2018年2月24日土曜日

読書記録

・グローバル化時代の大学論1 - アメリカの大学・ニッポンの大学 - TA、シラバス、授業評価 (中公新書ラクレ) [Kindle版]

今後の日本の大学における「処方箋」というものは提示されていないように思ったけれど、アメリカと日本の事情を比較する際に気をつける点は、僕自身、僭越ながら、日米の大学を体験している立場から、納得するところも多かった。TA制度の歴史については詳しく知らず(僕はRAしかしたことがない)、紆余曲折の経緯があったのだなあと思わされた。

なるほどと思ったのは、1セメスターに履修する科目数。確かに日本の大学は前期・後期それぞれで履修する科目がものすごく多い。それに僕のいた大学では、1セメ16単位時間で5年卒業ってことを毎回のレジストレーションの時に言ってたような記憶がある。それに授業料って単位ごとの課金なんだよね(州内・州外と値段が違うのもご承知の通り)。しかしそういったことが意外に大きいのだなということが分かったのは収穫かも。アメリカとは対照的に、日本の企業側が大学で何をしたのかを重視しないというのは、全くもってその通り。アメリカの学生が成績について戦々恐々としているのは、僕も感じた。自分が有利になるように、授業で必要な図書館の本を学生が隠したという事例も、僕がいた大学ではないけれど、聞いたことがある。確か退学になったんだったかな?

・教えて! 学長先生-近大学長「常識破りの大学解体新書」 (中公新書ラクレ)

「理系」学部ということもあって、さまざまな試みは面白いものの、いまいる大学でどのように使えるのかな? というのは直接的には結びつかない感じ。具体的なノウハウというのは、もっといろいろ事務処理的な問題もあるのだろうけど、そういったところはあまりこの本を読むだけでは分からない。こういう接し方が大事、といった理念的なところは何となく伝わってくるとは思う。

ただ、ものすごく共感できたのは、偏差値による階層化の問題点。まあ僕自身、偏差値なんて全く気にせず大学に進学しちゃったなあ。向上心が足りないというべきか(汗

2018年2月5日月曜日