2015年12月28日月曜日

ポール・ハーレー<夕やみ/日の入り> (Paul Halley Dusk/Sunset)

クリスマスの賛美歌の一つ、讃美歌21 255番《生きるものすべて》の旋律PICARDYによる即興演奏。ポール・ハーレー (イギリス生まれのオルガニスト) のアルバム『ナイトウォッチ』から。カッコイイです。5つの楽章からなる組曲になっていて、最終楽章 Dawn/Sunrise は 72番《まごころもて》ADORO DEVOTE の旋律による即興になっています。
彼はニューヨークの聖ヨハネ大聖堂(The Cathedral of St. John The Divine)の首席オルガニストだったらしい。
むかしThe Cathedral of St. John The Divineの Gift Shop でカセットテープ (!) を買ったなあ。
何年か前に買ったCDの方は、轟音部分もクリアに聴こえます。スピーカー・テストを兼ねて、ちょっと聴いていたところ。


2015年12月20日日曜日

[フェリス女学院大学の フェリス木管アンサンブル] NHK横浜放送局土曜コンサート (2015-12-19)

2015年11月30日月曜日

クリスマスツリー点灯式@フェリス女学院大学

フェリス女学院大学 緑園キャンパスにて、アドヴェント夕礼拝、クリスマスツリー点灯式を守りました。





2015年11月24日火曜日

フェリス女学院大学 山手キャンパス からの帰りに撮影

いつもの火曜日の授業が終わり、夜の山手を みなとみらい線 元町・中華街駅まで歩いていきました。

この時期はすっかりおなじみになりました。クリスマスに向けて、素敵なイルミネーションの数々を見ながら帰路につきました。


エリスマン邸です。




山手234番館です。



アメリカ山公園です。




2015年11月23日月曜日

フェリスの「日本音楽通史」

今日からフェリスで私が担当している授業「日本音楽通史」は明治以降の洋楽の世界に入っていきます。本当は前回の民謡の回の2回めとして、琉球とアイヌを取り上げるつもりだったのだのですが、準備不足ということで、また機会を改めて…できそうだったら…やりたいなあ…。

ということで、軍楽隊、賛美歌、唱歌の3つの経路からの西洋音楽流入について話しました。次回はこのうちの唱歌について話すつもりです。

それにしても、今日からの回になると、とたんに学生にとって馴染みの音楽になるということで、食い付きがよいといいますか。それもまた、とても複雑な思いがするのですけれども(コメントの中に、伝統音楽も両方好きだと書いてる学生がいたのは、ちょっと嬉しかったかも)。

2015年11月22日日曜日

つぶやき記録

2015年11月4日水曜日
今日は会議日。よるはレコ芸海外盤原稿に従事。オールソップのバーンスタイン/カディッシュほか (Naxos)を聴く。

2015年11月5日木曜日
毎年歌舞伎の『勧進帳』をDVDで観ている。寝ると思ったけど寝なかったとか、ずっと見入ったとか、内容が分かると楽しめたとか、例年よりポジティブな反応が多くてうれしいなあ。

2015年11月11日水曜日
昨日緑園で資料をコピーしていたら、入試課の人が来て、「先日入試相談会があって、先生の授業が楽しかったと高校生が言ってました」と言われて、有頂天になりました(←かなり単純 [苦笑])。でも、どの授業だろう? まさか日本音楽通史の声明の回じゃないよね?

それはさておき、さきほどエリスマン邸の前を通ったら LED というロゴ?の入った作業服を着た方数名が何やら作業をしておられました。今年はどんな装飾になるのかな?

2015年11月20日金曜日

KR病院に向かい中。二俣川から横浜への相鉄線が激混みだったけど、東横各停は空いてる。8:30の横浜駅の混み方が、またすごい。フェリス1年目は1限に授業やってたから、見慣れた風景だったんだけどね。

南武線の車内案内、稲田堤の駅名を「いなだっっっ」「いなだっっっ」と言っている。これってデフォルト? 英語の方は「いなだつづみ」って言ってるけど。

立川ルミネのカフェでランチ。リゾットとキッシュです。タルトが有名らしく、やたらとタルトセットを勧められたのですが、さすがに食べすぎになるのでこれだけに。

2015年11月21日土曜日
錦糸町駅近くで天丼を食べて、すみだトリフォニーに向かいます。

2015年10月24日土曜日

国立音楽大学 音楽研究所 ガーシュイン・プロジェクト、ポール・ホワイトマンの仕事

昨晩は、国立音楽大学で、ポール・ホワイトマンについて、90分、しゃべりまくりました。まだまだ手持ちの資料を消化できないままでやっちゃった感がありますが、今後の課題ということで。 写真は今回の講義のために使った資料の数々。

 2週間後に、今度はディズニー音楽についてしゃべります。


2015年10月22日木曜日

学生の音楽観を壊す試み?

