6月2日、田尻酒店で行われた演奏会が無事終了。今日の『北日本新聞』の「天地人」にも紹介されている。
約150人の聴衆で埋め尽くされた会場では、場所によって多少響きが違うけれども、「室内楽」という趣旨にぴったりの、非常に間近な音体験がなされたと思う。そしてこのシリーズは聴衆・演奏家・裏方の三者がそれぞれ支え合う、充実の企画ではないだろうか(自分も企画に携わっているから、客観的に言えることではないけれど)。今回このことを改めて実感することになった。
ベートーヴェン、とりわけ弦楽四重奏が難しいと考えられてきたのにはどういう要因があるのだろう。おそらく音楽そのものに接した方々は、それほど「難解」とは思ってないのではないかと思う時がある。確かに楽譜を見て形式を言い当てることは難しい。どうしてこんな作品がかけるのか分からないと感じることも多い。
しかし一方で、響きそのものはベートーヴェンの時代のクラシックだし聞き慣れないということはないように思う。私の母親も来ていたが「ベートーヴェンの難しさ」には気付いていないようだった。形式的には混乱しているけれど、響きそのものに拒絶感を感ずる事は少ないのではないか? 不協和音を継続的に聞く20世紀音楽の無調作品とは違うのではないか? 前回の《大フーガ》に感銘したという趣旨の感想もプログラム冊子に寄せられていたではないか。
やはり実際に聴いてみるということが大切なのだろうと思う(もちろん、それは20世紀音楽についても同様である)。
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