2017年7月14日金曜日

国音の授業(最終回)

今日の国音の授業(最終回)は『ルパン三世カリオストロの城』の回だったのだけど、担当の学生が来なかったので、僕が1時間だけ話しました。
要点としてはこんな感じです。
・大野雄二がジャズ・ピアニストとしてキャリアを始めたこと。
・ファースト・ルパンとの関係(緑ジャケット)
・テーマ音楽が「和風」「日本人が好きなカツオダシを少々入れた」(大野の言い方)→二六抜き短音階だからか?
・アクションシーン(カーチェイスや結婚式における乱痴気騒ぎ)で使われている '80版テーマ('78, '79のテーマもちょっと聴いてみた)
・宮崎氏からは「人間味や暖かさを大切にしているので、音楽もそういうイメージで」と言われたこと
・そのため、TVシリーズでは都会的にしている音楽を牧歌的な感じにした(ヨーロッパの小国や古城を舞台としているということも含め)
・のどかな感じを出すためにオーボエを使った(オーボエ奏者はコーラングレしか持ち替えができないので、予算的には贅沢な試みだった)
・《炎のたからもの》について、ヨーロッパ的雰囲気のため「6/8拍子の静かな曲」にし、生楽器中心に考えた。
・《炎のたからもの》クラリスのテーマは、クラリス⇔ルパン(塔の中の場面)、ルパン→クラリス(回想シーン)という両方向の表現に使われている。
・人物紹介を冒頭にせず、すぐに物語に入れる強み(テレビシリーズで設定が知られているため)
・そのため、上映当時は今ひとつパッとしなかった(大野自身も「本来のルパンとは正反対なもの」と思っていた)。
・宮崎氏にとっては「金・宝石・女」といった表向きの行動原理のルパンではない方向性を狙っていた。
・キャッチがあちこちに使われ、一つの曲がぶった切られたり、複数のスコアをキャッチでつないだりしている。
・キャッチはあちこちで単独でも使われており、しかも前のアニメシリーズのものも使っている。
・婚礼の場のオルガンはエレクトーンだが、スタジオで演奏したものを録音している。

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