今日の音楽社会学という授業では「世の中にはこんな音楽がある」コーナー(?)として、オノ・ヨーコの《トイレの曲》、リュック・フェラーリの《ストラトーヴェン》、アルヴィン・ルシエの《ソロ・パフォーマーのための音楽》を紹介した。ちなみに先週は、チベット仏教の音楽、空也念仏踊り、お経とジャズのコラボレーションの動画を見せました。

ところでオノ・ヨーコの《トイレの曲》って、デュシャンの『泉』からインスピレーションを得ているのでしょうか?

2015年10月16日金曜日

ポール・ホワイトマンという人

ちょっと前までは、ポール・ホワイトマンといいますと、ガーシュインの《ラプソディー・イン・ブルー》を初演した人っていうくらいしか知識がありませんでした。しかし、いろいろ調べてみると、かなり面白そうです、この人。興行的に大失敗した『キング・オブ・ジャズ』以降の活動時期も、それなりに長いですし。

2015年10月14日水曜日

2015年10月10日土曜日

確か、それはいらないのでは?

みなとみらいホールを出たところにあるサイン。確か最後のsはいらないんですよね? 最初のSも大文字にしなくてもいいでしょうし。

2015年10月6日火曜日

進駐軍から

当方の勤務先であるフェリスの図書館には進駐軍から来た資料があるようです。やっぱり横浜ですねえ

2015年10月2日金曜日

にゅうあん

大学の入試課で「先生、にゅうあんについてご協力いただき、ありがとうございました」と言われ「にゅうあんってなーに?」って思いながらも「いえいえ〜」と言いながら学校を出てきました。最寄りの緑園都市駅で電車を待ちながら、「あー、『にゅうあん』って、入学案内のパンフレットかー」と思い出しました(^^;;

2015年10月1日木曜日

きょう届いた本

今日届いた本です。内容はそれほど参考にはならないことは分かってたのですが、一応2015年に出版されたものです。

2015年9月28日月曜日

ポール・ホワイトマン&ビリー・ホリデイ

1940年代・50年代のポール・ホワイトマンを聴いて、そのジャズっぷりに驚いています。ビリー・ホリデイとも録音していたなんて…。

ビリー・ホリデイの録音は1942年6月12日録音の "Trav'lin' Light" というナンバーです。キャピトルへの録音ですが、当時ビリー・ホリデイはコロンビア所属だったため、Lady Dayの名でリリースしたそうです。

2015年9月25日金曜日

貴重なレコード

国立音大には、貴重なレコードがありますね。せっかくなので、借りて聴いてみることにしました。

2015年9月24日木曜日

授業でもらった、学生からのうれしいコメント。

日本音楽通史という授業を担当しておりまして、専門分野ではない分、毎回冷や汗ものなのですが、今回学生からもらったコメントを見て、ちょっと有頂天にりました (^^;;

4限に取ったことのない◯◯学部の先生を取ったのですが、そのあとに、この通史の授業を受けると、説明がとてもわかりやすく感じました。◯◯学部の先生には申し訳ないですけど、やっぱり教え方って大事ですね…。

◯◯学部の先生、すいません (^^;;

2015年9月22日火曜日

今日の記録

今日は夜にBunchademy (学芸大学 [東横の方] )に行くことにしていたのですが、妻が午後パシフィコ横浜に行くということもあり、お昼を一緒に食べて、それから夜までは都心で時間を潰すことにしました。

最寄り駅の Afternoon Tea でサラダ・パスタを食べて、新宿へ。この路線は、かなり代々木よりに止まるのですが、南口からタワレコ新宿へ行きました(とても安易)。でも結局何も買わずに、そのままディスクユニオンのアクセサリー館へと向かいます。そこでLPレコードの静電気を除去するゼロダスト LP レイザーを買いました。前々からアマゾンでチェックしていたのでありますが、ここにあることは知っていましたし、とりあえず入手できて一安心。ずーっと愛用してきたミルティのパーモスタットが、どこにも売ってないということで、この製品を試してみることに。

