間 章 著、柏書房、1992
私はロックの門外漢であるが、評論として非常に興味深く読み始めている。著者の論ずる対象のせいでもあるのだろう、現代音楽に言及した箇所も少なくなく、シュトックハウゼン、ライリー、ライヒ、ケージの名前が出てくるとは思わなかった。『この旅に終わりはない』の方はインタビューが多かったためか、間氏の発想を直接感ずるのはこのロック評論の本である。文章も相対的に読みやすいかもしれない。
その他では、水曜社発行の『小出郷文化会館物語』(小林真理、小出郷の記録編集委員会/編著、2002年発行)は記録としても大変興味深く、いわゆる市民中心の音楽振興とは何なのかを考えるには好著と言えるだろう。行政と市民の関係、実際のプロジェクトの推移、それぞれにおける問題点とその解決など、学ぶべきことは多い。『新ひたち風土期 音楽市民 まちを作る』(佐藤克明著、日立市科学文化情報財団、芸団協出版部、1993年)は、パイオニア的なものを感ずる記録。文体については好みが別れるだろうが、市民参加型音楽祭へとつながって行く過程が記されているようだ。また、 著者の日立市における活動の精神的基盤となった日本フィルの問題については、雑誌記事タイトルや室内楽演奏会についてしか知らなかったので、興味を持った。
その他、CDでは、今さらながら、ジョン・ゾーンの『Naked City』、スラトキン/BBC響のバーンスタイン/交響曲1~3番、ガーシュイン、バーリンのピアノ作品/歌曲集(モリス、ボルコム)などを入手。
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