New Music Ensemble II. New Music Ensemble. NME Records 22764.
ニュー・ミュージック・アンサンブルは楽譜を使わないで行う即興演奏のグループとして最初のものだったかと思います。集団即興グループ自体は、これ以前にも、例えばルーカス・フォスがやっていたと思いますが、演奏者を楽譜から解放するという意図で考えられた即興方法は、演奏者に一定程度の選択肢を与えてはいるものの、五線譜からの発想であることは変わりなく、また、大まかな指示はあっても、聞こえてくるものは割と「確定」された感覚があります。このグループは、ずっと臨場感があります。
もともとは1963年にラリー・オースティンのもとでスタートしたグループでしたが、これは、後述するように、彼がローマに行っていて参加していない2枚目のアルバムですね。個人的にはオースティンが参加している1枚目よりも即興が濃厚になっているように思います。ただ、それぞれの即興の時間は短いです。また1枚目には1枚目の魅力があるとは思います(あちらはステレオ録音ですし)。
オースティンはサバティカル(研究のための長期休職)の年、1964年から65年にかけてローマを訪れ、そこでニュー・ミュージック・アンサンブルのテープやレコードを聴かせたといいます。特にフランコ・エヴァンジェリスティが興味を持ち、それがグルッポ・ディ・インプロッヴィザツィオーネ・ヌオーヴァ・コンソナンツァの結成につながったとされていますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