2025年9月27日土曜日
2025年9月22日月曜日
ラルフ・ハンター合唱団:ワイルド・ワイルド・ウエスト
2025年9月21日日曜日
ハリス:交響曲第3番 (オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団)
オーマンディのハリスはモスクワのライブがありますが、モノラル録音です。それに対して、このRCA盤はステレオです。このレコードが発売された1976年の時点では、すでにアイヴズの方が知名度が高かったということになるのかもしれませんが、それでもオーマンディとフィラデルフィア管がハリスの交響曲第3番をカップリングとして取り上げているあたり、ハリスという作曲家も、まだそれなりに認知されていたということかもしれません。
2025年9月19日金曜日
ガンサー・シュラーとの対話
2025年9月17日水曜日
神奈川フィルハーモニー管弦楽団、第407回みなとみらいシリーズ定期演奏会
村上公太(テノール)、神奈川ハーモニック・クワイア(男声合唱)(リスト)
リスト/ファウスト交響曲 S.108
榊原徹音楽主幹と神奈川ハーモニック・クワイアのクワイアマスター岸本大氏によるトーク
・リスト/ワイマール賛歌S.313(神奈川ハーモニック・クワイア メンバーによる)
13:35からのプレイベントでは、音楽主幹の榊原さんから、満を持しての《ファウスト交響曲》であるということ、そして最後の5分間で独唱テノールと男性合唱の聴きどころがあるということ、リストがワイマールの宮廷楽長だったこと、ワイマールが《第九》のシラーが住んだ場所でドイツの文学・芸術の町であること、《ファウスト交響曲》と《ワイマール賛歌》についての解説があった。神奈川ハーモニッククワイアの岸本さんからは、メンバーがオペラを中心に活躍している人たちであることが話された。そして常日頃から音楽づくりにドラマを感じていると言うこと、メンバー一人ひとりの自発的な音楽づくりが全体につながっていることなどが話から伝わってきた。《ワイマール賛歌》も聴けて、得した感じ。
本編演奏の方だが…アルチュニアンの作品は、冒頭から懐かしい…というのかな…アルメニアと聞いてなるほど、と思わせる旋律線が登場した。第2楽章では、2種類のトランペット・ミュートが使用されていた。第3楽章の終盤には、圧倒的なカデンツァがあり、盛り上がったところで、シンバルの一撃があった。
トランペットの独奏を担当したバタランは、スター性でアピールと言うよりは、作品そのものへの没入感、あるいはオケとの一体感で聞かせるタイプの人だろうか。実はすごい技巧の持ち主なのに、あまりにも難しい箇所もさくっと吹けて、どこが難しいのかがわからなくなる…という私の大好きな方向かと思った。
アンコール曲(サンドバル:《ミスター・バタラン》)はとてもムーディーなポピュラー曲のアレンジだろうか。フリューゲル・ホーン→クライマックスでトランペット→フリューゲルという持ち替えも行っていた。最後の余韻はもう少し聞きたかったかも。最後の弱音のロングトーンはすごいのだし。
リストの《ファウスト交響曲》といえば、後述するように普段はバーンスタインの録音を聴いているのだが、今回のシュルトのアプローチはそれとはもちろん違っていて、バーンスタインの「暑さ」というよりは、シャープで鋭い感覚が特徴的だったように思う。そしてドラマチックな側面が際立っていて、語り口もとてもうまい。
また、個人的には第二楽章にとても強い興味を抱いた。リストは本当に素晴らしいオーケストレーターだと思うのだけれども、単に大鳴りにするのではなく、いかに自分の目指してる音を効率よく生み出せるかと言うことについての知識がとても豊富だということがわかった。これは彼が宮廷楽団の監督となっていたと言うところも大きいのだろう。やっぱり良いオーケストレーターだなぁと思う。もちろんオルガンの響きやテノール独唱、そして男性合唱なども興味深い。
歌われるファウストの一節は、マーラーの《千人の交響曲》の第2部の終結部にも使わているというのが、改めて面白い。そしてこの女性性なるものと相反するような男性合唱の組み合わせというのも興味深い。最後だけにオルガンと合唱を用いるという仕掛けも贅沢な感じがして、そしてそれが必要であるということも改めてわかった。合唱の響きになかなかじんわりする味わいがあり、やっぱり《ファイスト交響曲》が素晴らしい作品ということが実感でき、生で聴けて本当に良かったと思った。
神奈川フィルを聞いたのは本当に久しぶりだった。そして今回はやはりリストの《ファウスト交響曲》を聴きたくて足を運んだ。《ファウスト交響曲》に関しては、アメリカ留学時代にLawrence KramerのMusic As Cultural Practice, 1800-1900という本の中でフェミニズム理論で《ファウスト交響曲》を読み解く文章があって、あまりその内容は覚えていないのだが、それ以外、何となく曲目だけには親しんでいる、という感じだろうか。Kramer本を読みながら図書館にあったショルティのCDを聞いたのだが、当時はあまり興味が持てなかった。ただ日本に帰ってきて、やはりこれは評論家が推しているバーンスタインだろうと思って、バーンスタインが録音したコロンビア時代の録音の、ニューヨーク・フィルハーモニーだと思ったけれども、CDがあって、改めて聴いて、そちらでは、とても面白いと思った。そして今回の指揮者で、生の演奏を聴いてみたらどうなんだろうなというところだった。
