一時期「描写音楽」なるものに興味を持っていました。古くから親しまれている楽曲が多い一方で、一部からは忌み嫌われている存在(?)というのがとても興味深いです。 標題音楽あるいは何かしら具体的な事物を扱うタイトルがついた曲の解説で「タイトルは決して何かを描写するものではなく…」のような但し書きが書かれることは多いように思われます。
そして、そういった「描写音楽」は、タイトルこそ知らなくても聴いたことがあるという楽曲が多いのではないでしょうか。今でも聴かれている曲だったら《ラッパ吹きの休日》とか《クシコス・ポスト》とか…。
さて《時計屋の店で In the Clock Store》は、アメリカの作曲家チャールズ・J・オース(1867年にバイエルンに生まれ、子どもの頃に家族とともにアメリカへ渡った)が1893年に作り、最初はピアノ曲として出版され、後にフルオーケストラ、軍楽隊、ピアノ伴奏、10または14楽器による縮小編成など、他の編曲でも楽譜が出版されたそうです。「ユーモレスク」に分類され、ジョン・フィリップ・スーザが指揮を執るスーザ・バンドの定番レパートリーの一つだったそうです(シカゴ万国博覧会やスーザのヨーロッパツアーでも取り上げられました)。
以下に挙げるのは、この曲が録音された最初のレコードで、しかも1902年、コロンビア・レコード初のレコード盤として発売された1枚なんだそうです。このレコードの発売された翌年に、スーザはエドワード7世のための特別演奏会でこの《時計屋の店で》を演奏したんだとか。
Columbia Disc Record No. 1 — In the Clock Store — Digitally Remastered
次に挙げるビクターの『ビクター描冩音樂アルバム』は私も持っているのですが(いまは遠方の書庫にあり手元にありません)、レーベルに「Cinema Organ」というジャンル名が書かれているのが面白いですね。どうやら《時計屋の店で》は、サイレント映画時代にシアター・オルガンのレパートリーの一部となり、映画の合間や予告編の間に頻繁に演奏されたということらしいです。
Terence Casey - IN A CLOCK STORE
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