2015年7月20日月曜日

音楽ジャーナリズム 聴き比べの授業 まとめ

フェリス女学院大学で谷口が担当させていただいている授業に「音楽ジャーナリズム」というのがあります。この授業では、さまざまなシチュエーションに応じた文章を書いてもらい、これを私が体当たりで添削しています。そのほかに、名物企画(?)として、「音楽聴き比べ」というのを行っています。第1回は「クラシック名曲の聴き比べ」、第2回はさらに、ポピュラー音楽の聴き比べを行いました。
さて、この日は祝日授業ということで、6人の高校生が授業見学にいらっしゃいました。内容は、先週行った「クラシック&ポピュラー音楽聴き比べ」です。
今回のブログのエントリーでは、聴き比べした音源とその集計を公表したいと思います。

[聴き比べ1] ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第11番ヘ短調作品95《セリオーソ》、第1楽章
[A] エマーソン弦楽四重奏団 Deutsche Grammophon KCB41/KCB44
[B] バリリ弦楽四重奏団 Westminster WVCW-19059
クラスの得票数→ [A] 23 [B] 17

[聴き比べ2] クライスラー:《愛の喜び》
[A] フリッツ・クライスラー(ヴィオリン)、フランツ・ルップ(ピアノ)、アルバム『クライスラー・プレイズ・クライスラー』から Naxos Music Library (http://ml.naxos.jp/album/8.110992)
(1938年2月15日録音)
[B] ローラ・ボベスコ(ヴァイオリン)、ウィルヘルム・ヘルヴェク(ピアノ)『ボベスコ・プレイズ・クライスラー Vol. 2 愛のよろこび』 (1985年11月録音)日本フォノグラム 32CD 305
クラスの得票数→ [A] 10 [B] 29 [両方] 1

[聴き比べ3]ビリー・ストレイホーン作曲:《A列車で行こう》
[A] デューク・エリントン楽団 1941年2月15日録音。アルバム『A列車で行こう』(BMGファンハウス BVCJ-37163) から
[B] デューク・エリントン楽団 1966年録音。 アルバム『ザ・ポピュラー・デューク・エリントン』(BMG Japan BVCJ-37447) から
クラスの得票数→ [A]20 [B] 19 [前半はA、後半はB] 1 

[聴き比べ4]テリー・リチャーズ作詞、ビル・チェイス作曲《黒い炎 (Get It On)》
[A] チェイス (オリジナル) アルバム『Chase』から
[B] 和田アキ子 (vo.)、森田公一編曲(カバー)アルバム『AKIKO WADA 45th Anniversary Essential Collection』から(オリジナルは1973年「和田アキ子リサイタル~日劇に於ける実況録音」から)
クラスの得票数→ [A] 27 [B] 11 [無回答] 2

[聴き比べ5] メル・トーメ作詞・作曲《ザ・クリスマス・ソング》
[A] ナット・キング・コール (ヴォーカル) Merry Christmas - 100 Best Songs Ever (Remastered)
[B] モーリン・マクガヴァン (ヴォーカル) "Voices of Christmas" Sony Classical MFK 66300
クラスの得票数→ [A] 17 [B] 20 [無回答]1 [A&B (どちらかというとB)]1 [どちらも好む]1

[聴き比べ6] かぜ耕士 作詞、中村八大 作曲 《涙をこえて》
[A] シングアウト アルバム『愛のつばさを-シング・アウトの旅』Ariola Japan (Sony) BVCK-37098
[B] ヤング101 アルバム『ステージ101ベスト』ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL-1043-44
クラスの得票数→ [A] 12 [B] 28
ちなみに聴き比べ5のBの音源はご存じないかもしれませんので、YouTubeのリンクを貼っておきます。

2015年7月17日金曜日

国立音大でガーシュイン・コンサート

「ガーシュイン・サマーコンサート」がまもなく始まります。客員研究員としておじゃましている国立音楽大学の音楽研究所が主催しています。

2015年6月4日木曜日

NHK Eテレ『ららら♪クラシック』ビデオ出演のお知らせ

5月の回に30秒ほど登場したNHK Eテレの『ららら♪クラシック』ですが、6月の回にも登場することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

放送日:6月13日(土)Eテレ 21:30~
再放送:18日(木)Eテレ 10:30~
副題:「バーンスタインの『シンフォニック・ダンス』」

2015年5月20日水曜日

ちゃんと調べてみる必要性

ガーシュインがラヴェルに弟子入りを断られたという話がされたのは、ナディア・ブーランジェに教わりにいった先のパリの出来事だということを言う人がいるらしい。「そうだったっけ?」と気になって、ちょっと調べてみた。

