ヤナーチェク:ラシュスコ舞曲
バルトーク:《中国の不思議な役人》組曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽《ペトルーシュカ》(1947年改訂版)
とあるご縁で、ベルリン・フィルの公演に接する機会を得たので、聴きにいってきました。私の他にもフェリスの教職員や学生の姿も見えました。サントリー・ホールはロマン派・プロだったようですが、個人的には、この20世紀プロの方に魅力を感じた次第です。
ヤナーチェクは、軽妙な舞曲はより軽妙に、という感覚でしょうか。オルガンが入りますが、重厚な路線ではなく、楽しみを付加する方向性。組曲路線で、ややつかみどころに困るところで、この曲は予習しておけばよかったです。演奏会用舞曲で実用的な作品ではないというところもあり、柔軟なテンポの変化を随所に交えつつ、踊りの楽しみが終始溢れていました。
バルトークはこれまた解像度の高い演奏でした。随所に現われる独奏フレーズは、各自妙技を生かしつつ、彼らのオーケストラの中での役割・文脈も明確でした。意外にも、というと変かもしれませんが、「引き算」なアンサンブルではなかったでしょうか。精緻であるからこそ、効率よく鳴り響く感覚といいますか。それでも混沌とした終曲には興奮させられました。
《ペトルーシュカ》は、冒頭の、音符通りのズレの感覚からとても効率よくとてもきれいでした。ミスがなかったとはいえませんが、各奏者の安定した技術はさすがにベルリン・フィルといったところでしょうか。この曲はロシア・オケでないといけない演目ではむしろなく、細やかなアンサンブルと全体による動きとが素早く移り変わる作品なので、このオーケストラの特色が生きてくるのでしょう。エコノミカルなスコアリングなので振り付けがないと分かりにくいというところもあるかもしれないのですが、やはりファンタジーが楽しいモダンな組曲であるということを充分堪能できたように思いました。
演奏会後、指揮者ペトレンコに対する長いカーテンコールが続き、すでに普段着に着替えてしまった彼が最終的に登場し、ホールに残っていた聴衆たちを喜ばせていました。
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