2024年4月9日火曜日

ニコライ・ベレゾフスキー (1900-53):交響曲第4番, Op. 29

Nicolai Berezowsky: Symphony No. 4.  Kansas City Philharmonic; Hans Schwieger (?), conductor.
ハンス・シュウィーガー指揮カンザス・シティ・フィルハーモニー管弦楽団

《クリスマス祝祭序曲》を紹介したときにベレゾフスキー紹介文を書いた (→当該ページ) 。今回は、他の資料も援用して、改定したものを掲載する。

ニコライ・ベレゾフスキーはロシア革命前のロシアに生まれ、声楽、ヴァイロイン、ピアノを学び、1916年にサンクトペテルブルグ宮廷聖歌隊から卒業。サラトフやモスクワの歌劇場管弦楽団においてヴァイオリン奏者を数年経験後、西側に行くことを決意。1922年にニューヨークに到着し、ジュリアードにてパウル・コハンスキ(パヴェウ・コハンスキ)にヴァイオリンを、作曲をルビン・ゴールドマークに師事した。すぐにヴァイオリン奏者として頭角を現し、ニューヨーク・フィル [第1ヴァイオリン] とクーリッジ弦楽四重奏曲のメンバーをつとめ、CBS交響楽団の団員でもあった。さらに指揮者、作曲者としても知られ、ボストンのセルゲイ・クーセヴィツキーがベレゾフスキー作品の演奏をすすんで取り上げた。このうち4つの交響曲 (1925年、29年、36年、43年) がボストンやその他のアメリカのオーケストラで取り上げられた。このほかベレゾフスキーの作品には、ハープ協奏曲、チェ ロと管弦楽のための《コンチェルト・リリコ》(ピアティゴルスキーとクーセヴィツキーにより初演)、ヴァイオリン、ヴィオラ、テレミンを独奏楽器にした協奏曲、弦楽四重奏曲、木管五重奏曲、ギルガメシュのバビロニアの物語を題材とした大スケールのカンタータも書いている。

ベレゾフスキーの大作の作風の特徴は、プロコフィエフを出発点とした、大戦間のフランス=ロシア風と呼べるが、活気ある軽妙な作品を作曲する才能にも恵ま れており、亡くなる数ヶ月前には、ジャン・ド・ブリュノフによる有名な絵本『ぞうのババール』をオペラ化した作品で成功を収めている。

その他にも《シンフォニエッタ》を作曲している。《シンフォニエッタ》はNBC放送が行った作曲コンクールで第4位を取り、1,000ドルの賞金を獲得した。楽譜も出版されている。

交響曲第4番は1942年の春遅くにニューヨークで作曲が始まり、11月に完成された。この交響曲は(クーセヴィツキー夫人を記念して設立された)クーセヴィツキー音楽財団の委嘱によるもので「親愛なるナタリア・コンスタンティノヴナ・クーセヴィツキーの思い出に 」という献辞が添えられている。

楽譜は、フルート2本とピッコロ、オーボエ2本とイングリッシュホルン、クラリネット2本とバスクラリネット、ファゴット2本とコントラファゴット、ホルン4本、トランペット4本、トロンボーン3本とチューバ、ティンパニ、バスドラム、サイドドラム、トライアングル、木琴、グロッケンシュピール、チャイム、チェレスタ、弦楽器で構成されている。

交響曲第4番は作曲家指揮によるボストン交響楽団により、1943年10月22日 (金曜日のマチネー) に初演されている。4つの楽章からなり、以下のような構成になっている。

I. Allegro non troppo, cantabile
II. Scherzo, vivace
III. Andante, molto sostenuto
IV. Allegro commodo, ma bravura

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