それからディスクユニオンのクラシック館へ。佐藤聰明の《リタニア》、持ってなかったんですよね。New Albion はもうCDを出していないので、ようやく買いました。その他ボザール・トリオのロレム/デヴィッド・N・ベイカー/ロックバーグ、グローフェ自作自演集 (日コロ Everest) 、『オーマンディ・インタビュー&初期録音』(RCA非売品)などを購入。

その後、学芸大学のドトールで原稿をちょっとやり、18時からは近藤譲さん+石塚純一さんの対談を堪能。おふたりとも、お疲れ様でした。作曲家の参加者が多かったようですね。

2015年9月20日日曜日

きょう眺めていた本

今日はこちらの本を眺めておりました。Menottiの Amahl and the Night Visitors のほか、Brittenの Owen Wingrave、Gerald Barryの The Triumph of Beauty and Deceit なんかが取り上げられているようです。

2015年9月19日土曜日

眺めている本

面白そうな本。スーフィーについてはカッワーリとかメヴレヴィーについて、ちょっとかじったくらいでしょうか。カッワーリもヌスラット・ファテ・アリ・カーンから入ったミーハーです(ボストンに住んでた時に、シンフォニー・ホールのライブに行きました)。

好奇心のツボを刺激されております。

2015年9月14日月曜日

原稿のための資料を印刷

『アナと雪の女王』の関連資料をプリントアウトすると、けっこうな量になる。

届いたレコード

きょう届いたレコードです。最初の方だけ、ちょい聴きしていますが、とてもいいです。お気に入りの一枚になりそう。CDにはなっていない模様。

2015年9月5日土曜日

The Ravi Shankar Collection

ラヴィ・シャンカールの脂の載った時代の音源として好きな一つがNMLにもありまして、それがカーネギー・ライブなのであります。長い間CDになってないし、LPではA面とB面がどうしても切れてしまうし、ということでCD化を待ち望んでいたのですが、どうやらCDボックスの1枚になって発売されていたようです。知らなかった。


いまNMLで聴いているのですが、いやあ、ものすごい熱演です。クライマックスでアリ・アクバル・カーンのサロードの弦が切れているらしくて、その音が入っているというのもすごいです。
その他、ぱっとみたところ、このボックスにはWorld Pacificレーベルから出てた音源も入っているみたいですね。うーむ、素晴らしい。

民族音楽といえば、LyrichordレーベルもNMLには入ってます。音が悪いのがちょっとアレですが…。Alexander Street だと Folkways とかも聴けるみたいですが(初期ジャズの録音もあって貴重)、私の大学図書館には入ってないようです(涙。高いからなあ…。


2015年9月4日金曜日

届いた本

きょう届いた本です。田辺尚雄の概説書はいくつもありますが、これは具体的で分かりやすいかもしれません。この本で扱われているレコードの方は、さすがに持ってないです。

かつて新潟大学の図書館の書庫にこの本がありまして、いつか欲しいなあと思っていましたが、ようやく入手いたしました

2015年9月3日木曜日

届いた本

訳者の横坂先生からご本が届きました。「ヒム・エクスプロージョン」の立役者の一人による賛美歌論といえばいいのでしょうか。いわゆる歴史書ではないのですが、時代に生きる賛美を考える時に必要な視点が、いろいろと示唆されているようです。謹んで読ませていただきます。

2015年9月1日火曜日

国立音楽大学 音楽研究所の活動

今年度は、客員研究員として国立音楽大学の音楽研究所におじゃましております。テーマは戦前のアメリカ音楽、特にガーシュインを中心としたものになっており、最終的な目標としては、ポール・ホワイトマンが初演した当時の編成と楽譜を使った《ラプソディ・イン・ブルー》の演奏です。

ホワイトマンの楽団は、現在のオーケストラとはかなり違っていまして、20人ほどのミュージシャンほとで編成されており、ヴァイオリンのような弦楽器は入っているものの、サキソフォンなど管楽器を中心に発想されたところもあります。ご存知の通り、ホワイトマン楽団所属のアレンジャーの一人で、ホワイトマン・サウンドに大きく貢献したファーディ・グローフェが初演版、そしてのちの(こんにち広く演奏されている)オーケストラ版のオーケストレーションを行いました。

