2026年9月17日木曜日

ブーレーズとクレーが描く“透かし彫り”のような軌跡 〜作品:全体 / スケッチ〜 (日本アルバン・ベルク協会)

2026年9月13日(日)18時30分(開場:18時15分)、両国門天ホール
講師:瀬川裕美子 (ピアニスト)

とても刺激的で面白い講演+デモンストレーション演奏でした。ポール・クレーについては大学学部時代、生協で『クレーの絵と音楽』いう本を買いながら積読状態になっていて、あまりちゃんと勉強していなかったり、一方で、ブーレーズの音楽についても石丸電気で自作自演の2枚組LPを買って以来折りに触れて音に触れてはいたもののあまり熱心には聴いていないですし、ましてや彼の音楽技法については、フロリダ州立大学時代に授業で表面的に触れたくらいです。なので今回の公演内容については全くの素人です。なので「すごいなあ」と素朴に感動しつつ、内容についての理解は…ほとんどできてないと思います(苦笑)。

ただピアニストというところから実際にブーレーズ作品を網羅的に演奏されてきたからこそ分かる、一つ一つの音符レベルの話が先行研究の深い読みにつながってくるということは実感できましたし、一方で、マクロ的な視点については、学者や音楽家が学ぶ「一般的」な音楽史の視点からは導き出しにくいというところもあるんだろうなあと思われます(良い意味で)。実際会場にいらっしゃった作曲家の方が、パウル・クレーの作風がブーレーズの音楽とはかなり違うと言われたのは、なるほどそうかと思いつつも、しかし演奏してみての実感として、瀬川さん的には「装飾」という観点から、探求へのインスピレーションを感じ、実際にその探求を行動に移されていること、その熱意には大いに感動させられました。

いわゆる前衛音楽を演奏する人が極めて学級的であるということは当たり前のことなのかもしれませんが、それにしても、国立音楽大学で素晴らしい成績で卒業された方の講演内容、とても素晴らしかったですし、考えている内容をその場で演奏できるのは、やっぱり大きなアドバンテージであると思います。またその演奏してみて感じた内容を即座に判断し、クレーやブーレーズと即座に結びつけて考えることは、私の能力では全くできないと思います。

耳から得られる白熱した音の塊、あるいは流れる響きと言うのは、他の何にも変えがたい貴重な経験だったと思います。とりあえずプレーズ作品を聴いてみなければ、という素朴な気持ちが芽生えてきたところです。

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