交響曲第8番・第10番 グレン・ブランカ・アンサンブル The Kitchenでのライブ収録 米Atavistic DR-4378 (Region 0)
ギターというのはコードを奏でるのが得意だというのが筆者の先入観である。また長い音には不向きなのだとも。もちろんマンドリンのようにトレモロをやれば、それなりに音が持続したかのように聴かせることができるが、ギター本来の(イディオマティックな)奏法からすると、随分無駄なように思えてしまう。このDVDを観ても、一つの弦を際限なくトレモロしている場面がよく映る。
エレキであることの面白さの一つは、やはり大きな音なのだろう。音が混ざり合う感じが、大正琴やバラライカとは違う。また いくらでも音量を大きくして生のドラムスと張り合えるから、こういう共演は楽だ。
必然的に発生する音の洪水は、それを聴きながら弦をつまびくミュージシャンたちの心の動きにもなっているのだろうか。ブランカの指揮(ビートはドラムスが刻んでくれるので、振り付けと言った方が正確だろうか)も、それをサポートしているのだろう。
ブランカは交響曲を何曲も書いているそうだ。私が以前聴いた数曲からの印象は、彼の音楽は順次進行による一本の線が幾度となく行ったり来たりするというものだ。この作品も、ビートこそ速めでも、エレキギターが奏でる音はゆっくりと進む。「進行」というほどのものでないのかもしれない。おそらくドラムスが刻んでくれるから、おそらくこのエキサイティング感が保てるのだろう。そういう点ではウマく作ってあるのかもしれない。
彼の音楽を「ファシストの音楽」と言った作曲家がいるそうだ。でもそれは買いかぶりではないだろうか。昨日聴いたロバート・アシュレーの《狼男》の方がはるかに強烈な印象を残した。
ビルスマBox到着。ノリントンのワーグナー(To-EMI)を楽しむ。前者はHMVのポイントを使って1400円くらい。後者は税込1300円。1300円というと、昔はセラフィムのちゃっちいジャケットのLPしか買えなかったのに。今は1000円なんてのもある!
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