2005年4月6日水曜日

ABQの大フーガ

ベートーヴェン 大フーガ作品133 アルバン・ベルク弦楽四重奏団 英EMI Classics 5 73606 2(旧全集Box)、CD 4 of 7

符点音符や三連符が支配的なテンポの速いフーガの部分では迫力極まる演奏が聞ける。各奏者の主張が強く、フーガ主題を追うよりも、それと同時進行する多数のフレーズのぶつかり合いの中で飽和する感覚だ。特にアウフタクトでフーガ主題が始まる場所など、そんなに粗野にしなくとも、とさえ思ったくらいだった。一方メノモッソの部分は透明感を持った磨き抜かれた印象で好感が持てた。全体に気負い先行型といった印象。

フーガだからといって、声部から声部へ滔々と楽想が流れ湧き出るバッハ風のものを目指す必要はない。むしろベートーヴェンのフーガは、もっと赤裸々な表現を要求する可能性が強い。ただアルバン・ベルク四重奏団は、やや過剰な演出をしているように聞こえてしまうのである。もしかすると、このフーガを初演時のようにOp. 330のフィナーレとみなしたがためにこういう大段に構える表現になるだろうか。確かにそれならば、こういった音楽になり得なくもないのだけれど。

普段聞いているズスケ四重奏団の自然体な演奏に影響されてしまったのであろうか。

0 件のコメント: