ワーナー・ホームビデオ DL-24000
ドン・ブルース監督による1994年の長編アニメを観る。
『サンベリーナ』の音楽、特に歌(バリー・マニロウ作曲)の占める割合は、おそらくディズニーのどの作品よりも多いだろう。映画は冒頭と最後の恋愛ストーリーの間に様々な登場人物とエピソードを挿入したような形になっているようで、その多彩さから、様々なスタイルの音楽が混在している。
本国アメリカにおける映画の評判は、かなり分かれているようだ。批判的な意見だと、登場人物が物語中にどう成長していくかが分かりにくいということや、ブルース監督がサンベリーナに託しているはずの「自分で決断する女性像」というのがうまくいっておらず、アンデルセンの伝統的女性観をくつがえすに至っていないということ、あるいはスタイルが70年代のディズニーであり、90年代のディズニーはもっと先を行っているというものだった。「子供向けには面白い作品だろうが、一緒に行く大人は退屈するかもしれない」という評も少なくなかった(もちろん「ディズニーより面白い」という人もいる)。
また、この映画は日本語で観た方が面白いように思う。歌の部分など、明らかに口の形が違っているが、サンベリーナは、ずっと古典的なヒロインになっているし(それはブルース監督の思惑とは逆なのかもしれないが)、脇役のセンスもいい。またヒスパニックやフレンチ・アクセントといった、オリジナルではやや耳障りな要素(民族的ステレオタイプの使用)が薄れているように思われた。
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