ジェラルド・ムーア著 、 萩原知子、 本澤尚道 共訳『お耳ざわりですか ―ある伴奏者の回想―』音楽之友社、1982年。
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今度発行される『レコード芸術』にアイブスの歌曲集を取り上げたため、久しぶりにこの本を読んでみた。
伴奏者といってもT. Cone ではないけれど "Composer's Voice" を持つことがある。アイヴズ歌曲の場合、伴奏のみの部分に (例えばAnn StreetやWalkingのように) 音楽上のできごとが具体的に書かれている場合もある。
名ピアニストとして知られたピアニストが必ずしも良き伴奏者ではないと言う彼の発言は、なんとなくわかるような気がする。パートナーと進める音楽は、一人で孤独に楽譜と立ち向かうソロ・ピアニストとは求められるものが、おのずから違ってくるからだ。
もっともピアニストの中には室内楽や連弾、はたまた協奏曲を好んで行うものはいるのであり、ピアニストを十把一絡げに論ずることができないのも事実だろう。
ただ声楽の場合、人間の呼吸のことをよくわかっていないと一緒に音楽を進めにくいというのがある。おそらく呼吸の微妙なコントロールと言うのは、管楽器のそれよりも、ずっと音楽表現に直接結びついてくるのではないだろうか。
声音やニュアンスは、テキストの言語の種類によっても変わってくるだろう。(2005年10月7日執筆、2026/10/10編集)
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