2007年10月2日火曜日

ベートーヴェンとスメタナ

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 クレーメル、アーノンクール/ヨーロッパ室内管弦楽団 (Teldec国内盤)

ははあ、これが物議を醸し出したカデンツァですか。古楽が「オーセンティシティ」を目指すものであるという前提で考えると、「このカデンツァはないだろう」ってことになるんでしょうね。しかも特定の楽器の技巧を華やかに見せつけるのがカデンツァの本義なのに、なんだこれは、ってことなんでしょうか。それを差し引いて考えれば、凄く効果的で面白いと思います。演奏全体としても、透明感があるし、交響曲全集にも聴かれた力強さもあると思いました。「何をどれだけ差し引くか」の妙技、と言うべきだろうか。

Bedrich Smetana, The Bartered Bride, Benackova; Dvorsky; Novak; Prague Phil. Choir; Czech PO; Kosler (Supraphon DVD)

Region 0, NTSC、英語字幕あり

民俗的な風情が音楽や衣装を通して盛り込まれ、プロットは適度な緊張感を含ませており、とても楽しい作品ではないかと思います。スメタナは自己をもっとシリアスな作曲家として見てもらいたかったようですが、この《売られた花嫁》こそが最も頻繁に上演されるオペラということですから、なかなか思うような「名声」というのはつかめないものなのですね。

口パクはたしかに合ってないところがありますが、あまりスタジオ収録の短所は出ていないように思いました。