それで、ホワイトマン楽団の編成の楽譜を作るにあたっては、もちろんホワイトマンが初演した当時の楽譜というものが(印刷の悪い)ファクシミリで残っているのですが、ピアノ・パートが空欄になっている箇所があるなど、省略されている箇所が多くあります。また、通常の版では演奏されない小節というのも存在しています。

ですので、初演版の楽譜を作成するにあたっては、印刷版を含めて、複数の版の《ラプソディ・イン・ブルー》を検討していただく必要がありました。

今日は前期の間に比較をしていただいた調査が「ひとまずの到達点」に達したようで、版の差異についての発表をしていただきました。私も《ラプソディ・イン・ブルー》のCDをいくつか聴いて、耳で違いについては知っていたのですが、「じゃあ具体的にどうなの?」ということに関しては、この日の発表は、問題点をきちんと整理されていており、とても感動いたしました。また楽譜を検討するにあたっては、当方が提供した音源も役にたったようで、光栄です。
一次資料を加えた調査は、資料入手ができていなこともあって、これからではありますが、引き続き楽しみな調査であると考えています。

私もポール・ホワイトマンについて調べつつ、ディズニー原稿をやりつつ、レコ芸海外盤も…頑張ります (^^)

2015年7月20日月曜日

音楽ジャーナリズム 聴き比べの授業 まとめ

フェリス女学院大学で谷口が担当させていただいている授業に「音楽ジャーナリズム」というのがあります。この授業では、さまざまなシチュエーションに応じた文章を書いてもらい、これを私が体当たりで添削しています。そのほかに、名物企画(?)として、「音楽聴き比べ」というのを行っています。第1回は「クラシック名曲の聴き比べ」、第2回はさらに、ポピュラー音楽の聴き比べを行いました。
さて、この日は祝日授業ということで、6人の高校生が授業見学にいらっしゃいました。内容は、先週行った「クラシック&ポピュラー音楽聴き比べ」です。
今回のブログのエントリーでは、聴き比べした音源とその集計を公表したいと思います。

[聴き比べ1] ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95《セリオーソ》、第1楽章
[A] エマーソン弦楽四重奏団 Deutsche Grammophon KCB41/KCB44
[B] バリリ弦楽四重奏団 Westminster WVCW-19059
クラスの得票数→ [A] 23 [B] 17

[聴き比べ2] クライスラー:《愛の喜び》
[A] フリッツ・クライスラー(ヴィオリン)、フランツ・ルップ(ピアノ)、アルバム『クライスラー・プレイズ・クライスラー』から Naxos Music Library (http://ml.naxos.jp/album/8.110992)
(1938年2月15日録音)
[B] ローラ・ボベスコ(ヴァイオリン)、ウィルヘルム・ヘルヴェク(ピアノ)『ボベスコ・プレイズ・クライスラー Vol. 2 愛のよろこび』 (1985年11月録音)日本フォノグラム 32CD 305
クラスの得票数→ [A] 10 [B] 29 [両方] 1

[聴き比べ3]ビリー・ストレイホーン作曲:《A列車で行こう》
[A] デューク・エリントン楽団 1941年2月15日録音。アルバム『A列車で行こう』(BMGファンハウス BVCJ-37163) から
[B] デューク・エリントン楽団 1966年録音。 アルバム『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』(BMG Japan BVCJ-37447) から
クラスの得票数→ [A]20 [B] 19 [前半はA、後半はB] 1 

[聴き比べ4]テリー・リチャーズ作詞、ビル・チェイス作曲《黒い炎 (Get It On)》
[A] チェイス (オリジナル) アルバム『Chase』から
[B] 和田アキ子 (vo.)、森田公一編曲(カバー)アルバム『AKIKO WADA 45th Anniversary Essential Collection』から(オリジナルは1973年「和田アキ子リサイタル~日劇に於ける実況録音」から)
クラスの得票数→ [A] 27 [B] 11 [無回答] 2

[聴き比べ5] メル・トーメ作詞・作曲《ザ・クリスマス・ソング》
[A] ナット・キング・コール (ヴォーカル) Merry Christmas - 100 Best Songs Ever (Remastered)
[B] モーリン・マクガヴァン (ヴォーカル) "Voices of Christmas" Sony Classical MFK 66300
クラスの得票数→ [A] 17 [B] 20 [無回答]1 [A&B (どちらかというとB)]1 [どちらも好む]1

