2016年10月10日月曜日

フジテレビ『めざましテレビ』に電話出演

フェリスのサイトでも紹介されましたとおり、体育の日の10月10日に放送された『めざましテレビ』、7時15分からの「ココ調」というコーナーに電話出演し、運動会で使われる曲《天国と地獄》序曲が定番曲になった背景として、サイレント映画が流行した時代に、走るシーンのBGMとして多く使われたことからこの曲が定着した、ということを解説しました。

リアルタイムでは観ていなかったのですが(通常授業日でしたので)、妻が録画してくれたもので拝見しました。

まずあれは「運動会の歌」(by 運動会に来ていた人)なのか、そういう感覚で世の中に接しなければいけない、という実感をしました。クラシック音楽業界(?)の中にいると、半ば常識的にあの曲の名前は出るものなのですが、「世間的」にはそうではないことを、改めて肝に銘じます。

ちなみに私は《天国と地獄》序曲は「ダンスの曲」とは言えないように思います。オペラ本編には、いわゆる<地獄のギャロップ>という曲がありまして、そちらは「カンカン踊り」の音楽ですが、それだと合唱が入ってしまうのです(番組ではCDジャケットのタイトル面が出してあって、そこには「序曲」と書いてあり、<地獄のギャロップ>ではないということが分かるようになってました)。そもそも 序曲というものは、そもそもオペラの本編に登場する歌の旋律を散りばめるものですから、<地獄のギャロップ>の旋律が序曲にも登場するというのも自然なことですね。

ちなみに「無声映画に使われて云々」は、おそらく日本での話だと思います。とある楽譜の解説に「日本では無声映画時代の初期に悪漢追跡の幕切れにかならずこの曲を演奏したので、ひろく大衆的に流行したことは有名な話」とあるのが調査で分かったところ。 ただ直接的に運動会というところになると、やはり音楽の先生が関与しているということになり、古い雑誌を覗いてみると、運動会にレコードをどう使うかという記事があり、「徒競走」については、「適当なレコードがなかなか見当たらない」としながら「一番かけっこの情景にふさわしいのでよく利用したのは、山本銃三郎の『突撃』とオッフェンバッハ(ママ)の『天国と地獄』の序曲であった」と書いたものがみつかりました。

この記述によれば、どうやら戦前からレコードは運動会に使われていたらしいのですが、かつては「かけっこの時は、急速調のレコードをかけて気分を高めるところと、全然音楽を用いない学校」があったそう。今みたいな状況は、やはり「学芸レコード」「実用レコード」が広く出回るようになってからだろうな、と思います。

ちなみにあれはどこでしゃべってるかというと、湘南台駅構内の待合ベンチみたいなところに座り、携帯電話でしゃべってます。