2024年2月27日火曜日

『退け、暗き影固定ドよ: ソルミゼーション研究』by 東川清一先生

僕自身は固定ドの人間なのですが、大学院は東川先生の授業も取っていたので、なかなか冷や汗をかきます…。いまは移動ドも絶滅危惧種なのでしょうか。僕が横浜に来る前は、富山の、お寺の合唱団で伴奏をしていたのですが、12〜3年前に70台だった方々は、みな移動ドで、結構苦労した記憶があります。この動画を見ながら、東川先生と「移動ド」のことを思い出しました。

YAMAHA MUSIC SCHOOL CM 「夢中な背中」篇(30秒)

2024年2月23日金曜日

日曜洋画劇場 Philips 18Y-1 アンリ・モリエール・オーケストラ

日曜洋画劇場 Philips 18Y-1 アンリ・モリエール・オーケストラ

こちらをようやく入手。ジャケット裏に、淀川長治氏のコメントが載っている。それによると、このレコードは『日曜洋画劇場』が10年目を迎えた年にリリースされたという。A面最初に番組のオープニング・テーマ、B面最初にクロージング・テーマが収録され、その間にいろいろな映画のテーマ音楽をアレンジしたものが収録されている。いわゆる「スクリーン・ムード」の1枚といえるのだろう。

ジャケットの他にはインサート(曲目解説)が入っているのだが、オープニング・テーマは曲目も書かれておらず、当然のように解説もなし、最後の《ソー・イン・ラブ》に至っては「⑨ソー・イン・ラブ (クロージング・テーマ) SO IN LOVE ■コール・ポーター作曲」とだけあって、解説部分は空白になっている。書くことがなかったのかな? 当時はまだ、これがモートン・グールド編曲だったということが確定していなかったということでもあろうか。

肝心のSo in Loveについては、アレンジ元として渡された音源が、グールド・オリジナル音源の2:10くらいまでなかったのか(あるいはその後もしばらくは残っているが最後まではなく、2:10部分までで終わらせようという決断に至ったのか)、そこまではグールド版のテイストをかなり残して(耳コピ+)アレンジしているのだが、2:10部分に到達したらAbからFmに転調。そしてモリエール版では、ここからAメロに戻って、オリジナル2:10の部分までの繰り返しになっている。そしてオリジナルの2:10部分(2回目)になったら、Abで華やかに終わるのだった(ちなみにグールド版はEbで終わっている)。2回繰り返しているのは演奏時間の尺が短すぎる問題があったのかもしれない。

演奏はスタジオ・ミュージシャンということになるのだろうけど、なかなかの力演。意外と難しいんだろうなあ、という感じは伝わってくる。ちなみに、レコードのはステレオ録音だけど、ピアノは右寄り、ハープは左寄りにミックスダウンされているように聴こえた。

YouTubeに残っている『日曜洋画劇場』のエンディングの音声と合わせてみた感じ、やはりモートン・グールド音源でない方は、このレコードのアンリ・モリエール・オーケストラの音源で間違いなさそうだ。

オープニング・テーマに関しても聴いてみたけれど、YouTubeの音源とは違ってそう。そもそもオリジナルはかなりテンポが速いし、ホルンのハイFに関してはアンリ・モリエール・オーケストラはノーミス一発録り?で決めてるけど、オリジナルの方は、外してる人もいるっぽいよね。モリエール…の方は、そもそもホルンは1本重ね録りかな? いやさすがに2本か?

(2024年2月28日追記) ちなみにYouTubeには「幻の別バージョン」として、モリエールのもありました。こちらです。


このYouTube動画へのコメントとして、以下のようなものがありました。ご参考まで (2024-11-08追記)。
【「幻」の別バージョン!】何故?こう呼ばれるのか?
このテイクを担当したのは、クロード・フィリップ・オーケストラ。
では彼は誰? そうです。神津善行その人です。 オープニング/テーマを作曲した神津さんがフィリップス・レコードからの依頼で数枚の『日曜洋画劇場』関連のアルバムを発売するにあたり、自身の本名を隠匿すると同時に、外国人演奏家風に考えついたのが、クロード・フィリップというペンネームでした。 そのアルバム類の最期に収録したのがこのテイクなのです。
だからオリジナルのモートン・グールド楽団のアレンジをそのまま踏襲して演奏しました。
それが、RAA全米音楽協会などからクレームなのか?
諸般の事情で、M・グールド盤を使えない時期に、神津善行氏のアレンジ盤をテレビ・サイズに編集して使った。 
これが真実です。
のちにモートン・グールド盤はCD化されたので、容易に聞けます。 
しかしこのテイクは未CD化なので、むしろ貴重な演奏です。 アップ主に感謝します。(@iglesiaselamor1569氏によるコメント)


2024年2月14日水曜日

音楽現代2024年3月号

音楽現代2024年3月号(vol.54 No.3)ですが、谷口は、以下の2つのレポートを書いております。どうぞよろしく!

・カラー口絵 
神奈川県民ホール C×C 作曲家が作曲家を訪ねる旅 Vol5
夏田昌和×アルノルト・シェーンベルク[生誕150年](p. 4)

・サー・アンドラーシュ・シフピアノ・リサイタル 2023  (ミューザ川崎、10/1)  (p. 109)

第28回フェリス女学院 メサイア演奏会

2024年2月12日 (月・祝)
G. F. ヘンデル:オラトリオ《メサイア》Ferris version
指揮:星野聡
ソプラノ:宮部小牧、中川みのり[音楽芸術学科3年]、世古有里奈[音楽芸術学科3年]
アルト:牧野真由美、廣田優芽[音楽芸術学科2年]
テノール:蔵田雅之
バス:土屋広次郎
管弦楽:フェリス室内管弦楽団
チェンバロ:長久真実子
オルガン:宇内千晴
合唱:フェリス女学院大学音楽学部合唱団





観客を入れての開催は5年ぶりとなる、「フェリスのメサイア」でした。合唱の女声パートは、フェリスの授業で「合唱I・II・III」を履修している学生で、男声は有志(といっても、とっても上手)の方が参加し、特別編成のオーケストラを、音楽芸術学科の主任でもある星野先生を指揮されました。フェリスといえば、長く続いている伝統の行事で、これまではクリスマスの時期に公演があったのですが、音楽的な側面(いわゆる演奏の仕上がり)も考慮し、この時期の開催となっております。今年はちょうど受難節になっていて、作品本来の趣旨がより活きる形になっていますね。

今回特質しておきたいのが、気持ち良くホールに響いた合唱かと思います。やはり時間をかけたリハーサルが良かったのか、GPでは緊張していてあまり声が出ていなかったとも伺いましたが、なんのなんの、とてもよく聴こえました。学生の独唱も堂に入っていて、オーケストラと溶け合っていました。

2024年2月11日日曜日

国会図書館のデジタル資料

 国会図書館のデジタル資料で、戦後富山のクラシック音楽の状況が色々と見られるようになって、なかなか面白い。石川県の資料でも、富山県内のコンサートや音楽団体について、下手をすると石川県の動向よりも詳しく長く書いてあり、特に富山県の音楽団体に対しては、とても辛辣に書いてあって、それがかえって刺激的だ。

レコード・コンサートの実態については、富山市立図書館の書庫にあった資料が一次資料といえるんだろうけど(引っ越しの時に、どうなったんだろうなあ)、高岡や魚津あたりのレコード・コンサートの情報もいろいろと分かってくるね。