[聴き比べ6] かぜ耕士 作詞、中村八大 作曲 《涙をこえて》
[A] シングアウト アルバム『愛のつばさを-シング・アウトの旅』Ariola Japan (Sony) BVCK-37098
[B] ヤング101 アルバム『ステージ101ベスト』ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-1043-44
クラスの得票数→ [A] 12 [B] 28
ちなみに聴き比べ5のBの音源はご存じないかもしれませんので、YouTubeのリンクを貼っておきます。

2015年7月17日金曜日

国立音大でガーシュイン・コンサート

「ガーシュイン・サマーコンサート」がまもなく始まります。客員研究員としておじゃましている国立音楽大学の音楽研究所が主催しています。

2015年6月4日木曜日

NHK Eテレ『ららら♪クラシック』ビデオ出演のお知らせ

5月の回に30秒ほど登場したNHK Eテレの『ららら♪クラシック』ですが、6月の回にも登場することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

放送日:6月13日(土)Eテレ 21:30~
再放送:18日(木)Eテレ 10:30~
副題:「バーンスタインの『シンフォニック・ダンス』」

2015年5月20日水曜日

ちゃんと調べてみる必要性

ガーシュインがラヴェルに弟子入りを断られたという話がされたのは、ナディア・ブーランジェに教わりにいった先のパリの出来事だということを言う人がいるらしい。「そうだったっけ?」と気になって、ちょっと調べてみた。

いくつか資料を眺めてみると、実はその発言はラヴェルがアメリカに来た時の話ということになる。エヴァ・ゴティエ宅で行われたパーティーで(ホステス以外は全員男性だったという、ラヴェルの要望で)、当日の通訳をしたゴティエが語ったところによると、ラヴェルは "it would probably cause him to write bad 'Ravel' and lose his great gift of melody and spontaneity."と語ったらしい。

Howard Pollackの伝記によると、ガーシュインもラヴェルも互いの音楽語法についてあまり知らなかったのだから、ガーシュインの申し出というのは"quixotic" (現実離れ/夢物語?) だったが、ラヴェルの方はそれをかなり真剣に考えて断ったようだ。親切にもラヴェルはナディア・ブーランジェに教わったらどうかとガーシュインにアドバイスしており、またパーティーの翌日には自らブーランジェ宛にガーシュインを紹介する手紙をラヴェルは書いているのだった。

ガーシュインを語るときによく使われる「1流のガーシュイン、2流のラヴェル云々」という言い回は、音楽評論家のDavid Ewenあたりが最初に広めたしらしい。 "Why do you want to become a second-rate Ravel when you are already a first-rate Gershwin?" がそうだ。

さらに映画『アメリカ交響楽』で"Gershwin, if you study with me, you'll only write second-rate Ravel instead of first-rate Gershwin" となって、定着したのだという。

図書館を使うことについて

佐賀・武雄市図書館に行ってみた(上)「公共」置き去り?、カフェ併設来館者3倍に:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
http://www.kanaloco.jp/article/69527

日本の公共図書館を無料貸本屋付のカフェにする、このような動きは、アメリカの公共図書館とはまた違った方向へ向かっているような気がします。アメリカの場合、いわゆる新書や文庫というものがなく(小さなサイズのペーパーバックはフィクション中心ですね)、ハードカバーが高いという問題はあると思いますが、それにしても「人が来ればよい」ということだけで「公共」は語れないでしょうし、人を呼び集めるときに、どのような施策があるのかについて、一考を迫っているようにも思います。

ちょっと考えてしまうのが、例えばスタバが儲からなくなって撤退したら、この図書館はどうなるのだろうという疑問。スタバが永遠に続くと仮定すると、そのような問いは馬鹿げているのかもしれないけど、スタバも「神」ではありませんので。

それから顧客データと図書館カードの問題がクローズアップされましたけれど、いずれにせよ、図書館に来る客層というのは、詳細なデータはなくとも店員が直接間近で把握できるのですから、当然企業体としておいしい商売と考えられます。図書館には食堂なり喫茶室が付いていることはありますが、それはどちらかというと厚生施設としての役割を担わされているように思います。この場合、スタバのような企業が独占的に引き受けているのは、そのような機能なのか、あるいは違うのか。いろいろ問題はありそうです。

