2025年1月31日金曜日

Happy Trails: Round-Up 2 (カンゼル/シンシナティ・ポップス・オーケストラ)

"Happy Trails: Round-Up 2" エリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス. オーケストラ、ジーン・ オートリー、 シェリル ・ミルンズ 、ロイ・ロジャース、米国空軍シンギング・サージェントの男声合唱団員 Tearc CD-80191

カンゼルのヒット・アルバム『Round Up』の続編ということか。第2弾の難しさは、選曲の選曲の難しさである。第1弾にベスト・ヒット を網羅すると、同じ曲の使えない第2弾は、どうしてもマニアックな選曲になるからだ。しかも「みんなが知っている曲」を収録することが何よりも売れ行きに大きく影響するだろうから…。

そんな中で、エンニオ・モリコーネの『続・夕陽のガンマン』やディミトリー・ティオムキンの『ジャイアンツ』『アラモ』などは、やっぱり「おっ」と思わせる。モリコーネはスパゲッティ・ウェスタン(日本的にはマカロニ・ウェスタン)だし、ティオムキンは「アメリカらしさ」を作り出している人がウクライナ生まれということも分かったり。

いまはSpotifyでも聴ける時代なのだから、ちょっと聴いてみてはと思う。 新たな発見をすることは間違いなさそうだし。  (2004.5.21.執筆、2025-01-31補筆)

2025年1月22日水曜日

「マイケル・ティルソン・トーマスの軌跡を記念BOXで振り返る」というレビューを書きました

 【生誕80年】マイケル・ティルソン・トーマスの軌跡を記念BOXで振り返る(谷口昭弘) https://recogei.ontomo-mag.com/article/advance-review/p-10374

遅ればせながら『レコード芸術ONLINE』に、マイケル・ティルソン・トーマス (MTT) のCD Box3点をレビューしました。

MTTといえば、ロンドン交響楽団とのマーラーの交響曲第9番をサントリーホールで聴いた (1992年5月19日) のが個人的には思い出に残っています。圧倒的な演奏で、打ちのめされました。しかし当時の新聞批評には「酔えないマーラー」という見出しで否定的な評価がなされ、音楽評論家に不信感を持つようになりました。それで、評論文みたいなもの勢いでしたため、大学学部時代の先生に見せたりしました。残念ながらそのときに書いた文章が見当たらないのですが、演奏についてきちんと書いた文章としては、それが生まれて初めてのものだったかもしれません。

今回まとめてMTTの録音を聴いてみて、波長と合う指揮者であることを改めて実感しました。またMTTの演奏というと、アメリカ音楽ばかりを(自分の専門に近いということもあった)中心に聴いてきたので(マーラーは何枚かあったと思います)、お仕事とはいえ、彼の幅広いレパートリーを堪能できて、本当に良かったです。