Gordon Mumma "Live-Electronic Music" Zadik TZ7074
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ナイマンの著作によるとムンマのcybersonic devices使用の作品としてはHornpipe (1967) が最も有名なんだそうだ (Nyman, 101)。
例えばこの曲がフィードバックを使用しているということを知らなければ、ホルンや角笛といった太古、原始を思わせる響きと沈黙に思いを馳せながら、想像力を働かせて聴く行為になるのだろう。一方、一度コンソールの中に入り音楽が変化させられると、リード楽器のような音になる。ゾーンのClassical Strategiesを思い出す。明らかにヒスノイズが聞こえてくる箇所はテープなのか?
「演奏場所の中でのホルンの音の反響をモニターし、自らその反響を補足するように調整する。この調整作業の間、ある回路が不均衡になり、自分の均衡を保とうとする。そして、その過程で、さまざまな組み合わせが生じ、それが純粋に電子的な反応を引き起こす。」(ナイマン、195-196)
《Mesa メザ》 (1966)デヴィッド・テュードア(バンドネオン)、ゴードン・ムンマ(サイバーソニックス)Track 2
冒頭からバンドネオンの音など全く思い起こすことのない、歪んだ電子音的な響き。《ホーンパイプ》と違うのは、長い音が引き伸ばされること。サイバーソニックスに、どれだけ「結果としての音」をコントロールする能力があるのか、という疑問を持った。ナイマンの『実験音楽』によるると、単なる増幅装置ではなく、gate-controlled circuit とコンサート・ホールの音響によって左右される (Nyman, 102) というし。ムンマのシステムを知る必要が出てくるだろう。 (2004.9.16執筆)
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