日本の学校で「勉強」というのは、次の学校へ入学するための試験のためにするものであり、学習内容は、その教科書の中から出題されるというものになってはいないでしょうか? 決められた枠組みの知識をどれだけ記憶できるかということで学力を計るということが「勉強」であれば、図書館というのは、その枠内の知識を詰め込むために参考書なりを使って学ぶ場所になり、図書館にいくら本を並べておいても、自習室にしかならないということでしょう(もちろん気晴らしに本を読む可能性はあるとしても)。つまり図書館をいかに使うのか、それがいかに大切なことなのかということは知らずに大学に入り、そこで突如としてレポートを書く必要に迫られてくるのですね。これはやはり、日本の教育の問題でもあると思います。

ところで、以下はアメリカの公共放送の子ども向け番組『アーサー』で放送された、読書と図書館の使用を促すエピソードの一部です。図書館に人を連れてくるということであれば、人気のカフェでやるのではなく、こういうアプローチの方が個人的には好みです。

ARTHUR |  Having Fun Isn't Hard When You've Got a Library Card



2015年4月17日金曜日

『ららら♪クラシック』にビデオ出演します

宣伝です。

NHKのEテレで毎週土曜日に放送されている『ららら♪クラシック』に(ほんのすこしですが…)ビデオ出演いたします。ぜひご覧ください。

ららら♪クラシック グロフェの「大峡谷」
本放送 5月 9日(土)21:30~21:59
再放送 5月14日(木)10:25~10:54
番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/lalala/

担当ディレクター氏曰く「とっても楽しい番組になっております!」だそうです。



2015年4月16日木曜日

『音楽現代』2015年5月号

今日、こちらに届きました。谷口による記事は以下になります。
  • 神奈川県民ホールの《オテロ》 (こちらはグラビアページに掲載)
  • 神奈川フィル 第305回定期(サッシャ・ゲッツェル指揮)
  • 秋山和慶 指揮者50周年記念演奏会
  • 神奈川フィル 第307回定期 (広上淳一の北欧モノ)
ぜひお手にとってくださいませ。

2015年3月20日金曜日

[Music Unlimited] アメリカのクラシック音楽聴き比べ

Music Unlimited (Japan)に寄せるプレイリスト最終回は、「アメリカのクラシック音楽聴き比べ」です。こちらのサービス自体が2015年3月29日をもって終了しますが、それまでは聴くことはできますので、お時間がございましたら、ぜひお立ち寄りくださいませ。

https://music.sonyentertainmentnetwork.com/featuredplaylist/fb37df2cca0a4f2bbe3441f7a1f5aad6?autoPlay=true

2015年2月13日金曜日

『音楽現代』2015年3月号

『音楽現代』2015年3月号、特集「今、この指揮者のブルックナー、マーラーが聴きたい!」に寄稿したほか、評論2本 (そのうちひとつは「アートページ」) が掲載されております。


http://takumishop.jp/shop/item.cgi?itemid=2001


2015年1月26日月曜日

戦後日本のクラシック音楽を聴かせてみたら…

先週の木曜日に、戦後の日本音楽を紹介した時に書かれたコメントをご紹介します。

・海外の影響をそのまま受けているかんじ。それをちゃんと自分たちでも作曲して、ものにしている感じがすごいな、と思いました。急に優秀になった感じ?? 日本の作曲家 (クラシック) のレベルが上がった様に思えました! 素敵!

・芥川也寸志の曲 [交響管弦楽のための音楽] は特撮に使われていそうだなと思いました。
・日本が海外と足並み揃えてるー! って感じました! そのくらい、ショスタコ、プロコフィエフの感じがしました。(芥川さんの曲)。芥川家、芸術的な遺伝子すごすぎる…。
・ワーナー・ブラザーズのアニメーションが思いうかんでしまいました。

・柴田南雄さんのシンフォニア、とても現代的だと思いました。私は好きです。
・無調音楽はすごくおそろしく感じてしまって、もうやめてー!と思ってしまいました。でもただ不協和音がつらなっているだけでなく、ちゃんと「音楽」なので、慣れたら おもしろいのかな と思いました。