2025年9月16日火曜日
オルガンとその仲間たち【フェリスホール・オルガンコンサート】(2025/9/15)
2025年9月15日(月・祝)14時00分開演(13時30分開場)
フェリスホール
アコーディオン・笙/早川幸子
パイプオルガン/三浦はつみ
今年のフェリスホール・オルガンコンサートは、これまではちょっと違う方向性を示していた。すなわちオルガンを出発点としつつも、オルガンと構造的に共通点がある楽器を一同に介して楽しむ企画といえるだろうか。例えば空気を送りこむ点と鍵盤がトリガーになっている点はオルガンと似ているけれども音を出す機構に違いがあるリードオルガン、そしてそこからさらに発展させて、アコーディオンや笙も舞台に乗せるというもの。作品も様々で、北ドイツオルガン楽派のブルーンスからシャンソン、東日本大震災の復興ソング、雅楽、讃美歌、そして最後にバッハのオルガン作品など、既存の「クラシック」に囚われない楽しい内容だった。
宇内先生によるブルーンス作品の後、三浦先生が「かっこうオルガン」という2つの音のみが出せる、ふいごと鍵盤のみに特化したモデルみたいなものを使って、オルガンの音がでる原理を分かりやすく解説されていた(演奏会室の長澤さんが小さなカメラを使って楽器にズームアップし、その映像をステージ奥のスクリーンに投影するというグッドアイディア!)。一応文献の上で、文字の上では楽器のことはわかっていても、実際に簡素ながらも音の出る仕組みがとても分かりやすかった。
リードオルガンの場合も、実際に使われているリードそのものを宇内先生が提示され、金属リードがとても小さいということもわかったし、実はリードオルガンの場合は、息を吸ったときに音が出ると言うことも初めて分かった。アコーディオンの場合の左手の様々なボタンと言うものを、どうやって手探りの状態で探すのかということであったが、ボタンのいくつかは見えなくても印がついているものがあったり、少々凹んでいたり(?)というのが面白かった。とはいえ左手は結構難しそうで、曲の途中に転調がある曲などは正しい調にさっと移動するのが難しそうだなと思った。
笙とオルガンの合奏は特に面白く、曲も《アメイジング・グレイス》であり、これはバグパイプでも演奏する曲だと思うのだけれども、三浦先生がオルガンの、バグパイプっぽくなるストップを使われていて、それがとても面白かったのと、笙とオルガンとの両者の音量についても絶妙なバランスだった。また笙が醸し出す和音と西洋由来のオルガンが生み出す和声のあり方が微妙に違っていのが、かえって興味深く、不思議な合奏に見えたのが、とても印象的だった。
コンサートは終始和やかな雰囲気で、多くのお客さんが来られていた。個人的には私の後ろの列の方が演奏中にお話を始めていたのが、やや残念。楽しいコンサートであるのでリラックスされているのだろうが、やはり話し声は演奏を楽しみたい人には気になるだろう。視線をこの方たちに向けている人もいらっしゃった。
なお、昨年度に引き続き、今年のオルガンコンサートも、私がプログラム・ノートを執筆した。昨年の「オルガンコンサート」はリストのオルガン作品を核としてピアノ曲も含めた重厚な内容でとても勉強になった。演奏をされた三浦先生や宇内先生からそのプログラム・ノートの内容を評価いただき恐縮至極であるが、本年度も書かせていただくことになった。しかも今回は企画内容を尊重し、演奏曲目そのものよりも楽器に重点を内容をご希望いただいた。そのおかげで、リード・オルガンやアコーディオン、笙の楽器構造や歴史について、おおいに勉強になった。また早川先生には執筆のための参考資料もご提供いただき、感謝申し上げたい。
ニュー・ミュージック・アンサンブル『ニュー・ミュージック・アンサンブルII』(自主制作アルバム)
2025年9月15日月曜日
ペンデレツキ作品集(広島の犠牲者に捧げる哀歌、蛍光、コスモゴニア、デ・ナトゥラ・ソノリス第2番)
Penderecki: Threnos to the Victims of Hiroshima, Fluorescenses, Kosmogonia, De Natura Sonoris II. Philips (Sequenza Special) 412 030-1 (レコード)
ステファニア・ヴォイトヴィチ (ソプラノ)、カジミェシュ・プステラーク (テノール)、ベルナルド・ワディシュ (バス)、ヴィトルド・ロヴィツキ (《哀歌》のみ) マルコフスキ指揮ワルシャワ・フィルハーモニー交響楽団ならびに合唱団