フレッド・ラーダール:弦楽四重奏曲第2番 (1982) プロ・アルテ弦楽四重奏団 Fred Lerdahl, Second String Quartet (1982). Pro Arte Quartet. Laurel Record LR-128
とある方から譲り受けたアメリカの弦楽四重奏団のレコード・コレクションを少しずつ聴いています。今回はこのローレル・レコードの1枚です。
作曲者のフレッド・ラーダール (レルダールという発音もあるようですが、どうなんでしょうね?) は1943年ウィスコンシン州マディソン生まれ。ローレンス大学、プリンストン大学、タングルウッドに学びました。プリンストンではアール・キムやミルトン・バビットに指示しています。フルブライト奨学生としてフライブルグ音楽大学に指示し、ウォルフガング・フォルトナーに師事しています。
作曲の教師としてはカリフォルニア大学バークレー校(1969-71年)、ハーバード大学(1971-9年)、コロンビア大学(1979-85年)、ミシガン大学(1985-91年)で教鞭をとり、1991年にはコロンビア大学のフリッツ・ライナー作曲科教授に任命されました。
弦楽四重奏曲第2番 (1980-82) は全米芸術基金の援助を受けてプロ・アルテ・カルテットが委嘱した作品です。この作品の最初のバージョンは、1981年にウィスコンシン州マディソンでプロ・アルテ弦楽四重奏団によって演奏されています。その後改訂版は1983年11月、ニューヨークで開催された国際現代音楽協会(ISCM)のコンサートでやはりプロ・アルテによって初演されています。このLaurel Recordの録音は初演者によるものです。
作曲者が書き記した楽曲解説を転載します (自動翻訳ツールを使用しています)。
作風は基本的に無調ですが、ラーダール自身が述べているように情熱的で、はち切れるリリシズムを秘めています。何度か聴いて耳になじませていくと、面白く聞けるようになるのではないかと思います。残念ながらそれほど私は繰り返し聴いていないので、彼のいう変奏曲の感覚まではつかめていません。弦楽四重奏曲第2番は2つの部分に分かれる長い楽章で、第2部は第1部の拡大版である。各部分は順に(1)静かで憧憬に満ちた序奏部、(2)非常に多声的で複雑かつほとんど暴力的な表現の平行展開部 (parallel developmental sections)、(3)蓄積されたエネルギーを徐々に発散させる波のような旋風のパッセージ、(4)脈打つが控えめなスケルツァンドに続く、より緩やかで叙情的な部分、(5)コラール・コーダに分かれる。最後のコラールは、作品の根底にある和声構造を回顧的に明らかにすると同時に、それに先立つ激動の幻想曲に対する訝しげな安らぎを与えている。
別の見方をすれば、第2弦楽四重奏曲は、ジュリアード弦楽四重奏団から委嘱された第1弦楽四重奏曲 (1978) の続編である。あの作品は、幾何学的に広がる15の変奏曲という形式をとっており、第2四重奏曲はさらに2つの変奏曲で構成されている。第1四重奏曲は内向的で、探求的で、予期せぬ変化や沈黙がある。第2番は外向的で情熱的、発展的、エネルギーと広がりに満ちている。
私の弦楽四重奏曲第2番を演奏するのは簡単なことではない。プロ・アルテは、正確さと作曲家の意図の実現に異常に熱心だということで、作曲家の間で長い間、内輪の評判になっていた。しかし、このクァルテットが私の作品をこれほど見事に演奏してくれるとは、最初から夢にも思っていなかった。私が参加した最初のリハーサルでは、この演奏家たちは作品を止めずに弾き通した(作曲家はこのようなことに慣れていない)。そのため、その後のリハーサルは、バランス、テンポ、ニュアンスの改良に専念することができた。プロ・アルテとの共同作業は、まったく違った意味で、この作品を最初に作曲したのと同じくらい満足のいくものだった。
録音ですが、人工的なエコーがかかったような音で、第2部の途中、違う音バランスのテイクが編集で挿入されていて、とても不思議な感じです。
初演者によるレコードの演奏とは違いますが、YouTubeに同曲の映像がありました。Daedalus Quartetの映像ばかり3つも出てくるのはすごいですね。