・[黛敏郎の]《シンフォニック・ムード》、まるでミッキーがでてきそうな曲だなと思いました。華やかですね。
・吹奏楽のコンクールとかで聴きそうな音楽ですね。
・なんとなく吹奏楽コンクールの課題曲Vのような雰囲気だと思いました。

・三善晃さんのヴァイオリン・ソナタ、すごく甘い響きでザ・フランスという感じですね。Pizzicato のところ、すごく素敵です。
・ラヴェルの曲も感じられるなと思いました。ラヴェルの曲のイメージ (個人的に…)はかないけど芯が強いというイメージなんですよね…。

・立体放送のためのミュージック・コンクレート、自然の音を音楽にしていて、非常に面白かったです。

・ホワイト・ノイズによる《イコン》は、ホラー映画やホラーゲームに出てきそうだなあと感じました。途中からリズムがきこえてきて、これは音楽なんだなと実感しました。
・映画とかで使えそうだなと思いました。
・ディズニーの乗り物で流れてそうな感じですね。センター・オブ・ジ・アースの並ぶ所で流れてそう!! 笑

・《夕鶴》、みためは着物でちょんまげの時代劇のような日本人なのに、声がベルカントなのが新鮮でオペラだなぁと思いました。すばらしい演技でした。ちょっとつうさんが怖かったです。重い愛ですね (笑)。
・オペラやミュージカルは西洋のお話ばかりだと思っていましたが、日本のお話もあるんですね!! 嬉しいです。
・歌詞のつくりがその時代の会話らしくなっていて、言い回しを音にうまくはめるのはどうやっているのだろうと思いました。
・團伊玖磨の名前が、血盟団事件で暗殺された團琢磨の名前に似ているなと思って調べてみたら、團伊玖磨の祖父が團琢磨だということが分かり びっくりしました!

・涅槃交響曲、いいですね。自分のお葬式で流したいですね (笑)
・文化だけでなく、科学技術の向上も音楽そのものに関わってくるのですね。 "音を分析してそれを曲に使う" "電子音楽" などは本当にニューミュージックというかんじですね。涅槃交響曲にはとても驚きました…! 声明と鐘の音が入りまざって、そうごんな雰囲気がありました。
・声明が合唱になったり、邦楽器がロックのようになったり [伊藤隆太:邦楽器のための四重奏曲]、かっこよかったです。

・現代邦楽ものすごく気に入ったので、YouTubeでさがそうと思います。

2015年1月25日日曜日

戦前日本のクラシック音楽を聴かせてみたら…

先週の月曜日に戦前の日本の音楽を取り上げた時の学生の反応です。
・[町田嘉章の]三味線協奏曲第1番、とてもかっこよかったです。

・箕作秋吉さんの曲 [《花に因んだ3つのピアノ曲》から<夜の狂詩曲>] が個人的にすごく好きです! 綺麗なところから不安をあおりそうな曲調になる感じとか魅力的でした。

・伊福部昭の曲、すごく好きです! 日本の曲の感じが濃いというか、吹奏楽に多そうな曲調になると思いました。大河ドラマとかに使われてそう…。民族主義の曲は日本の良さと、西洋の曲の良い所取りだなと思います。
・伊福部昭の曲は、日本的というより、ロマン派後期の音楽とか国民楽派の二番煎じな感じがする。吹奏楽コンクールとかでやりそうな曲です。本当にバルトークみたい…。
・私も特別日本っぽさを感じませんでした。日本よりも、どちらかというと、中国の方が近いかなとも感じました。
・原始主義の曲はいまならまだ受け入れられるけど、昔の、オーケストラがあまり民衆に受け広まってない頃は、すごく難しかったんだろうなと思いました。ストラヴィンスキーの春の祭典の初演が大ブーイングをくらったというのも納得がいきました。
・オスティナートがあることによって、とても西洋の曲のように聞こえました。視聴する曲が全体的に西洋的・近代的になっていて、進化しているのが分かって面白いです。

