深いというか。日本人ミュージシャンの方が浅めというか。どちらがいい悪いじゃないんだけど。