2013年6月7日金曜日

サミュエル・バーバー(1910-81)の歴史的録音集



Samuel Barber Historical Recordings 1935-1960.  West Hill Radio Archives WHRA-6039 (8 CDs).

Naxos Music Libraryへのリンク→http://ml.naxos.jp/album/whra-6039

いまさらながら、このCD8枚組を聴いております。個人的には交響曲第1番の初版を楽しみにしておりまして、冒頭から弦が1オクターブ低く入ってくるとか、細かな違いを比べるのがとても面白いです。

緩徐楽章にあたる部分、ブルーノ・ワルターはオーボエ・ソロをダブらせていたように思い、それはロジンスキー/NBC交響楽団ではどうなっているのかと思っていたのですが、やはりソロで演奏されていました。ということは、あのダブりはワルター版ということなのですね。

あと、初版で全く違うのがスケルツォ部分です。これは全く別の曲になっているように思えてしまいます。結果的に冒頭のテーマとの関連性が薄くなっているように感じました。途中から私がいつも聴いたところが戻ってくるので、「あ〜、こうやってつなげたのか〜」という感じです(その後も、また別世界が!)

他のCDは全く聴いてないので、まだ何とも言えませんが、こと交響曲第1番に関しては、とても貴重な資料的な音源であり、ロジンスキーの演奏もなかなか良いと思います。好みからすると、ワルターよりもロジンスキーの方が面白いと思えるかもしれません。

交響曲第2番に関していえば、クーゼヴィツキー/ボストン交響楽団の演奏は、かなり前ですが、AS Disc から出ていた音源と同じなのでしょうか? いま研究室に AS Disc のがあるので比較できないのが残念。でも初版と改訂版という違いですと、第2よりも第1の方がインパクトがありました。いや、もちろん第2もビーコンが入ってたり、第3楽章の一部に、改訂版にはない「けたたましい」トランペットのフレーズも入ってますけどね。

ただ、音は、処理はしてあるもののモノラルですし、放送録音も多いので、どちらかというと、バーバー作品をこれまで聴いてきた方向けの Boxセットかもしれません。値段も決して安くはありませんし…。ただ、僕みたいな、これまでずっとバーバーに興味を持ってきた人間にとっては、出費以上の物が手に入ったという感じです。

このセット、アメリカでは入手不可と記されております。放送録音の権利関係なんでしょうか。日本にいて良かったのかもしれません(もっともアメリカのアマゾンでは売っているようですが…)。

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