・[渡辺浦人の《野人》は]古き良き日本、という感じですね。農耕のイメージでした。

2015年1月10日土曜日

現代音楽講義 (24) プレイリスト

昨日の東京芸大の授業「現代音楽講義」でかけた曲のプレイリスト
多様な折衷主義を、それぞれ短い断片にて紹介。

・ジョン・コリリアーノ (b. 1938):《ハーメルンの笛吹き幻想曲》 (1982)
・クリストファー・ラウス (b. 1949):交響曲第2番 (1994)
・ジョセフ・キュリアール (b. 1955):《黄金の門》(1993)より<目覚め>
 →"listener-friendly 20th-century music"
・アーロン・ジェイ・カーニス (b. 1960):ヴァイオリンとオーケストラのための《エアー》(1996)
・コンニ・エルソーア (b. 1957):《ブラックベリー・ウィンター》(1996)
 →マウンテン・ダルシマーと室内オーケストラ
・マイケル・ケイメン (1948-2003):サキソフォン協奏曲(コンチェルト・フォー・サンボーン&オーケストラ) (1990)
・ポール・シェーンフィールド (b. 1947):《カフェ・ミュージック》(1985-87)
・ロバート・キャピロー (b. 1952):《シティーピース:DCモニュメンツ》(2000)
 →ラップ、エレキ、電子キーボード、合唱団、オーケストラ
・メーソン・ベイツ (b. 1977):《マザーシップ》(2011)
 →エレクトロニカ+オーケストラ(+エレキ+中国の箏)
・ジェニファー・ヒグドン (b. 1962):《コンチェルト4−3》
 →ブルーグラス+オーケストラ
・クリストファー・セオファニディス (b. 1967):ヴァイオリン協奏曲 (2008)
・マイケル・ガンドルフィ (b. 1956):《宇宙投機の庭》(2007)から<宇宙のカスケード>

そのほか時間がなくて紹介できなかった作品。
・ウィントン・マルサリス (b. 1961):《オール・ライズ》(1999)
・セオファニディス :交響曲第1番 (2009)、《難民》(2007)
・ケヴィン・プッツ:ヴァイオリン協奏曲 (2006)、《この高貴な仲間》(2003)

2015年1月8日木曜日

[Music Unlimited] ショパン聴き比べ

ソニーさんの音楽ストリーミング・サイト Music Unlimited で定期的に作っているプレイリストです。お暇なときに覗いていただけると幸いです(はあと)。

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最初は《子犬のワルツ》。
アシュケナージ [1] の後は、演奏時間の長いものから短いものへと並べてみました [2-8]。
コチシュ [7] あたりからスピード感がかなり伝わってきます。
そのほかピアノ・デュオ [9]、オーケストラ [10]、フルート [11]、ジャズ [12] でもお楽しみください。
 
《幻想即興曲》は、穏やか路線 [13, 14] と華やか路線 [15, 16] でしょうか? 冒頭のパッセージの弾き方にも注目です。
そしてオケ版 [17]、中間部の旋律を使ったポピュラー・ソング [18] と続きます。
 
《別れの曲》はペライアのオリジナル [19] に続き、タンゴ版 [20]、ロック版 [21](音量に気をつけてください)です。
 
続いて《革命のエチュード》 [22-24]。テンポの揺らし方や技巧の聞かせ方などの違いをどうぞ。
ジャズ版[25]、シンセ・ポップ版 [26]も用意しました。
 
ワルツ第7番はテンポの揺らし方が面白い違いになっていますね [27-29]。
 
最後は《英雄ポロネーズ》。大ピアニスト2人の凄みを比較していただいたら [30-31]、ギター2本による超絶アレンジ [32] をどうぞ。

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2015年1月5日月曜日

最近の授業から


本務校のフェリス女学院大学において私が担当している日本音楽通史で、今日は「浅草オペラ」を短く取り上げました。「浅草オペラを聴く」というページで紹介されている山野楽器さんのCDからいくつか。《闘牛士の唄 (歌劇「カルメン」映画説明)》(藤村悟郎 ‐ 丸山夢路) なんて、時代劇というか、大衆演劇の世界だなあ。そのほか《ドンブラコ(桃太郎)(五) (お伽歌劇「ドンブラコ」)》(北村孝晴 - 帝国劇場オペラオーケストラ) や<乾杯の歌> (歌劇《椿姫》) (藤原義江 ‐ 原信子 - 中央交響楽団)を。最後のは一応原語歌唱なのだけど、原信子の発声はオペラチックじゃなくて独特ですよねえ。

授業前にちらっと聴いていた《コロッケーの唄 (喜歌劇「カフェーの夜」)》も面白いなあ。これはかけなかったのですけれど…。

そのほか、国定教科書と文部省唱歌について。《我は海の子》を7番まで聴きました。やっぱり7番の歌詞はインパクトがあります。