2004年10月2日土曜日

アメリカ音楽リスニング・メモ (2004年9月〜10月)

デヴィッド・N・ベイカー:ヴァイオリンとジャズ・アンサンブルのための協奏曲 カーメン・ドラゴン指揮ハリウッド・オール・スター・ジャズ・バンド Laurel LR-115.

ドラゴンはインディアナポリス生まれ。もともとジャズトロンボーン奏者で作曲編曲家である。スタン・ケントン、メイナード・ファーガソン、ライオネル・ハンプトン、バディー・ジョンソン、ウェス・モンゴメリーだと共演したこともあるそうだ。(2004.9.30執筆)

From the Kitchen Archives: New Music, New York 1979.  Orange Mountain Music OM 0015. (2CDs)
アマゾン

The Kitchenは 1971年ビデオアーティストWoody and Steina Vasulkaによって 設立された。ビデオ、音楽、舞踊(ダンス)、パフォーマンス、ニューメディア、文学をリードする中心的存在として国際的に知られている。そして最先端の複合領域にまたがる作品にのみ焦点を当てるのだという。

The Kitchenは 30年以上にわたって、すべての演目をビデオテープ、あるいは録音テープに記録してきたそうだ。しかし、近年、古い媒体に残された6音が痛み始めたと言う。1999年Elise Bernhardtのもと寄付金を募ったのだとか。 1970年代のテープだと、1つの箱の中にジョン・ケージ、フィリップ・グラス、ローリー・アンダーソン、デヴィッド・チュードアといった録音が詰め込まれていた1枚目の方が楽しく聴けた。以下、思いつくままのメモ。

フィリップ・グラス:《ダンス #4》(1979)

ライブだとキーボードの演奏も結構指がもつれているように聞こえる。それゆえ純粋に反復を追っていくのとは、別のところに耳がいってしまうところがあった。これはアンサンブルではなくて、グラス1人による演奏? 11:59から電子キーボードのためか、低音はあまりなく、テンポも若干速めだ。 

比較として聴いた1986年のCBS版もグラスの自演。エコーがある分自然に聞こえる。倍音も多く入っている。 教会やオルガンとダンスはかなりイメージ的に遠い存在だ。23分もの作品は耐え難い作品ではある。19分あたりから変わったコード進行が挿入されている(?)。重厚なイメージが強くなってくる。

Jon Gibson:Criss X Cross

きっちりと規定されたピッチの中で、緩やかに規定されたあるいは全くの即興によるリズムやフレーズによる作品とライナーにある。一方、時間は延々と続いていくのだから、飽きずにやるには変化が必要だろう。

Pauline Oliveros. The Tuning Meditation

彼女が行っているソニックメディテーションを、結果として作品となったものでなく、現実に何が起こっているのかを想像しながら聞けるのが面白い。冒頭のオリヴェロスの指示に従って、CDの聴き手も瞑想に入り込むことさえできる。(2004.10.2 執筆)