2023年8月25日金曜日

サントリーホール サマーフェスティバル2023 テーマ作曲家 オルガ・ノイヴィルト 

サントリーホール サマーフェスティバル2023
テーマ作曲家 オルガ・ノイヴィルト 
サントリーホール国際作曲委嘱シリーズNo.45(監修:細川俊夫)
オーケストラ・ポートレート(委嘱新作初演演奏会)
2023年8月24日(木) 開演 19:00 (開場 18:20)
サントリーホール 大ホール

備忘録:

ヤコブ・ミュールラッド:《REMS》--「ホーリー・ミニマリズム」という感じはあまりしなかったけど、軋む・擦れる感じのする作品かな。「ポストミニマル」と考えれば、なるほどドラマ的要素はあるけれど、ジョン・アダムズ以降急速にしぼんでしまったアメリカの前衛とは違う、ヨーロッパの流れに感心したり。

オルガ・ノイヴイルト:《オルランド・ワールド》--オペラ映像は見逃してしまっているので、オペラとの比較はご容赦。僕の席は1階中央列、やや下手寄りだったけど、歌手の声があまり聴こえず。ただ "I need company" というラインは聴こえたので、歌詞のページを開いて聴いたら、その後は何となく追えた。うん、歌詞があった方が「カコフォニック」な音楽の内容は、わりとすんなり飲み込める印象。フェリスにいるためか、昨年度の卒論にクララ・シューマンを扱った学生がいたためか、いろいろ考えさせられる内容ではあった。途中ポピュラー音楽っぽい引用があったのかな、というのは分かった。休憩時間に解説を読んで、なるほど〜という感じ。

ノイヴイルト:《旅/針のない時計》--このコチコチ音はどこから? という感じが面白かった。ちょっと舞台の後方の詳細は分からず。いろんな意味で多層的な作品かなあと。ちょっとアイヴズっぽいところがあったようにも思えたけど、やっぱりヨーロッパであり、ユダヤでありということになると、アイヴズとは技法的に似て?ても出てくる音は全くちがうね。ルーマニアのどこか? なのかしらと思ったけど、ユダヤだから、きっとクレズマーなんだろな、と思いつつ聴いていた。情報量が多い音楽ともいえるのかも。Pluralismといっても、いろんな形がありそう。

スクリャービン:交響曲第4番《法悦の詩》--3曲目を終わって手元の腕時計みて「えっ、これからスクリャービンやるの? マジ?」という感じだったが、これまでグチャッとした音響の音楽に触れてきたからか、テクスチャーの明晰さに驚く。前3曲がなかったら、スクリャービンはもっと濃厚に聴こえたのではないかな、と思ってみたり。なぜか頭の中が「現代音楽のコンサート」から「定期公演モード」になったのも面白かった。いや、これも聴き応えありましたよ。

オーケストラのみなさん、大変なコンサート、ありがとうございました。

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