いくつか資料を眺めてみると、実はその発言はラヴェルがアメリカに来た時の話ということになる。エヴァ・ゴティエ宅で行われたパーティーで(ホステス以外は全員男性だったという、ラヴェルの要望で)、当日の通訳をしたゴティエが語ったところによると、ラヴェルは "it would probably cause him to write bad 'Ravel' and lose his great gift of melody and spontaneity."と語ったらしい。

Howard Pollackの伝記によると、ガーシュインもラヴェルも互いの音楽語法についてあまり知らなかったのだから、ガーシュインの申し出というのは"quixotic" (現実離れ/夢物語?) だったが、ラヴェルの方はそれをかなり真剣に考えて断ったようだ。親切にもラヴェルはナディア・ブーランジェに教わったらどうかとガーシュインにアドバイスしており、またパーティーの翌日には自らブーランジェ宛にガーシュインを紹介する手紙をラヴェルは書いているのだった。

ガーシュインを語るときによく使われる「1流のガーシュイン、2流のラヴェル云々」という言い回は、音楽評論家のDavid Ewenあたりが最初に広めたしらしい。 "Why do you want to become a second-rate Ravel when you are already a first-rate Gershwin?" がそうだ。

さらに映画『アメリカ交響楽』で"Gershwin, if you study with me, you'll only write second-rate Ravel instead of first-rate Gershwin" となって、定着したのだという。

図書館を使うことについて

佐賀・武雄市図書館に行ってみた(上)「公共」置き去り?、カフェ併設来館者3倍に:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
http://www.kanaloco.jp/article/69527

日本の公共図書館を無料貸本屋付のカフェにする、このような動きは、アメリカの公共図書館とはまた違った方向へ向かっているような気がします。アメリカの場合、いわゆる新書や文庫というものがなく(小さなサイズのペーパーバックはフィクション中心ですね)、ハードカバーが高いという問題はあると思いますが、それにしても「人が来ればよい」ということだけで「公共」は語れないでしょうし、人を呼び集めるときに、どのような施策があるのかについて、一考を迫っているようにも思います。

ちょっと考えてしまうのが、例えばスタバが儲からなくなって撤退したら、この図書館はどうなるのだろうという疑問。スタバが永遠に続くと仮定すると、そのような問いは馬鹿げているのかもしれないけど、スタバも「神」ではありませんので。

それから顧客データと図書館カードの問題がクローズアップされましたけれど、いずれにせよ、図書館に来る客層というのは、詳細なデータはなくとも店員が直接間近で把握できるのですから、当然企業体としておいしい商売と考えられます。図書館には食堂なり喫茶室が付いていることはありますが、それはどちらかというと厚生施設としての役割を担わされているように思います。この場合、スタバのような企業が独占的に引き受けているのは、そのような機能なのか、あるいは違うのか。いろいろ問題はありそうです。

日本の学校で「勉強」というのは、次の学校へ入学するための試験のためにするものであり、学習内容は、その教科書の中から出題されるというものになってはいないでしょうか? 決められた枠組みの知識をどれだけ記憶できるかということで学力を計るということが「勉強」であれば、図書館というのは、その枠内の知識を詰め込むために参考書なりを使って学ぶ場所になり、図書館にいくら本を並べておいても、自習室にしかならないということでしょう(もちろん気晴らしに本を読む可能性はあるとしても)。つまり図書館をいかに使うのか、それがいかに大切なことなのかということは知らずに大学に入り、そこで突如としてレポートを書く必要に迫られてくるのですね。これはやはり、日本の教育の問題でもあると思います。

ところで、以下はアメリカの公共放送の子ども向け番組『アーサー』で放送された、読書と図書館の使用を促すエピソードの一部です。図書館に人を連れてくるということであれば、人気のカフェでやるのではなく、こういうアプローチの方が個人的には好みです。

ARTHUR |  Having Fun Isn't Hard When You've Got a Library Card



2015年4月17日金曜日

『ららら♪クラシック』にビデオ出演します

宣伝です。

NHKのEテレで毎週土曜日に放送されている『ららら♪クラシック』に(ほんのすこしですが…)ビデオ出演いたします。ぜひご覧ください。

ららら♪クラシック グロフェの「大峡谷」
本放送 5月 9日(土)21:30~21:59
再放送 5月14日(木)10:25~10:54
番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/lalala/

担当ディレクター氏曰く「とっても楽しい番組になっております!」だそうです。



2015年4月16日木曜日

『音楽現代』2015年5月号

今日、こちらに届きました。谷口による記事は以下になります。
  • 神奈川県民ホールの《オテロ》 (こちらはグラビアページに掲載)
  • 神奈川フィル 第305回定期(サッシャ・ゲッツェル指揮)
  • 秋山和慶 指揮者50周年記念演奏会
  • 神奈川フィル 第307回定期 (広上淳一の北欧モノ)
ぜひお手にとってくださいませ。