・映画『壮烈第七騎兵隊』(1942)
They Died with Their Boots Onが原題。Leonard Maltinによると、第2次世界大戦の色が濃く出た映画らしい。題材こそ南北戦争とはいえ、確かにこれは戦争美化映画と言われても、しかたないでしょうねえ。
というのは、映画を観終わってから分かったこと。もともとは、アセテート盤から作られたマックス・スタイナーのサントラ・コンピレーション (ブートレグ) に収録されたスコアを聴いて興味を持ったため、映画本体を観た次第。
肝心の映画の話だが、冒頭部分で気が抜けるようなエピソードが続いて「なんだこの、つまんなさそうな映画は?」と思った。しかしそれが主人公カスターの成長へとつながっていくための布石と分かり、後半の展開が生きてくる。先住民族の扱いについては、この時代でも、意外にセンジティブ。
マックス・スタイナーがこんなジャンルの映画に音楽を書いていたのは意外な気もするのだけれど、南北戦争歌を、うまく織り込んでいる (と書いているうちから訂正したいのだが、テーマ音楽に使われているのは、第7騎兵隊の歌ということのようだ。Garry Owenというタイトルで、映画でもこれが歌われている場面がある) 。ちなみに映画音楽ファンが作ったブートレグには、スタイナーの西部劇映画コレクションというものがあり、恋愛もののメロメロなスコアだけで考えるとスタイナーの全体像が見えなくなるのかもしれない。とはいえ、この映画においてもキス・シーンではスタイナーらしい黄金時代のゴージャスなメロディーが流れる。そう、やるんだったら、ちゃんとやった方がいい。
・映画『懐かしのアリゾナ』(1929)
アメリカ版DVD。トーキー初のウェスタンということで、資料として観た。うーん、どうもかったるい映画だねえ。アクションはないんだけど、拳銃の音はある。インディアンは登場しない。従って、「インディアン音楽」はなし。ずいぶんおしゃべりの多い映画だ。あ、だから「トーキー」なのかな???
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