2010年9月30日木曜日

執筆活動記録9月 (その2)

レコード芸術』の「海外盤試聴記」、10月号は、以下のディスクです。Naxosのアメリカ音楽は、毎月コンスタントに出続けていますので、引き続き取り上げていく予定です。その他はel (Cherry Red Recods) から、20世紀音楽の貴重な復刻を2点。このレーベル、現代音楽専門っていう訳ではないのですが、時々おやっと思うものをリリースしてくれるようです。シュトックハウゼン/ブーレーズのは、特に注目かと。


・エリック・ウィテカー:合唱作品集 (彼女の聖なる魂が舞い上がる、少年と少女、水の夜、結婚、ルクス・アルムクェ (黄金の光)、小さな木、ダビデ王が息子アブサロムの戦死を聞いた時、レオナルドは空飛ぶマシーンを夢見る、私はこの素晴らしき日を神に感謝する、眠り、小鳥 ノエル・エジソン指揮エローラ・フェスティバル・シンガーズ、レスリー・デアス(ピアノ)、キャロル・バウマン (パーカッション) Naxos 8.559677<録音=2009年4月>


・ジョン・ケージ フォンタナ・ミックス、ファースト・コンストラクション・イン・メタル、カリヨンのための音楽第1番、ウィリアム・ミックス、街はソフト帽をかぶっている、変化の音楽 イタリア放送電子音楽スタジオ、ポール・プライス指揮マンハッタン打楽器アンサンブル、デヴィッド・チュードア (ピアノ、電子カリヨン)ほか el (Cherry Red Recods) ACMEM194CD <録音=1958年、1958年5月、1942年5月、1953年3月>

・カールハインツ・シュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ:ニュー・ディレクション・イン・ミュージック (シュトックハウゼン:エチュード、ツァイトマッセ、ピアノ曲第11番 [3ヴァージョン]、ブーレーズ:ル・マルトー・サン・メートル)、ロバート・クラフト指揮アンサンブル、マージェリー・マケイ (アルト)、デヴィッド・チュードア (ピアノ) el Records (Cherry Red Recods) ACMEM183CD

<録音=1953年、1958年2月、1958年9月>


2010年9月22日水曜日

執筆活動記録9月 (その1)

音楽現代』2010年10月号の特集「ブルックナー指揮者とマーラー指揮者」に私も寄稿させていただきました (68〜69ページ) 。一般にマーラー指揮者と考えられる指揮者がブルックナーを振るとどうなるか、あるいはその逆はどうなるのか、ということから、ブルックナー、マーラーの音楽の特質について、自分なりに考えたものを書いてみました。「ブルックナー指揮者」「マーラー指揮者」というレッテル自体からして、「理詰めによる根拠のある話」は期待できないということもあるのでしょうが、あえてそういうのを規定して見えてくる/聞こえてくるものもあるように思いました。

セレクションとしては、録音として検証できるものを中心に選びました。ブルックナーもマーラーも振りながら、なおかつどちらかの作曲家の方に光る指揮者といいますか、そういう視点です。他の方が取り上げておられるバーンスタインのブルックナー9番、ヨッフムの《大地の歌》というのも選択肢としては挙げていたのですが、サンプルとしては若干不安があったので、やめたというのが本当のところだったりします。バーンスタインのブルックナーといえば、9番にはDGのほかニューヨーク・フィルと録音したSony (Royal Edition)がありますし、New York Philharmonic Live Boxに収録された第6番もあります。後者はライブですし、アンサンブルもあまり芳しくないように思い、サンプルとしては、さらに危ういように感じました。

それにしても、私にこのような題材で原稿を依頼して下さった編集者の勇気は讃えたいと思います。