アイアン・ジャイアント(1999)
ロボットものアニメはお家芸と考えていた日本のアニメーターたちに衝撃を与えたアメリカのロボット映画と聞く。もちろんクライマックスは日本の初期アニメの時代から知られたおなじみのもの。音楽はマイケル・ケーメンである。地道にアンダースコアの王道を行っているように思う。なにしろ最初に通して観た時は、まったく音楽に注意を払わなかったから。ディズニーと違うのはその辺りだろう。そしてこれは一つの有効なやり方だと思う。
手塚治虫 実験アニメーション作品集
風刺漫画の色合いも見られるような作品が多い。なるほど、こういうものを作っていたのか。個人的にはやはり『ジャンピング』と『おんぼろフィルム』が一番好きだ。後者は音楽のスタイルがサイレント時代を彷佛とさせるもの…と思われるが、正確なことはもう少し勉強の必要があるかもしれない。冨田勲編曲による『展覧会の絵』は、その作られた時代、扱う主題を感じさせる興味深いものだった。まだ観ていない作品も多くある。
リトルフット(オリジナル・サウンドトラック) 米MCA Records MCAD-6266
スティーヴン・スピルバーグとドン・ブルースによる子ども向け恐竜アニメ映画のサウンドトラック。音楽はジェームズ・ホーナー。映画そのものはナレーターとエピソーディックな会話で進むストレートな叙事詩的なもので、そのスローな展開がやや辛かったことは認めねばならない。ただアニメーションの画的な魅力はあると思う。スピルバーグがスリリングな場面を随分カットしたそうで、確かにソフトな感じがする。しかし子ども向けアニメとしては比較的成功し、それなりの収益も上がったのだとか。この辺のアニメをディズニーと混同すると「ディズニーは子どもっぽいだけのアニメ」という誤解を生むのだろうか???
サントラCDを映像から離して聴いて驚いたのは、その音楽の面白さ。「こんなにゴージャスな音楽が流れていたのか?」と思うくらい。しかし映画そのものが観られないと音楽も聴かれなくなってしまうのがサントラの運命なのかもしれない。
ダイアナ・ロスのエンディング曲も、安易な「ヒット狙い」のポップ・バージョンではなく、スコアのテーマを上手く散りばめたもので、好感を持った。
05.3.21. 追記
『リトルフット』の音楽を書いたジェームズ・ホーナーは、他人の作品をうまく仕立てて映画音楽にするということらしく、かなり争論絶えない人のようだ。『バルト』はそうでもないようだが『リトルフット』の場合は、確かにプロコフィエフを引用したような箇所がある(コープランドとプロコフィエフはよく使われる作曲家のようだ)。
ところで『バルト』のそりが崖に落ちそうになる場面の音楽が『ムーラン』と馬とシャン隊長が崖から落ちそうになって助けられるシーンの音楽に似ていることは否めない。『バルト』のつららの落下場面と『ムーラン』雪崩も速めの6/8拍子が共通(つららの落ちる場面の音楽は良い緊張感が出ている。サントラに収録されていないのが残念)。いや「真似している」というのではなく、同じような場面(あ、後発の『ムーラン』におけるこれらの場面はディズニーの仕業か!)には良く似たような音楽がつくものだと実感…。
0 件のコメント:
コメントを投稿