2017年9月17日日曜日

最近の読書記録

 佐藤優『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』

正直、あまり参考になるアイディアというものはなく、また何か知的な刺激になるものがあったかというと、あまりなかったような気がする。高校の教科書を学べというのは確かに一理あるのだけれど、少なくとも僕は(高校で学んだ)日本史・世界史の教科書(一応何年か前に買って持ってる)で歴史を学び直そうという気は、あまり起こらない。FB友に勧められて購入した青木裕司『青木世界史B広義の実況中継』は、それなりに面白く読めそうではある。でもやっぱり、記憶しようと思った段階で拒否反応を起こしそうなんだなあ。

民族・ナショナリズム問題に関して紹介されていた本のうち2冊(アンダーソン、ゲリナー)は持っていた。アンソニー・D・スミスは、ここに紹介されているのと違うのを持ってなかったかな?

実は佐藤氏の本はこれが初めてかな? Kindleよりもずっと安い古本で買って正解だったかも…。

山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(Kindle版)

出だしはまさに、本のタイトルの通りで、エリート(ビジネス・エグゼクティブ?)が美術館へ行ったりして、美意識を鍛えようとしているということが書かれており「なぜか」という問いかけで始まり興味を持たせてくれるのだけれど、最後のページまで行っても、何かインタビューがされていて冒頭の問いの答えがあるのかと思ったけど、どうもそういうものはなかった。代わりにアップルだとかマツダだとか、いわゆる商品のデザインで成功した企業の例や、CEOの行ったこと・発言が引用されていた。

論理的に考えて答えの出ない問題には直感が大きな能力を発揮する、あるいはモラル・ハザードやコンプライアンスから外れた行動を起こさないために(それはサイエンスとクラフトを重視アートを軽視すれば必ず起こるということらしい)企業が「美意識」を持つことが必要だという主張にはなんとなくそうかも、とは思うのだけれども、いまいち肩透かし感が残る一冊だったような気がする。

一方、システムに疑問を持ち続けることは、とても大切だけれど、筆者が言うように「恥の文化」と「罪の文化」とに違いを感じ、後者の必要性を説くのであれば、それにどう近づいていくのかについても示してほしいと思ったことも確か。もちろんクリスチャン的には絶対的基準としての神がいるということになるのだけれども…。小室直樹氏も日本人はキリスト教を学ぶべきと言ってはおりますね。