2014年12月23日火曜日

フェリス女学院大学 音楽学部 冬期音楽講習会

フェリスにおける今年最後の学内業務は冬期音楽講習会です。

当方は「(副業としての)音楽ジャーナリズム」について話した後、「クラシック&ポピュラー聴き比べ」を行いました。終わったあと「こういう授業は取れるんですか」とか「フェリスに4月からぜひお願いします」という高校生が やって来てびっくり。「お待ちしています」と答えました。

午後からは入試ポイント解説「国語・英語」をやる予定です。

2014年12月20日土曜日

たまには本務校 (フェリス) のことでも

木曜日には、音楽芸術学科の2コマの講義を持っています。

まずそのうちの1つは「音楽社会学」という授業で、昨日は複製メディアの話をやりました(前回は自動ピアノから初期のレコード、ラジオの話、そして今回はその後、と言う感じです)。そこでちょっとした与太話も入れているのですが、その中で使った「エアチェック」と言う言葉がとっくに死語であり、「そもそもFM雑誌なんてあったのね」というのが学生の世代でして、時代の流れを感じています(ちなみに私は中学から高校にかけて、エアチェック・ブームまっただ中でした [苦笑] )。ただMDにCDの音をダビングした経験はあるので、そこからエアチェックの話は類推できるようではあります。

あと、メディアと音楽という流れで、ポピュラー音楽に触れ、アドルノなんかが言ってるような「標準化」という話題もやっております。そこでティン・パン・アレイのAABA形式のことや、ブルース形式などについて話しているのですが、毎年『ひみつのアッコちゃん』の《すきすきソング》をブルース形式の例として取り上げております。いつも何人か反応があって面白いです(コメントシートを書いてもらっているので、これを読むのが毎週の楽しみ…)。

もう一つ、 「日本音楽通史」というのもやっております(週2回授業=後期で30回というハードな授業)。先々週くらいまでは、日本の伝統音楽をやっていたのですが、今は明治の西洋音楽受容が中心になってきております。それにしても、やはり食いつきが全然伝統音楽とは違いますね。彼女たちにとっての「日本音楽」が、こういう辺りにあるっていうのは、哀しいかな、現状なのですねえ。

それで、前々回は3つの《君が代》をかけてみたのですけれど、いわゆる「フェントン版」が好きという学生がけっこういたのが印象的でした。和声的にはきれいだからかもしれません。 前回は滝廉太郎と新日本音楽、そして昨日は学校の外の西洋音楽ということで、鹿鳴館の話から軍楽隊の野外コンサート、東京市中音楽隊やら百貨店の音楽隊やらオペラの事始めを取り上げました。大阪三越音楽隊の《カルメン抜粋》の音源(『黒船以来』所収)があるのは、ありがたいです。最後にちょっとだけ明治の流行歌(演歌師による《スカラーソング》)など。

年内授業は、今度の月曜日に2コマ(ディズニー映画音楽、日本音楽通史のつづき)。そして火曜日に冬季音楽講習会でワークショップ(クラシック&ポピュラー聴き比べ)などをやります。

2014年12月19日金曜日

雑誌『シンフォニー』

こういうものが届きました。 せっかく購入しましたので、何らかの形で役に立てたいなと思います。


2014年12月12日金曜日

現代音楽講義 (23) プレイリスト

今日東京芸大で行なった「現代音楽講義」のプレイリストです(すべて一部断片のみかけました)

アメリカの保守主義
 ・ノーマン・デロ=ジョイオ (1913-2008):組曲《エアパワー》から (1958)

いわゆる「ポストモダン」(多様式主義、新ロマンなど)
・ジョージ・ロックバーグ (1918-2005):《魔法の劇場のための音楽》(1965) から第1幕、第2幕
・ロックバーグ:弦楽四重奏曲第3番 (1971)から第1楽章、第3楽章
・ウィリアム・ボルコム (1938- ):《黒の主》(1967) 
・ボルコム:《コメディア》(1971)
・シドニー・ホドキンソン (1934- ):《セリエルの崩壊》(1967)
・デイヴィッド・デル=トレディチ (1937- ):《ファイナル・アリス》(1975)
・マイケル・トーキー (1961- ):《ジャヴリン》(1990)
・マイケル・ドアティ (1954- ):《メトロポリス・シンフォニー》(1988-93) から、第1楽章 <レックス>、第5楽章<赤のマントのタンゴ>
→デル=トレディチのアリスは評判良かったです。もちろんバーバラ・ヘンドリックスとゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ響の演奏です。

2014年12月5日金曜日

現代音楽講義 (22) プレイリスト

今日東京芸大で行なった授業「現代音楽講義」のプレイリストです。
・テリー・ライリー:《レインボー・イン・カーヴド・エア》
・フィリップ・グラス:オペラ《浜辺のアインシュタイン》より第3幕第3場<宇宙船>
→「衝撃を受けた」というコメントがある一方で、退屈していた様子も(?)

・スティーヴ・ライヒ《ドラミング》(1970-71)(冒頭のほんの少しだけ)
・ライヒ:《木片の音楽》 (1973)
・フィリップ・グラス:《アクナーテン》(1983)より第2幕第4場<賛歌>
・ジョン・アダムズ (1947-):《中国のニクソン》(1985–87)より
・カール・ストーン(1953- ):《ホープ軒》(1989)
・ストーン:《神谷バー》(1995)
→例の築地市場のセリの声の部分。「言われなければ南米の音楽かと思っていた」とかいうコメントもありました。

・ポール・ドレッシャー (1951- ):《アザー・ファイア》(1991)
・ニコラス・コリンズ (1954- ):《途切れた光》(1991)
→ダニエル・レンツとか入れようとも思いましたが、当方の知識が未消化のため、あきらめました。ガンの本だと William Duckworth とかMeredith Monkなんかもミニマル/ポストミニマルに入ってるんですよね。