2023年7月23日日曜日

西北タイの少数民族の音楽:日本音楽の源流を求めて Victor SJ-1010〜2

ビクターから発売された3枚組で、資料的には貴重なレコードとされている。残念なのは、なぜか録音にエコーがかかっていること。確かこれはフィールドロックオンのはずなのに、なぜエコーをつけたのだろうか。フィールド録音のはずなので、変な感じがする。「音楽的に聴ける」ようにするため??? 無加工の録音の方が好きなんだけどなあ。Ocoraレベルを求めている訳ではないが、エコーはない方が、人の声の生生しさが伝わるような気がする。全体的には、素朴な歌の方よりも、楽器の音楽の方が楽しめたかもしれない。またケーンあたりの音楽を聴くと、やっぱり(ラオスとか)タイだなあと思ったりもする。ただ「日本音楽の源流」というコンセプトをどのくらい感じられるか、というと、なかなか難しい。確かにケーンは笙の仲間ではあるが…。ペンタトニックというところは共通ではあるが…。やはり物理的な距離に由来するものなのか。

ちなみにこのレコード、かつて東川清一先生の研究室にも置いてあった。内田氏から送られてきたものだったのかな?

2023年7月22日土曜日

Festival music from Western Samoa. Hibiscus – HLS-72.

参考Soa Amata Opening Dance of a Fiafia

ヤフオクでポリネシア音楽のレコードを何となく買ってしまったうちの1枚。今年度から「諸民族の音楽」を担当するということになって、図書館に置いてある資料として少ない地域にどうしても目が行ってしまったということかもしれない。しかし、このFestival music from Western Samoaという1枚のA面2曲目のこの曲がめちゃくちゃ気に入ってしまったのだった。突然のバタンという音、叫びなんかも素晴らしい。YouTubeには、このときのリハーサル動画っぽいものも残っていて ((Western) Samoa Excerpt for 1976 South Pacific Arts Festivalhttps://www.youtube.com/watch?v=yoyRa6jZnpQ) 、それまた生々しいのだ。その動画によると、この録音は1976年のSouth Pacific Arts Festivalにおけるステージ・パフォーマンスだったそうで、メンバーは全員教師ということらしい(この教師というのが、このコミュニティの初等・中等教育の教師という意味なのか、あるいは伝統芸能を教える教師ということなのかについては、僕もよく分かっていない)。また、西サモアは、別の島からの移住してきたという一般的な学説?を受け入れず、サモア人はサモアに源流があるという立場を取っていたらしい。特に酋長(マタイ)の権力を尊重しているという。音楽についても、西洋の楽器の影響を配し、木製の太鼓を木のマットでくりみ、それを棍棒で叩く打楽器のみを使うようだ。そのシンプルな伴奏に乗せて、体を叩いたり、手拍子を多用している。その一方で、美しいハーモニーは保っているということのようだ