2008年7月9日水曜日

読書記録

Elliot, David J. Music Matters: A New Philosophy of Music Education. New York: Oxford University Press, 1955.

今日の昼にアメリカのアマゾンから届きまして、午後から夕方にかけて、流し読みしました。とても面白い本です。

静的な音楽作品だけが音楽ではなく、それが即興的に生まれるプロセスも音楽であるし、アクティヴな聴取活動も音楽に含まれるのだというのが主な主張でしょうか。民族音楽学の人からすれば当然のことだろうけれど、著者デヴィッド・エリオットの師匠のリーマーなど、従来から考えられてきた「作品」に美的価値を見出す考え「だけ」では、人間の「行為」としての音楽、文化としての音楽を考えることはできないということですね。

このほかにも色々な話題に触れていて学ぶことや目を開かれることも多く、要点を述べるために具体的な想定事例を引いたりして難しいことを簡潔に述べているという点でも、好感を持ちました。

多文化主義のアメリカでは、こういうアプローチで音楽を考える必要性が増してくるような気がします。


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